第5章 発達障害作業療法学 04)デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD) ④ステージ別の作業療法

〈第45回 OT国試 午後26〉

Duchenne型筋ジストロフィーのステージ2(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)で正しいのはどれか. 
1.階段は手すりを使用せずに昇降可能である.
2.立ち上がり動作では登はん性起立を認める.
3.歩行時の踵接地から爪先離地は正常に保たれる.
4.歩行時は股関節外旋位を取ることによって遊脚相を補助する.
5.立位では矢状面上の重心線が健常児に比べて前方に移動する.

解答

1.× 階段は手すりを使用せずに昇降可能であるのはステージ1である.
2.○ 正しい.
3.× 歩行時の踵接地から爪先離地は正常に保たれない.
4.× 歩行時は体幹側屈を取ることによって遊脚相を補助する.
5.× 立位では矢状面上の重心線が健常児に比べて後方に移動する.


〈第49回 OT国試 午前12〉

小学校に通う10歳のDuchenne型筋ジストロフィーの男児.厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類において機能レベルはステージ2である.学校生活で優先的に行う支援はどれか. 
1.マイクロスイッチによるパーソナルコンピューター操作
2.リクライニング式車椅子の作製
3.自助具によるスプーン操作
4.トイレの手すり設置
5.給食の食形態変更

解答

1.× マイクロスイッチによるパーソナルコンピューター操作はステージ2にはまだ早い.
2.× リクライニング式車椅子の作製はステージ2にはまだ早い.
3.× 自助具によるスプーン操作はステージ2にはまだ早い.
4.○ ステージ2に対し優先的に行う支援はトイレの手すり設置である.
5.× 給食の食形態変更はステージ2にはまだ早い.


〈第48回 OT国試 午前35〉

Duchenne型筋ジストロフィーのステージ5(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)のときのADLアプローチで正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.食器は体幹を動かさずに届く範囲に配置する.
2.万能カフでブラシを把持して整髪する.
3.ズボンの着脱は立位で行う.
4.便器への移乗にトランスファーボードを用いる.
5.洗体時に座位保持椅子を導入する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 長柄ブラシを使用して整髪する.
3.× ズボンの着脱は座位または臥位で行う.
4.○ 正しい.
5.× 座位保持可能であるため,洗体時に座位保持椅子は必要ない.


〈第44回 OT国試 午前69〉

Duchenne型筋ジストロフィーのステージ6(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)で,座位の作業活動で適切なのはどれか. 
1.椅子座位で風船バレー
2.足で板を抑えて鋸引き
3.ろくろを使った陶芸の深皿作り
4.机上に置いた鍵盤ハーモニカの吹奏
5.机上で木槌を用いた革細工スタンピング

解答

1.× 床上座位で風船バレーを行う.
2.× 足で板を抑えて鋸引きは困難である.
3.× ろくろを使った陶芸の深皿作りは困難である.
4.○ 机上に置いた鍵盤ハーモニカの吹奏は呼吸筋訓練にもなるため適切である.
5.× 机上で木槌を用いた革細工スタンピングは危険である.


〈第48回 OT国試 午後9〉

Duchenne型筋ジストロフィー患者.ステージ6(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)の食事動作を図に示す.動作方法や環境の調整方法として適切なのはどれか. 

1.深い皿を使用する.
2.テーブルを高くする.
3.柄の太いスプーンを使用する.
4.車椅子の背シートを後ろに倒す.
5.手関節をスプリントで固定する.

解答

1.× 誤り.
2.○ 肩関節の動きを使わなくても食べられるようにテーブルを高くする.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第42回 OT国試 午前70〉

ずり這いレベルのデュシェンヌ型筋ジストロフィーで自立が可能なのはどれか. 
1.前開きシャツを着る.
2.かぶりシャツを着る.
3.帽子をかぶる.
4.パンツをはく.
5.靴下をはく.

解答

1.× 前開きシャツを着るのは座位レベルである.
2.× かぶりシャツを着るのは座位レベルである.
3.× 帽子をかぶるのは座位レベルである.
4.× パンツをはくのは座位レベルである.
5.○ 靴下をはくのはずり這いレベルで可能である.


〈第57回 OT国試 午後9〉

13歳の男子.現在,Duchenne型筋ジストロフィーのステージ6(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による.).学校生活を送る上で優先的に行う支援はどれか. 
1.歩行器の導入
2.給食の食形態変更
3.長下肢装具の導入
4.電動車椅子の導入
5.トイレの手すり設置

解答

1.× ステージ6はいざり這行レベルのため歩行器の導入は適切でない.
2.× ステージ6では給食の食形態変更はまだ必要ない.
3.× ステージ6では給食の食形態変更はまだ必要ない.
4.○ ステージ6はいざり這行レベルのため移動動作獲得を目的に電動車椅子の導入支援を行う.
5.× ステージ6はいざり這行レベルのためトイレの手すり設置は適切でない.


〈第43回 OT国試 午前65〉

Duchenne(デュシェンヌ)型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)で可能なのはどれか.2つ選べ. 
1.電動鋸を用いた木工
2.ペーパークラフト
3.マクラメ
4.陶芸のたま作り
5.板金打ち出し

解答

1.× ステージ7は電動鋸を用いた木工が困難である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× ステージ7は陶芸のたま作りが困難である.
5.× ステージ7は板金打ち出しが困難である.


〈第46回 OT国試 午前12〉

20歳の男性.Duchenne型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による).両上肢筋力は肩関節2-,肘関節2-,手関節2,手指3.握力は測定不能だが,右手を利き手として使っている.体幹筋力1.自力端座位は困難だが,車椅子では体幹サポートがあるため座位保持が可能で,右手でジョイスティックを用いて自操している.この患者がコップで飲水する動作を示す.コップを持ち上げる動作の説明で正しいのはどれか.

1.対称性緊張性頸反射
2.前腕を支点としたてこ
3.体幹前屈による慣性運動
4.コップの重さによる感覚フィードバック
5.上肢の屈曲-回内-内旋による神経筋促通

解答

1.× 誤り.
2.○ ステージ7では前腕を支点としたてこを用いてコップを持ち上げる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第41回 OT国試 午前54〉

デュシェンヌ型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班機能障害度分類による)のADLで適切でないのはどれか. 
1.長柄のブラシで髪を整える.
2.アームサポートを利用して歯磨きを行う.
3.食事では皿をターンテーブルに置く.
4.前開きシャツの着脱訓練を行う.
5.トイレでは前方テーブルを用いて姿勢を保持する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× ステージ7で前開きシャツの着脱は困難である.
5.○ 正しい.


〈第59回 OT国試 午後28〉

厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類ステージ7の生活指導で正しいのはどれか. 
1.片手で洗髪動作を行う.
2.自走式車椅子で移動する.
3.ソックスエイドを用いる.
4.上着はかぶりシャツを用いる.
5.スイッチを使ってパソコン操作をする.

解答

1.× ステージ7では片手での洗髪動作は困難である.
2.× ステージ7は電動車椅子で移動する.
3.× ステージ7でソックスエイドの使用は困難である.
4.× ステージ7でかぶりシャツの着脱は困難である.
5.○ 正しい.


〈第54回 OT国試 午前38〉

厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類によるステージ8のDuchenne型筋ジストロフィー患者に使用する補装具で適切なのはどれか. 
1.頭部保護帽
2.標準型車椅子
3.座位保持装置
4.PCW(postural control walker)
5.四輪型サドル付き歩行器

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 座位保持が困難であるため,座位保持装置が適応となる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第53回 OT国試 午後8〉

図はDuchenne 型筋ジストロフィー患者に用いる上肢機能障害分類(9段階法)のレベル8の状態である.自立していると考えられる活動はどれか. 

1.パソコンのマウスを操作する.
2.スプーンを使って食べる.
3.普通型車椅子で自走する.
4.急須でお茶を注ぐ.
5.Tシャツを脱ぐ.

解答

1.○ 手の運動により水平移動ができるため,パソコンのマウス操作は可能である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


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