第5章 発達障害作業療法学 02)脳性麻痺 ⑥総合問題

〈第48回 OT国試 午後30〉

姿勢保持障害の原因で痙直型脳性麻痺児の特徴はどれか. 
1.注意集中困難による多動
2.身近な感覚遊びによる常同行動
3.全身の低緊張による耐久性低下
4.身体接触面から受ける触覚の異常
5.全身の不随意運動による調節困難

解答

1.× 注意集中困難による多動は注意欠陥多動性障害の特徴である.
2.× 身近な感覚遊びによる常同行動は自閉症の特徴である.
3.× 痙直型脳性麻痺児では筋緊張は亢進する.
4.○ 正しい.
5.× 全身の不随意運動による調節困難はアテトーゼ型脳性麻痺児の特徴である.


〈第53回 OT国試 午前29〉

脳性麻痺児の日常生活における手指操作能力を分類するための尺度はどれか. 
1.GMFM
2.JASPER〈Japanese assessment set for pediatric rehabilitation〉
3.K-ABC
4.MACS
5.PEDI

解答

1.× GMFMは脳性麻痺児の粗大運動能力を評価する尺度である.
2.× JASPERは障害児の包括的評価法マニュアルである.
3.× K-ABCは子どもの知的活動を認知処理過程と知識・技能の習得度を区別して評価するものである.
4.○ MACSは脳性麻痺児の日常生活における手指操作能力を分類するための尺度である.
5.× PEDIは子どもの能力低下評価法である.


〈第52回 OT国試 午後30〉

脳性麻痺児の粗大運動能力を評価する尺度はどれか. 
1.PEDI
2.GMFM
3.K-ABC
4.Wee FIM
5.MACS〈Manual ability classification system for children with cerebral palsy〉

解答

1.× PEDIは子どもの能力低下評価法である.
2.○ GMFMは脳性麻痺児の粗大運動能力を評価する尺度である.
3.× K-ABCは子どもの知的活動を認知処理過程と知識・技能の習得度を区別して評価するものである.
4.× Wee FIMは子どものための機能的自立度評価法である.
5.× MACSは脳性麻痺児の日常生活における手指操作能力を分類するための尺度である.


〈第47回 OT国試 午前37〉

5歳の脳性麻痺児が,手の支持なしに椅子に座り,物につかまらずに床から立ち上がることができる.粗大運動能力分類システム(Gross Motor Function Classification System:GMFCS)のレベルはどれか. 
1.レベルⅠ
2.レベルⅡ
3.レベルⅢ
4.レベルⅣ
5.レベルⅤ

解答

1.○ 手の支持なしに椅子に座り,物につかまらずに床から立ち上がることができるのはGMFCSレベルⅠである.
2.× GMFCSレベルⅡ(4~6歳):椅子に座って,両手を自由に使って物を操作する.
3.× GMFCSレベルⅢ(4~6歳):普通の椅子に座るが,骨盤または体幹の支持が必要なことがある.
4.× GMFCSレベルⅣ(4~6歳):体に合わせて作った椅子を必要とする.
5.× GMFCSレベルⅤ(4~6歳):全ての領域にわたる運動能力が制限されている.


〈第59回 OT国試 午後6〉

8歳の脳性麻痺児が階段昇降時に手すりを必要とし,長距離の歩行や狭い場所を歩くときに介助が必要な場合,GMFCS-Expanded and Revised(E&R)のレベルはどれか. 
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
5.Ⅴ

解答

1.× GMFCS-E&RⅠは歩行に制限なく,手すりを使わずに階段昇降ができる.
2.○ 正しい.
3.× GMFCS-E&RⅢは屋内移動は手に持つ移動器具を使って歩き,立ち上がりに介助が必要.
4.× GMFCS-E&RⅣは介助または電動の移動手段が必要.
5.× GMFCS-E&RⅤは手動車椅子での移送が必要.


〈第51回 OT国試 午前12〉

3歳の男児.脳性麻痺.床上に座れるが両手を使えるほどの安定性はない.四つ這いや伝い歩きで移動できる.この患児が15歳時にGMFCS-Expanded and Revised〈E&R〉で同じレベルであった場合に予想される屋内移動の状態として最も適切なのはどれか. 
1.手すりなしで階段昇降する.
2.短い距離を独歩する.
3.自走式車椅子を使う.
4.電動車椅子を使う.
5.寝返りで移動できない.

解答

1.× 誤り.
2.○ 3歳時のGMFCSがレベルⅡであるため,15歳時は短い距離を独歩することが予想される.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第47回 OT国試 午前13〉

体幹の筋緊張が低い脳性麻痺の乳児の抱き方で適切でないのはどれか. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 体幹が安定しない抱き方であるため,体幹の筋緊張が低い乳児の抱き方として適切でない.
5.○ 正しい.


〈第41回 OT国試 午前13〉

体幹の筋緊張が低い脳性麻痺の乳児を抱きかかえる方法で適切でないのはどれか. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 体幹が安定しない抱き方であるため,体幹の筋緊張が低い乳児の抱きかかえる方法として適切でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第48回 OT国試 午後11〉

3歳の女児.痙直型脳性麻痺.立位姿勢を図に示す.この児に適応となる装具はどれか. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 誤り.
2.○ 下腿三頭筋の筋緊張亢進による尖足に伴い反張膝となっているため短下肢装具が適応となる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第55回 OT国試 午前36〉

脳性麻痺の痙縮の治療として適切でないのはどれか. 
1.バクロフェロン髄腔内投与療法
2.筋緊張抑制ギプス療法
3.ステロイド薬経口投与
4.フェノールブロック
5.ボツリヌス療法

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× ステロイド薬は抗炎症剤であり,脳性麻痺の痙縮治療薬でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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