第5章 発達障害作業療法学 02)脳性麻痺 ⑤アテトーゼ型脳性麻痺児

〈第56回 OT国試 午前9〉

アテトーゼ型脳性麻痺児の食事の様子を図に示す.スプーンを口に近づけると図のような姿勢になってしまう.この児に出現している原始反射はどれか. 

1.探索反射
2.Galant反射
3.交差伸展反射
4.手の把握反射
5.対称性緊張性頸反射

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 頸部伸展に伴って上肢が伸展しているので,対称性緊張性頸反射である.


〈第46回 OT国試 午前29〉

アテトーゼ型脳性麻痺児の症状と訓練課題との組合せで適切なのはどれか. 
1.定頸不良 ――― 背臥位で下肢を挙上する.
2.体幹過伸展 ――― 座面の高い椅子で座位を保持する.
3.手指の過伸展 ――― 豆をつまむ.
4.目と手の協調障害 ――― ボールプールで遊ぶ.
5.動的バランス不良 ――― セラピーボールに乗って揺らす.

解答

1.× 定頸不良 ――― 腹臥位で頭部を挙上する.
2.× 体幹過伸展 ――― 座面の低い椅子で座位を保持する.
3.× 手指の過伸展 ――― ビンの蓋を開け閉めする.
4.× 目と手の協調障害 ――― ペグ差しの練習をする.
5.○ 正しい.


〈第41回 OT国試 午前71〉

アテトーゼ型脳性麻痺児の症状とアプローチとの組合せで適切でないのはどれか. 
1.定頸不良 ――― 腹臥位での頭部挙上
2.体幹過伸展 ――― 座面の高い椅子での座位訓練
3.動的バランス不良 ――― セラピーボールでのバランス訓練
4.手指の過伸展 ――― ビンの蓋の開け閉め
5.目と手の協調障害 ――― ペグ差しの練習

解答

1.○ 正しい.
2.× 体幹過伸展 ――― 座面の低い椅子での座位訓練
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第54回 OT国試 午前11〉

30歳の男性.アテトーゼ型脳性麻痺.頸椎症性脊髄症を発症し,歩行不能となった.電動車椅子を導入し,練習開始後2週で施設内自走が可能となったが,壁への衝突等があるために見守りが必要である.上肢操作向上を目的とした作業療法で適切なのはどれか. 
1.貼り絵をする.
2.木工で鋸を使う.
3.ドミノを並べる.
4.版画で彫刻刀を使う.
5.革細工でスタンピングをする.

解答

1.○ 正しい.
2.× 木工で鋸を使うのは不随意運動があるため危険である.
3.× ドミノを並べるのは難易度が高く困難である.
4.× 版画で彫刻刀を使うのは不随意運動があるため危険である.
5.× 革細工でスタンピングをするのは不随意運動があるため危険である.


〈第45回 OT国試 午後13〉

1歳の男児.アテトーゼ型脳性麻痺.摂食機能評価では舌の軽度突出が見られる.スプーンを口腔内に入れると口唇の閉鎖とある程度の舌運動とが確認できる.母乳を哺乳瓶で与えているが飲むのに時間がかかる.離乳食を与えるときの姿勢確保に適切な肢位はどれか.ただし,食事を与える介助者は別にいるものとする. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 頸部・体幹が安定しており,上肢屈曲位,股関節・膝関節90°以上屈曲しているため,適切な肢位である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第52回 OT国試 午後9〉

図はアテトーゼ型脳性麻痺児の摂食訓練の様子である.実施している手技(オーラルコントロール)の目的として適切でないのはどれか. 

1.頭部コントロールの援助
2.口周辺の過敏の脱感作
3.口唇閉鎖の援助
4.咀嚼運動の促通
5.舌突出の防止

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 咀嚼運動の促通は目的としていない.
5.○ 正しい.


〈第53回 OT国試 午後10〉

7歳の女児.アテトーゼ型脳性麻痺.GMFCSレベルⅣ.頭部は右を向きやすく,上肢はATNR様の姿勢をとる.利き手は右であるが物を持続的に把持する能力は低い.食事訓練場面では座位保持装置に座って肘当てと同じ高さのテーブルで,スプーンでの自力摂取を試みている.食事訓練における作業療法士の対応として適切なのはどれか. 
1.BFOを利用する.
2.テーブルを補高する.
3.皿をテーブルの右側に置く.
4.スプーンの柄が細いものを選ぶ.
5.座位保持装置を床から60度の角度でティルティングする.

解答

1.× 上肢にATNR様の姿勢が生じるのでBFOは適切でない.
2.○ 正しい.
3.× 皿はテーブルの中央に置く.
4.× 把持能力が低いためスプーンの柄が細いものを選ぶ.
5.× 座位保持装置を床から90度の角度でティルティングする.


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