第4章 運動器障害作業療法学 08)熱傷 ④作業療法

〈第54回 OT国試 午後12〉

57歳の女性.右利き.火災により右前腕以遠にⅢ度の熱傷を受傷した.救命救急センターに搬送され,壊死組織のデブリドマンを施行され,植皮術が行われた.術後3日目にベッドサイドにて作業療法を開始した.この時点での受傷手への対応で正しいのはどれか. 
1.弾性包帯による巻き上げ
2.他動関節可動域訓練
4.動的スプリント製作
4.安静時の挙上
5.抵抗運動

解答

1.× 術後3日目の弾性包帯による巻き上げは禁忌である.
2.× 術後2~3週間の固定・安静の後,移植皮膚の生着を確認してからから他動関節可動域訓練を行う.
3.× 静的スプリントを製作する.
4.○ 正しい.
5.× 術後3日目の抵抗運動は禁忌である.


〈第50回 OT国試 午後36〉

熱傷患者に対する作業療法で誤っているのはどれか. 
1.肥厚性瘢痕部は圧迫する.
2.急性期から装具で良肢位に保持する.
3.急性期はゆっくりとした運動を行う.
4.皮膚移植部は生着してから伸張する.
5.体幹の熱傷では肩関節は内転位とする.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 体幹の熱傷では肩関節は外転位とする.


〈第46回 OT国試 午前35〉

熱傷患者に対する作業療法で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.急性期には装具の適応がない.
2.肥厚性瘢痕部は圧迫を避ける.
3.患肢は挙上位にポジショニングする.
4.肉芽形成促進のために温浴療法を行う.
5.皮膚移植直後から移植部の伸張を行う.

解答

1.× 熱傷急性期でも装具の適応はある.
2.× 熱傷患者の肥厚性瘢痕部は圧迫する.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 皮膚移植後2~3週間の固定・安静の後,移植皮膚の生着を確認してからから移植部の伸張を行う.


〈第55回 OT国試 午前33〉

熱傷のリハビリテーションで正しいのはどれか. 
1.持続伸張運動が基本である.
2.熱傷瘢痕部の圧迫は避ける.
3.熱傷による拘縮予防には装具は使用しない.
4.慢性期のパラフィン浴は60℃くらいがよい.
5.会陰部熱傷の急性期では下肢外旋肢位のポジショニングを行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× 熱傷瘢痕部の圧迫を行う.
3.× 熱傷による拘縮予防には装具を使用する.
4.× 慢性期のパラフィン浴は51~54℃くらいがよい.
5.× 会陰部熱傷の急性期では下肢内外回旋中間位のポジショニングを行う.


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