第4章 運動器障害作業療法学 07)末梢神経損傷 ⑨CRPS

〈第49回 OT国試 午前31〉

CRPS(複合性局所疼痛症候群)に関連するのはどれか. 
1.Dupuytren拘縮
2.Volkmann拘縮
3.Sudeck骨萎縮
4.無腐性壊死
5.異所性骨化

解答

1.× Dupuytren拘縮は手掌腱膜の肥厚により起こる.
2.× Volkmann拘縮は上腕骨顆上骨折後の阻血により生じる.
3.○ 正しい.
4.× 無腐性壊死は解剖学的に血流条件の不利な部位に発生することが多い.
5.× 異所性骨化は脊髄損傷などに合併することがある.


〈第44回 OT国試 午前57〉

複合性局所疼痛症候群で正しいのはどれか. 
1.アロディニア(allodynia)とは発汗異常の症状である.
2.末梢神経に外傷があることが診断に必要である.
3.痛覚過敏に浮腫や皮膚血流の変化を伴う.
4.疼痛部位の使用はできるだけ排除する.
5.経皮的電気刺激療法は禁忌である.

解答

1.× アロディニア(allodynia)とは通常は疼痛を起こさない微小な刺激で疼痛を生じる状態である.
2.× 末梢神経に外傷がなくても生じる.
3.○ 正しい.
4.× 可能な範囲で疼痛部位も使用する.
5.× 経皮的電気刺激療法は適応となる.


〈第55回 OT国試 午前9〉

54歳の女性.左母指ばね指の術後,経過は良好であったが,術後3か月ころから些細な動作で母指にビリビリするような疼痛が出現した.術後5か月目に自宅近くの病院を受診し,CRPS〈複合性局所疼痛症候群〉と診断され,投薬治療と外来作業療法が開始となった.開始時の左母指痛はNRS〈numerical rating scale〉で安静時1,動作時6.左上肢機能は総握りでは指尖手掌間距離が2~3cm,肩・肘関節のROMに軽度制限を認め,手指のMMTは段階3,握力2kgで,日常生活では左手をほとんど使用していない状態であった.実施する作業療法で誤っているのはどれか. 
1.疼痛を誘発しない動作方法を検討する.
2.疼痛の完全除去を目標とする.
3.物品に触れる機会を増やす.
4.自動運動から開始する.
5.生活状況を聴取する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 疼痛の完全除去ではなく,より良い状態になることを目標とする.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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