第4章 運動器障害作業療法学 02)骨折・脱臼 ⑥橈骨遠位端骨折

〈第59回 OT国試 午前1〉

60歳の男性.作業中に転倒し,左手をついて受傷した.単純エックス線写真を示す.診断はどれか. 

1.Barton骨折
2.Bennett骨折
3.Boxer's骨折
4.Colles骨折
5.Roland骨折

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 橈骨遠位骨片が背側へ転移しているのでColles骨折である.
5.× 誤り.


〈第52回 OT国試 午前29〉

Colles骨折の合併症で起こりやすいのはどれか. 
1.肘関節脱臼
2.腋窩神経麻痺
3.橈骨神経麻痺
4.正中神経麻痺
5.長母指屈筋腱断裂

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ Colles骨折の合併症として正中神経麻痺が起こりやすい.
5.× 誤り.


〈第56回 OT国試 午後22〉

橈骨遠位端骨折におけるリハビリテーション治療について正しいのはどれか. 
1.ギプス除去後から開始する.
2.就寝時には高挙するよう指導する.
3.骨癒合後早期にスポーツに復帰させる.
4.変形治癒は機能回復に影響を及ぼさない.
5.加齢は機能回復を遅らせる要因とはならない.

解答

1.× 橈骨遠位端骨折のリハビリテーションはギプス除去前から開始する.
2.○ 橈骨遠位端骨折では浮腫予防のために就寝時には高挙するよう指導する.
3.× 骨癒合後早期のスポーツは時期尚早である.
4.× 変形治癒は機能回復に影響を及ぼす.
5.× 加齢は機能回復を遅らせる要因となる.


〈第45回 OT国試 午前29〉

橈骨遠位端骨折の作業療法で正しいのはどれか. 
1.固定中は肩関節の自動運動を行う.
2.手指の自動運動は固定除去後に開始する.
3.骨癒合後早期にスポーツを訓練課題に取り入れる.
4.浮腫がある場合は上肢を動かさないように指導する.
5.固定除去後の手関節の自動運動は1日に1回1時間行う.

解答

1.○ 正しい.
2.× 手指の自動運動は固定期間中も積極的に行う.
3.× 骨癒合後早期のスポーツは時期尚早である.
4.× 浮腫がある場合は良肢位保持や手指の自動運動を指導する.
5.× 固定除去後の手関節の自動運動は1日に数回短時間ずつ行う.


〈第56回 OT国試 午後8〉

72歳の女性.転倒し,左手をついた.左手関節部に疼痛と腫脹が生じ,近くの病院を受診し徒手整復後ギプス固定を受けた.骨癒合後の画像を示す.手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音がする.手指の機能障害はない.生じている合併症で考えられるのはどれか.

1.反射性交感神経性ジストロフィー
2.尺骨突き上げ症候群
3.長母指伸筋腱断裂
4.正中神経損傷
5.月状骨脱臼

解答

1.× 誤り.
2.○ 尺骨プラス変異により三角線維軟骨複合体損傷が生じ,手関節尺骨側に疼痛・クリック音が生じていることから尺骨突き上げ症候群が疑われる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


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