第3章 脊髄損傷作業療法学 09)脊髄損傷の合併症 ③排尿管理

〈第58回 OT国試 午前8〉

33歳の男性.交通事故で完全頸髄損傷(C7頸髄節まで機能残存)を受傷した.受傷後2か月が経過し,全身状態は良好でADLの拡大が図られている.排泄については核上型神経因性膀胱と診断され,自排尿が困難である.この患者の排尿管理として適切なのはどれか. 
1.圧迫排尿
2.骨盤底筋訓練
3.自己導尿
4.尿道カテーテル留置
5.膀胱瘻の造設

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ C7機能残存レベルより自己導尿が実用可能となる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第41回 OT国試 午前17〉

58歳の男性.第10胸椎脱臼骨折による対麻痺.1日4回の自己導尿で管理していた.受傷2年後に施行された膀胱造影の写真を示す.検査結果に基づく指導で適切でないのはどれか.2つ選べ. 

1.起き上がりは側臥位から行わせる.
2.飲水量を1日500ml以下に制限する.
3.用手排尿によって残尿を減らす.
4.自己導尿の回数を増やす.
5.夜間のカテーテル留置を検討する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 膀胱尿管逆流現象で飲水量の制限は尿路感染症の危険があるので適切でない.
3.× 用手排尿は膀胱尿管逆流現象を悪化させるため適切でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第55回 OT国試 午前37〉

尿閉患者が使用する排尿関連用具で最も適切なのはどれか. 
1.コンドーム型集尿器
2.自動吸引式集尿器
3.ポータブルトイレ
4.尿道カテーテル
5.おむつ

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 尿閉は膀胱内の尿を排泄できない状態であり,カテーテルなどによる導尿が必要である.
5.× 誤り.


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