第3章 脊髄損傷作業療法学 04)第6頸髄損傷 ③車椅子処方

〈第42回 OT国試 午前10〉

22歳の男性.外傷性頸髄損傷後6か月経過.ダニエルスらの徒手筋力テストは,肘関節屈曲5,肘関節伸展2,手関節屈曲1,手関節伸展4,手内筋0,下肢0.ベッドヘの移乗が自立したので,図の車椅子に患者を座らせて,屋内で使用する車椅子を検討した.適切なのはどれか.2つ選べ. 

1.背もたれを肘台と同じ高さまで低くした.
2.駆動輪の車軸を20cm後方に移した.
3.駆動輪を14インチに変更した.
4.足台をスウィングアウト式に変更した.
5.ブレーキをトグル式に変更した.

解答

1.× 背もたれを低くすると座位バランスが安定しないので適切でない.
2.× 駆動輪の車軸前方に移し駆動しやすくする.
3.× 駆動輪が14インチだと小さすぎる.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第46回 OT国試 午前8〉

頸髄損傷患者.握力は測定不能で,ごく軽い物品は図Aのように把持できる.図Bのように肩関節外転を伴って,前腕を回内することができる.「顔にかかった掛け布団を払いのけることができない」と訴える.この患者の車椅子使用で正しいのはどれか. 

1.フットサポートに手を届かせる方法はない.
2.車椅子上での殿部の除圧は自力ではできない.
3.車椅子前進駆動のために上腕三頭筋を用いる.
4.ADL自立のためには電動車椅子が必須である.
5.適度な摩擦が得られればノブ付きハンドリムは不要である.

解答

1.× 片方の上肢を車椅子のハンドルへ引っかけることによりフットサポートに手を届かせることができる.
2.× 車椅子上での殿部の除圧は自力でできる.
3.× 車椅子前進駆動のために上腕三頭筋を用いることができない.
4.× C6機能残存の車椅子はゴム巻ハンドリムで可能である.
5.○ 正しい.


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