〈第53回 OT国試 午前35〉
多発性硬化症に対する作業療法で正しいのはどれか.
1.MS fatigueに対して,Borg指数15に運動強度を設定する.
2.Uhthoff 徴候に対して,室温を25℃以下に設定して運動を行う.
3.筋力低下に対して,漸増抵抗運動を行う.
4.視力障害を伴う協調性運動障害に対して,Frenkel 体操を行う.
5.有痛性強直性けいれんに対して,他動的関節可動域運動を行う.
解答
1.× MS fatigueに対して,Borg指数15の運動強度は強すぎる.
2.○ 正しい.
3.× 筋力低下に対して,漸増抵抗運動は過負荷のため適切でない.
4.× 視力障害を伴う場合はFrenkel 体操が難しい.
5.× 有痛性強直性けいれんに他動的関節可動域運動は疼痛を増悪するため適切でない.
〈第41回 OT国試 午前53〉
初発の多発性硬化症患者の作業療法で適切でないのはどれか.2つ選べ.
1.環境温度を25℃以下に設定する.
2.視覚障害に対して点字訓練を開始する.
3.漸増抵抗運動での筋力増強訓練を行う.
4.痙縮筋の持続伸張を行う.
5.抑うつに対して心理的サポートを行う.
解答
1.○ 正しい.
2.× 初発の視覚障害は寛解するため点字訓練の必要はない.
3.× 漸増抵抗運動での筋力増強訓練は過負荷のため適切でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第47回 OT国試 午後35〉
憎悪期の多発性硬化症患者への対応で適切でないのはどれか.
1.温浴
2.体位変換
3.良肢位保持
4.視覚ガイド
5.心理カウンセリング
解答
1.× 憎悪期の温浴は禁忌である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第46回 OT国試 午後34〉
片麻痺,感覚鈍麻および異常感覚で発症した多発性硬化症患者の急性増悪期から回復段階初期にかけての対応で適切なのはどれか.2つ選べ.
1.感覚障害への再教育
2.運動麻痺に対するPNF
3.起き上がり動作時の介助
4.疼痛緩和のための温熱療法
5.筋力低下に対する漸増抵抗訓練
解答
1.○ 正しい.
2.× 運動麻痺に対するPNFは過負荷のため適切でない.
3.○ 正しい.
4.× 温熱療法は禁忌である.
5.× 筋力低下に対する漸増抵抗訓練は過負荷のため適切でない.
〈第44回 OT国試 午前53〉
多発性硬化症患者の寛解期での生活指導で適切でないのはどれか.
1.残業時間の短縮
2.浴室温度の管理
3.電気毛布の使用
4.海水浴での日焼け防止
5.ゆっくりした散歩の推奨
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× Uhthoff 徴候がみられるため電気毛布の使用は禁忌である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第56回 OT国試 午後10〉
39歳の女性.多発性硬化症.発症から4年が経過.寛解と再燃を繰り返している.MMTは両側の上肢・下肢共に4.軽度の両側視神経炎を伴い,疲労の訴えが多い.この患者に対する作業療法で適切なのはどれか.
1.陶芸で菊練りを行う.
2.木工作業で椅子を作る.
3.ビーズ細工でピアスを作る.
4.卓上の編み機でマフラーを編む.
5.細かいタイルモザイクのコースターを作る.
解答
1.× 過負荷となり疲労により症状増悪を招く恐れがあるため適切でない.
2.× 過負荷となり疲労により症状増悪を招く恐れがあるため適切でない.
3.× 両側視神経炎があるので細かい作業は適切でない.
4.○ 正しい.
5.× 両側視神経炎があるので細かい作業は適切でない.
〈第55回 OT国試 午後7〉
42歳の女性.多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺.筋力低下が進行し,移動には車椅子を使用している.MMTは上肢近位部で段階3,遠位部で段階4.有痛性けいれんがある.この患者に対する作業療法で適切なのはどれか.
1.ビーズで指輪を作る.
2.木工作業で本棚を作る.
3.卓上編み機でマフラーを編む.
4.小さな刻印で革に模様をつける.
5.ネット手芸でティッシュボックスを作る.
解答
1.× 両側視神経炎がみられるためビーズで指輪を作る小さな作業は困難である.
2.× 上肢近位部3,有痛性けいれんなどがあるため金槌を使う木工作業で本棚を作るのは困難である.
3.○ 正しい.
4.× 両側視神経炎がみられるため小さな刻印の使用が困難である.
5.× 両側視神経炎がみられるためネット手芸は困難である.
〈第45回 OT国試 午前10〉
42歳の女性.多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺.筋力低下が進行し,移動には車椅子を使用している.Danielsらの徒手筋力テストでは上肢近位部3+,遠位部4.有痛性けいれんがある.この患者に対する作業療法で適切なのはどれか.2つ選べ.
1.木工作業で本棚を作る.
2.七宝焼きでピアスを作る.
3.ざる編みで籐カゴを作る.
4.卓上編み機でマフラーを編む.
5.小さな刻印で革に模様をつける.
解答
1.× 上肢近位部3+,有痛性けいれんなどがあるため金槌を使う木工作業で本棚を作るのは困難である.
2.× 両側視神経炎がみられるため七宝焼きでピアスを作る小さな作業は困難である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 両側視神経炎がみられるため小さな刻印の使用が困難である.
〈第58回 OT国試 午後2〉
43歳の女性.多発性硬化症.発症から3年経過.寛解と再燃とを繰り返している.四肢筋力は軽度低下し,表在感覚が軽度鈍麻している.疲労の訴えが多く,入院となった.最近徐々に視覚障害を生じてきた.この患者に対する作業療法で最も適切なのはどれか.
1.針で布を縫う(裁縫)
2.鋸で板を切る(木工)
3.鍬で土を耕す(畑仕事)
4.木槌で刻印を打つ(革細工)
5.杼(ひ)で横糸を通す(機織り)
解答
1.× 表在感覚鈍麻,視覚障害があるので針で布を縫う(裁縫)のは適切でない.
2.× 筋力低下,疲労の訴えが多いので鋸で板を切る(木工)のは適切でない.
3.× 筋力低下,疲労の訴えが多いので鍬で土を耕す(畑仕事)のは適切でない.
4.× 表在感覚鈍麻,視覚障害があるので木槌で刻印を打つ(革細工)のは適切でない.
5.○ 正しい.
〈第44回 OT国試 午前11〉
62歳の女性.多発性硬化症.発症から3年経過.寛解と再燃とを繰り返している.四肢筋力は軽度低下し,表在・深部感覚ともに鈍麻している.最近,疲労の訴えが多い.作業療法で適切なのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 疲労の訴えが多いため負荷が高いカンナ作業は適切でない.
2.× 表在・深部感覚ともに鈍麻しているため小さな刻印で革に模様をつける作業は適切でない.
3.× 疲労の訴えが多いため負荷が高い畑仕事は適切でない.
4.× 表在・深部感覚ともに鈍麻しているため小さなビーズ通し作業は適切でない.
5.○ 正しい.
〈第54回 OT国試 午後9〉
38歳の女性.32歳時に四肢脱力が出現,多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している.2週間前に痙縮を伴う上肢の麻痺にて入院.大量ステロイドによるパルス療法を行った.この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか.
1.TENS
2.超音波療法
3.赤外線療法
4.ホットパック
5.パラフィン療法
解答
1.○ 正しい.
2.× 超音波療法は温熱療法のため禁忌である.
3.× 赤外線療法は温熱療法のため禁忌である.
4.× ホットパックは温熱療法のため禁忌である.
5.× パラフィン療法は温熱療法のため禁忌である.
〈第48回 OT国試 午前11〉
38歳の女性.32歳時に四肢脱力が出現,多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している.2週前に痙縮を伴った上肢の麻痺にて入院.大量ステロイドによるパルス療法を行った.この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか.
1.超音波療法
2.赤外線療法
3.低周波療法
4.ホットパック
5.パラフィン療法
解答
1.× 超音波療法は温熱療法のため禁忌である.
2.× 赤外線療法は温熱療法のため禁忌である.
3.○ 正しい.
4.× ホットパックは温熱療法のため禁忌である.
5.× パラフィン療法は温熱療法のため禁忌である.
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