第2章 神経筋障害作業療法学 02)脊髄小脳変性症(SCD) ③作業療法

〈第47回 OT国試 午後31〉

小脳失調患者の上肢の協調性向上を目的とした方法で正しいのはどれか. 
1.上肢遠位部に弾性緊迫帯を巻く.
2.上肢遠位部に重錘を負荷する.
3.筋にタッピング刺激を与える.
4.筋に寒冷刺激を与える.
5.筋の他動伸張を行う.

解答

1.× 上肢近位部に弾性緊迫帯を巻く.
2.○ 正しい.
3.× 筋にタッピング刺激を与えるのは筋収縮促通を目的とした方法である.
4.× 筋に寒冷刺激を与えるのは痙性抑制を目的とした方法である.
5.× 筋の他動伸張は関節可動域改善を目的とした方法である.


〈第41回 OT国試 午前15〉

小脳性運動失調症患者への作業療法で適切でないのはどれか. 

1.緊縛帯
2.コックアップ・スプリント
3.重錘
4.スプリングバランサー
5.磁石付リストバンド

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× スプリングバランサーは運動時振戦を抑制できないので適切でない.
5.○ 正しい.


〈第53回 OT国試 午後35〉

重症度分類Ⅲ度(中等度)の脊髄小脳変性症の患者に対する生活指導で適切なのはどれか. 
1.筋力増強訓練は控える.
2.家具の配置変更を検討する.
3.歩隔をできるだけ狭くする.
4.柄の細いスプーンを使用する.
5.杖はできるだけ軽量なものを用いる.

解答

1.× 筋力増強訓練は実施する.
2.○ 正しい.
3.× 歩隔をできるだけ広くする.
4.× 柄の太いスプーンを使用する.
5.× 杖はできるだけ重ためのものを用いる.


〈第46回 OT国試 午後33〉

運動失調症患者のADLの工夫で正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.重たい靴を選ぶ.
2.靴下にループをつける.
3.机の角にクッション材をつける.
4.食事に長柄フォークを使用する.
5.上着の更衣にリーチャーを使用する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 関節リウマチや人工股関節置換術患者で靴下にループをつける.
3.○ 正しい.
4.× 食事に太柄フォークを使用する.
5.× 上着の更衣にリーチャーは使用しない.


〈第45回 OT国試 午後33〉

脊髄小脳変性症患者に対する作業療法で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.彫刻
2.木工作業
3.マクラメ
4.金工作業
5.張り子細工

解答

1.× 彫刻は刃を用いるので適切でない.
2.× 木工作業は刃を用いるので適切でない.
3.○ 正しい.
4.× 金工作業はハンマーを用いるので適切でない.
5.○ 正しい.


〈第56回 OT国試 午後9〉

58歳の男性.脊髄小脳変性症.脊髄小脳変性症の重症度分類(厚労省,1992)の下肢機能障害Ⅲ度,上肢機能障害Ⅱ度である.脱衣所と洗い場の段差はなく,浴槽は据え置き式で,高さ50㎝であった.住環境整備について誤っているのはどれか. 

1.ベッド(A)を(A’)に移動する.
2.開き戸(B)を外開きから内開きに変更する.
3.浴槽内の(C)の位置に浴槽台を設置する.
4.洗い場の壁(D)に横手すりを設置する.
5.浴槽の(E)の位置にバスボードを設置する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 浴室内で転倒してしまうと脱衣室側から扉を開けられなくなるため,開き戸(B)は外開きとする.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


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