第2章 神経筋障害作業療法学 01)パーキンソン病 ③作業療法

〈第58回 OT国試 午前13〉

65歳の男性.3年前から右手に振戦がみられるようになり,体の動きが固く,すくみ足がみられ,表情も乏しくなっていった.日常生活の支障に対して作業療法が処方されたが,本人は何かと理由をつけてなかなか参加せず,無為に過ごす様子が目立ってきた.この患者の治療方針を検討する際に,評価すべき精神医学的な合併症として最も重要なのはどれか. 
1.うつ病
2.解離性障害
3.強迫性障害
4.身体表現性障害
5.統合失調症

解答

1.○ 振戦,固縮,すくみ足,仮面様顔貌からパーキンソン病が疑われるのでうつ病を評価する.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第49回 OT国試 午前36〉

Parkinson病患者の肩関節可動域拡大を目的とした作業活動として正しいのはどれか. 
1.折り紙
2.木彫の浮彫り
3.ろくろで茶碗作り
4.革細工のレースかがり
5.タイルモザイクのタイル割り

解答

1.× 折り紙は手先での作業のため肩関節可動域拡大には適さない.
2.× 木彫の浮彫りは手先での作業のため肩関節可動域拡大には適さない.
3.× ろくろで茶碗作りは手先での作業のため肩関節可動域拡大には適さない.
4.○ 正しい.
5.× タイルモザイクのタイル割りは手先での作業のため肩関節可動域拡大には適さない.


〈第41回 OT国試 午前51〉

パーキンソン病患者のすくみ足の改善を目的とした訓練で誤っているのはどれか.2つ選べ. 
1.足底板で踵部を高くする.
2.床に描いた平行線をまたぐ.
3.障害物を多くする.
4.身体の向きを頻回に変える.
5.弾力包帯を用いる.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 身体の向きを頻回に変えるのは転倒の危険を招くため適さない.
5.× 弾力包帯が適応となるのは運動失調症である.


〈第44回 OT国試 午前51〉

歩行に介助が必要なParkinson病患者の指導で適切なのはどれか. 
1.段差はスロープにする.
2.居室に厚めのじゅうたんを敷く.
3.歩行リズムに合わせて声かけをする.
4.すくみ足には両手を引いて下肢の振り出しを導く.
5.自主訓練として立位での体幹前後屈運動を指導する.

解答

1.× 段差は階段にする.
2.× 居室からじゅうたんを取り除く.
3.○ 正しい.
4.× すくみ足には床に線を引いて下肢の振り出しを導く.
5.× 自主訓練として座位での体幹前後屈運動を指導する.


〈第46回 OT国試 午後32〉

Parkinson病患者のADL指導で適切なのはどれか. 
1.階段よりも傾斜路を利用する.
2.食事には手関節固定装具を用いる.
3.下衣の更衣はできるだけゆっくり行う.
4.浴槽のへりの高さは洗い場の高さに合わせる.
5.起き上がり動作の開始には視覚的外部刺激を利用する.

解答

1.× 傾斜路よりも階段を利用する.
2.× 食事には手関節固定装具を用いない.
3.× 下衣の更衣はあまりゆっくりならないよう行う.
4.× 浴槽のへりの高さはまたげる高さに設定する.
5.○ 正しい.


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