第1章 脳血管障害作業療法学 05)脳卒中片麻痺の基本介入手段 ④作業療法介入

〈第58回 OT国試 午後32〉

脳卒中片麻痺の上肢に対する機能回復訓練の課題内容で適切なのはどれか. 
1.運動は巧緻運動から粗大運動にする.
2.運動速度は速いものから遅いものにする.
3.課題は単純なものから複雑なものにする.
4.運動パターンは分離運動から共同運動にする.
5.課題の所要時間は長いものから短いものにする.

解答

1.× 運動は粗大運動から巧緻運動にする.
2.× 運動速度は遅いものから速いものにする.
3.○ 正しい.
4.× 運動パターンは共同運動から分離運動にする.
5.× 課題の所要時間は短いものから長いものにする.


〈第45回 OT国試 午前7〉

78歳の女性.脳梗塞の右片麻痺.発症後3か月経過.右上肢のBrunnstrom法ステージは上肢Ⅲ,手指Ⅱ.感覚障害はない.徐々に上肢の関節拘縮が進んできた.患者の車椅子座位の写真を示す.この患者に対する作業療法で適切なのはどれか. 

1.手関節屈筋にTENSを行う.
2.速い他動運動で筋の伸張を行う.
3.肘屈曲型アームスリングを装着する.
4.上腕二頭筋に温熱を加えて伸張する.
5.手関節伸展用の動的スプリントを装着する.

解答

1.× TENS(経皮的電気神経刺激)は痛みに対する物理療法である.
2.× ゆっくりとした他動運動で筋の伸張を行う.
3.× 肘屈曲型アームスリングは屈曲拘縮が強まる可能性があるため適切でない.
4.○ 温熱療法は疼痛緩和,筋緊張の低下,結合組織の伸張性に効果がある.
5.× 動的スプリントは適応とならない.


〈第51回 OT国試 午後6〉

65歳の男性.脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した.Brunnstrom法ステージで上肢Ⅳ,手指Ⅳ,下肢Ⅳ.認知機能と感覚とに障害はない.非麻痺側上肢に機能的な問題はない.短下肢装具を用いて屋内歩行が可能.作業療法で適切でないのはどれか. 
1.両手を用いたループ付きタオルによる洗体
2.立位で左手を用いたズボンの引き上げ
3.両手で頭上の高さの棚に衣類を収納
4.左手を用いたテーブルの雑巾がけ
5.両手を用いたタオルたたみ

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 頭上まで上肢挙上が可能なのはBr.stageⅤであるため,Br.stageⅢの作業療法として適切でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第57回 OT国試 午後13〉

50歳の女性.脳出血後の左片麻痺.発症後2か月経過し,Brunnstrom法ステージ上肢Ⅴ,手指Ⅴであった.図の作業活動のうち,この患者が困難なのはどれか. 

1.革細工
2.陶芸
3.マクラメ
4.木工
5.和紙ちぎり絵

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 指の分離運動が必要なため手指Ⅴでは困難である.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第47回 OT国試 午後29〉

片麻痺患者の片手動作訓練の初期に用いる作業として適切なのはどれか. 
1.編み物
2.籐細工
3.はりこ
4.マクラメ
5.ビーズのれん

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 型に和紙等を糊づけするはりこは,導入時には用いやすい.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


〈第43回 OT国試 午前52〉

片麻痺者の非利き手に対する書字訓練で適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.肩や肘を使って書くようにする.
2.図形の塗りつぶしや塗り絵から導入する.
3.筆記具を保持した手の尺側は机上につけておく.
4.麻痺側上肢は同側の膝に載せておく.
5.太柄や手装具にペンを固定した自助具を利用する.

解答

1.× 肩や肘などの不要な動きは出さずに書くようにする.
2.○ 訓練の導入は図形の塗りつぶしや塗り絵などを行うことが多い.
3.○ 筆記具を保持した手の尺側は机上につけておくのが望ましい.
4.× 麻痺側上肢は机上に載せ,可能であれば紙を押さえる.
5.× 太柄や手装具にペンを固定した自助具は必要ない.


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