第1章 脳血管障害作業療法学 05)脳卒中片麻痺の基本介入手段 ②ポジショニング

〈第44回 OT国試 午前6〉

57歳の男性.脳梗塞による左片麻痺.発症後3週経過.Brunnstrom法ステージは上肢Ⅰ,手指Ⅰ,下肢Ⅱ.座位保持が30分可能となった.左肩関節亜脱臼と手部に中等度の腫脹がある.麻痺側上肢の管理として適切でないのはどれか. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.× 左肩関節亜脱臼と手部に中等度の腫脹があるため,左肩が後方へ引かれないよう,また,上肢をやや挙上位に保つ.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


〈第41回 OT国試 午前11〉

左片麻痺患者の車椅子座位の写真を示す.ポジショニング指導で誤っているのはどれか.2つ選べ. 

1.肘台のクッションの上に左前腕を載せる.
2.車椅子にカットアウト・テーブルを設置する.
3.両大腿部の下に折りたたんだタオルを敷く.
4.右股関節をスカートガードに近づける.
5.足台の高さを通常より低くする.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 右股関節をスカートガードに近づけると,より左側の傾きを助長するため適切でない.
5.× 足台の高さを通常より低くすると矢状面での仙骨座り(すべり座り)を助長するため適切でない.


〈第48回 OT国試 午後5〉

86歳の女性.脳梗塞による左片麻痺,発症後1年半が経過した.ADLは介助すればおかゆなどの調理食を食べる以外は全介助,ドーナツ型の枕を使用してベッド上で臥床している.全身の筋萎縮,筋短縮と関節拘縮を著明に認める.退院時に介護保険を利用してベッドやマットを準備したが,体圧分散マットのような特殊マットは利用していない.作業療法士が自宅訪問したときのベッド上での肢位を示す.褥瘡予防と姿勢保持のために背臥位でポジショニングを行う.クッションを置く部位で誤っているのはどれか.2つ選べ. 

1.後頸部
2.肩甲骨背面
3.腰背部
4.右大転子部
5.両大腿内側

解答

1.× 後頸部にクッションを入れると頸部が伸展してしまうため適切でない.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 右大転子部にクッションを入れると右股関節の内転・内旋を助長するので適切でない.
5.○ 正しい.


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