〈第43回 OT国試 午前50〉
脳出血発症2週時点の合併症で頻度が低いのはどれか.
1.誤嚥性肺炎
2.けいれん
3.肩手症候群
4.深部静脈血栓症
5.せん妄
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 肩手症候群は脳出血発症後2~6週に生じる.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第59回 OT国試 午後5〉
70歳の男性.左中大脳動脈領域のアテローム血栓性脳梗塞後に重度の左片麻痺と感覚障害が残存し,4週後,回復期リハビリテーション病院に転院した.転院時のバイタルサインに異常なく自発痛の訴えは無かった.左上下肢は随意性が乏しく,浮腫を認めた.血液検査ではDダイマーが高値以外は正常範囲であった.最も考えらえる疾患はどれか.
1.心不全
2.蜂窩織炎
3.肩手症候群
4.深部静脈血栓症
5.ネフローゼ症候群
解答
1.× バイタルサインに異常は無いので心不全は考えにくい.
2.× 自発痛の訴えが無く,血液検査でDダイマー以外は正常範囲なので蜂窩織炎は考えにくい.
3.× 自発痛の訴えは無いので肩手症候群は考えにくい.
4.○ 正しい.
5.× 血液検査でDダイマー以外は正常範囲なのでネフローゼ症候群は考えにくい.
〈第50回 OT国試 午前33〉
肩手症候群に対する治療介入で誤っているのはどれか.
1.温熱療法を併用する.
2.肩関節の可動域訓練を行う.
3.手指と手関節との可動域訓練を行う.
4.肩関節亜脱臼にアームスリングを使用する.
5.手指に発赤を認めた場合は可動域訓練は禁忌である.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 手指に発赤を認めた場合は愛護的に可動域訓練を行う.
〈第54回 OT国試 午後8〉
60歳の女性.視床出血発症後1か月.左片麻痺を認め,Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ,手指Ⅱ,下肢Ⅳである.左手指の発赤,腫張および疼痛を認め,訓練に支障をきたしている.この患者に対する治療で正しいのはどれか.
1.交代浴を行う.
2.肩関節の安静を保つ.
3.手指の可動域訓練は禁忌である.
4.疼痛に対し手関節の固定装具を用いる.
5.肩関節亜脱臼にはHippocrates法による整復を行う.
解答
1.○ 正しい.
2.× 肩関節の可動域訓練を愛護的に行う.
3.× 手指の可動域訓練を愛護的に行う.
4.× 手関節の固定装具は腫脹があるため適切でない.
5.× Hippocrates法による整復は外傷性の肩関節脱臼の対処法である.
〈第42回 OT国試 午前5〉
59歳の女性.脳梗塞発症2週目.左片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢Ⅲ・手指Ⅳ・下肢Ⅲ.重度の感覚障害と左半側空間無視を認める.上肢の分離運動がわずかに出現してきたが,左上肢の疼痛と手部の腫脹および熱感を訴えた.理学療法では,立位と歩行訓練が開始された.この時期の作業療法で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.左上肢の疼痛に対してホットパック
2.左上肢の随意性向上のためのサンディング
3.歩行訓練時のアームスリング装着指導
4.プーリーを用いた左上肢の自動介助運動
5.左手で机上の用紙を押さえての右手書字訓練
解答
1.× 左上肢のホットパックは疼痛緩和目的で有効だが,急性期には行わない.
2.× サンディングは手部の腫脹があるため困難であり,また疼痛を悪化させる可能性が高いため適切でない.
3.○ アームスリングは上腕骨引き上げ(亜脱臼対策)目的で有効である.
4.× プーリーは手部の腫脹があるため困難であり,また疼痛を悪化させる可能性が高いため適切でない.
5.○ 左手で用紙を押さえるのは負担のかからない運動であり,随意性向上目的で有効である.
〈第51回 OT国試 午前7〉
56歳の女性.右利き.脳出血で右片麻痺となり,保存的療法にて発症後7日が経過した.意識は清明.右上肢および手指はBrunnstrom法ステージⅠ.右肩関節に軽度の亜脱臼を認めるが,疼痛や浮腫はない.現時点でこの患者の右上肢に行う治療として最も適切なのはどれか.
1.筋再教育訓練
2.利き手交換訓練
3.間欠的機械圧迫
4.渦流浴
5.パンケーキ型装具装着
解答
1.○ いかに筋収縮を引き出すかが重要な時期であるため,筋再教育訓練が適切である.
2.× 発症後7日の時点で利き手交換訓練は時期尚早である.
3.× 右上肢の浮腫がないため間欠的機械圧迫は適切でない.
4.× 右上肢の疼痛や浮腫がないため渦流浴は適切でない.
5.× 手指Br.stageⅠに対し,パンケーキ型装具装着は適切でない.
Back | 【第1章 脳血管障害作業療法学 目次】 | Next