〈第56回 OT国試 午前32〉
記憶障害を認める患者への対応として正しいのはどれか.
1.記憶する内容は,その意味を考え,声に出し印象づけて記憶させる.
2.バランストレーニングなどの運動は疲労を伴うため活用しない.
3.記憶する内容は,絵などの視覚的イメージは用いず記憶させる.
4.健忘録は,多くの情報を取り扱うため活用しない.
5.何度も失敗を経験させながら,記憶の修正を促す.
解答
1.○ 正しい.
2.× 記憶障害を認める患者の運動は実施しても差し支えない.
3.× 代償手段として絵などの視覚的イメージの活用は有効である.
4.× 有効代償手段として健忘録の活用は有効である.
5.× 記憶障害を認める患者には,誤反応を避け正反応を導き出す無誤学習を用いる.
〈第50回 OT国試 午前34〉
記憶障害と治療介入の組合せで適切でないのはどれか.
1.逆向性健忘 ――― アルバム療法
2.逆向性健忘 ――― 展望記憶訓練
3.前向性健忘 ――― メモリーノート
4.前向性健忘 ――― アラーム付き時計
5.前向性健忘 ――― リアリティオリエンテーション
解答
1.○ 正しい.
2.× 前向性健忘 ――― 展望記憶訓練
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第53回 OT国試 午後31〉
遂行機能障害に対する介入方法として最も適しているのはどれか.
1.ペグ法
2.自己教示法
3.直接刺激法
4.間隔伸張法
5.物語作成法
解答
1.× ペグ法は記憶障害に対する介入方法である.
2.○ 正しい.
3.× 直接刺激法は注意障害に対する介入方法である.
4.× 間隔伸張法は記憶障害に対する介入方法である.
5.× 物語作成法は記憶障害に対する介入方法である.
〈第55回 OT国試 午前34〉
左半側空間無視に対する作業療法で適切なのはどれか.
1.間隔伸張法
2.自己教示法
3.視覚イメージ法
4.プリズム適応療法
5.右後頸部振動刺激
解答
1.× 間隔伸張法は記憶障害に対する作業療法である.
2.× 自己教示法は遂行機能障害に対する作業療法である.
3.× 視覚イメージ法は記憶障害に対する作業療法である.
4.○ 正しい.
5.× 左半側空間無視には左後頸部振動刺激が有効である.
〈第59回 OT国試 午後3〉
62歳の女性.5か月前に左半身の脱力のため救急車で搬入され,右視床出血と診断された.現在,Brunnstrom法ステージは上肢Ⅳ,手指Ⅲ,下肢Ⅲであり,座位では右に重心が偏移し,頸部は右に回旋していた.図のような検査所見を呈している.作業療法プログラムで最も適切なのはどれか.
1.右側から声掛けを行う.
2.座位で左から右に輪移動を行う.
3.頸部を左回旋させて塗り絵を行う.
4.ADL訓練は視覚認知の改善を図ってから行う.
5.机上課題では左側に壁がくるように座席を配置する.
解答
1.× 左側から声掛けを行う.
2.× 座位で右から左に輪移動を行う.
3.○ 正しい.
4.× ADL訓練は視覚認知の訓練と並行して行う.
5.× 机上課題では右側に壁がくるように座席を配置する.
〈第42回 OT国試 午前50〉
左半側無視の症状がある回復期の左片麻痺患者への生活指導で誤っているのはどれか.
1.本人の関心があるものを左側に置くようにする.
2.見落としがちなものはメモする習慣をつける.
3.鏡を見せて体幹の傾きに気付かせる.
4.入浴時に左上下肢をしっかりこするようにする.
5.食事の始めにお盆のふちをたどるようにする.
解答
1.○ 正しい.
2.× メモの習慣化は左側への意識付けに有効でない.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
〈第52回 OT国試 午前32〉
右半球損傷による全般性注意障害の片麻痺患者に対する初期の基本動作支援について正しいのはどれか.
1.移乗動作の誤りを繰り返し修正する.
2.杖歩行は複数人とすれ違う環境から開始する.
3.車椅子駆動練習は外乱の少ない環境から開始する.
4.寝返りにおける性急な動作は口頭指示で修正する.
5.起き上がり動作は一連の動作を一度に口頭で指導する.
解答
1.× 誤りの生じにくい移乗動作練習を実施する.
2.× 杖歩行はすれ違わない環境から開始する.
3.○ 正しい.
4.× 寝返りにおける性急な動作は口頭・動作指示などわかりやすい刺激で修正する.
5.× 起き上がり動作は一連の動作を分割して口頭・動作指示などわかりやすい刺激で指導する.
〈第57回 OT国試 午前36〉
全般性注意障害のある左片麻痺患者に対する動作指導について正しいのはどれか.
1.複数の方法を指導する.
2.一連の動作を一度に指導する.
3.外乱が少ない環境から開始する.
4.動作の誤りは口頭指示のみで修正する.
5.動作の誤りは何度も繰り返し修正する.
解答
1.× 単一の方法で指導する.
2.× 一連の動作を分割して指導する.
3.○ 正しい.
4.× 動作の誤りは口頭・動作指示などわかりやすい刺激で修正する.
5.× 誤りの生じにくい動作練習を実施する.
〈第56回 OT国試 午後34〉
病態と治療法の組合せで正しいのはどれか.
1.半側空間無視 ――― 遮断除去法
2.遂行機能障害 ――― 自己教示法
3.注意障害 ――― 間隔伸張法
4.記憶障害 ――― 視覚走査法
5.失語症 ――― PQRST法
解答
1.× 失語症 ――― 遮断除去法
2.○ 正しい.
3.× 記憶障害 ――― 間隔伸張法
4.× 半側空間無視 ――― 視覚走査法
5.× 記憶障害 ――― PQRST法
〈第49回 OT国試 午前27〉
高次脳機能障害に対する作業療法の組合せで適切なのはどれか.
1.純粋失読 ――― なぞり読み
2.物体失認 ――― 物品の色名呼称
3.手指失認 ――― 握り・放しの運動
4.地誌的障害 ――― 都道府県名の列挙
5.左半側空間無視 ――― 絵の呼称
解答
1.○ 正しい.
2.× 色名呼称障害 ――― 物品の色名呼称
3.× 肢節運動失行 ――― 握り・放しの運動
4.× 地誌的障害 ――― 情報の言語化
5.× 左半側空間無視 ――― プリズム適応療法
〈第51回 OT国試 午前32〉
高次脳機能障害と治療法の組合せで正しいのはどれか.
1.記憶障害 ――― 自律訓練法
2.失行症 ――― 回想法
3.純粋失読 ――― 認知行動療法
4.遂行機能障害 ――― 間隔伸長法
5.半側空間無視 ――― プリズム適応療法
解答
1.× 心身症・神経症など ――― 自律訓練法
2.× 記憶障害 ――― 回想法
3.× 気分障害,神経症性障害など ――― 認知行動療法
4.× 記憶障害 ――― 間隔伸長法
5.○ 正しい.
〈第45回 OT国試 午後32〉
症状と治療法との組合せで正しいのはどれか.
1.失行症 ――― 自己教示法
2.半側無視 ――― 間隔伸長法
3.記憶障害 ――― 誤りなし学習
4.注意障害 ――― 観察学習
5.遂行機能障害 ――― プリズム適応療法
解答
1.× 遂行機能障害 ――― 自己教示法
2.× 記憶障害 ――― 間隔伸長法
3.○ 正しい.
4.× 注意障害 ――― 直接刺激法
5.× 半側空間無視 ――― プリズム適応療法
〈第59回 OT国試 午後29〉
高次脳機能障害の作業療法で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる.
2.遂行機能障害に対してはPQRST法を用いる.
3.注意障害に対しては刺激の多い環境を設定する.
4.社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す.
5.半側空間無視に対してはAPT(Attention Process Training)を用いる.
解答
1.○ 正しい.
2.× 記憶障害に対してはPQRST法を用いる.
3.× 注意障害に対しては刺激の少ない環境を設定する.
4.○ 正しい.
5.× 注意障害に対してはAPT(Attention Process Training)を用いる.
〈第54回 OT国試 午前6〉
49歳の男性.くも膜下出血後,高次脳機能障害の診断を受けた.現在は妻が車で送迎し,通院リハビリテーション治療と作業所への通所を行っている.WAIS-Ⅲは言語性IQ77点,動作性IQ70点,全検査IQ72点.三宅式記銘力検査で,有関係対語5-7-8,無関係対語0-1-1,TMTで,A84秒,B99秒.妻がフルタイムで復職するため,通院や通所への対応が必要となった.本人は自分で車を運転して通院・通所を希望している.対応として正しいのはどれか.
1.通院や通所を中止する.
2.運転免許証を返納させる.
3.バスを利用しての外出訓練を行う.
4.自分で車を運転しての外出訓練を行う.
5.ケアマネージャーと一緒の外出訓練を行う.
解答
1.× 通院や通所を中止する必要はない.
2.× 運転免許証を必ずしも返納する必要はない.
3.○ 正しい.
4.× 知能・記憶・注意に問題があるため,自分で車を運転しての外出訓練は適切でない.
5.× ケアマネージャーと一緒の外出訓練は必ずしも行う必要がない.
〈第58回 OT国試 午後7〉
40歳の女性.保険会社の営業職.くも膜下出血の診断で開頭クリッピング術が施行され,現在,回復期リハビリテーション病院に入院している.事務職への配置転換が可能であるが,本人は営業職への復職を希望している.身体機能に問題はない.Barthel Index100点,HDS-R25点,Kohs立方体組合せテストIQ88,BIT141点,RBMT標準プロフィール14点,BADS総プロフィール8点,TMT-A120秒,TMT-B145秒であった.復職に向けた作業療法として最も適切なのはどれか.
1.営業職への復職を勧める.
2.課題の間違いは翌日指摘する.
3.関わり続けるスタッフを固定する.
4.グループ訓練から個別訓練へ移行する.
5.メモリーノートの活用方法を指導する.
解答
1.× 事務職への復職を勧める.
2.× 課題の間違いはその場で指摘する.
3.× 関わり続けるスタッフは固定しない.
4.× 個別訓練からグループ訓練へ移行する.
5.○ 記憶障害や注意力障害などがみられるのでメモリーノートの活用方法を指導する.
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