第1章 脳血管障害作業療法学 02)脳卒中片麻痺の評価 ②ブルンストローム法ステージ

〈第57回 OT国試 午後4〉

40歳の男性.脳梗塞による左片麻痺.「手を腰の後ろに回してください」,「肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げてください」の指示に左上肢はそれぞれ図のようになった.左上肢の状態として適切なのはどれか. 

1.基本的共同運動の最初の要素が出現している.
2.痙縮の発現期である.
3.痙縮が最も強い時期である.
4.基本的共同運動から逸脱した運動が出現している.
5.分離運動が自由に可能である.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 手を腰の後ろに回せているが肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げることができておらず,分離運動が始まった段階から基本的共同運動から逸脱した運動が出現している時期と考えられる.
5.× 誤り.


〈第48回 OT国試 午前23〉

脳血管障害後の片麻痺患者にBrunnstrom法ステージテストを行った.肩関節の屈曲は肘伸展位で150°可能,外転は90°可能であるが肘関節が30°屈曲していた.また円柱形のペグを把持するよう指示すると,対向つまみはできなかったが横つまみは可能であった.Brunnstrom法ステージの組合せで正しいのはどれか. 
1.上肢Ⅲ ――― 手指Ⅳ
2.上肢Ⅳ ――― 手指Ⅲ
3.上肢Ⅳ ――― 手指Ⅳ
4.上肢Ⅴ ――― 手指Ⅳ
5.上肢Ⅴ ――― 手指Ⅴ

解答

1.× 上肢Ⅲ:座位で肩・肘の同時屈曲,伸展 ――― 手指Ⅳ:横つまみ,手指の伸展がわずかに可能
2.× 上肢Ⅳ:腰の後方へ手をつける,肘伸展位で上肢を前方水平へ挙上,肘90°屈曲位で前腕回内・回外 ――― 手指Ⅲ:全指同時握り,鈎形握り
3.○ 上肢Ⅳ:腰の後方へ手をつける,肘伸展位で上肢を前方水平へ挙上,肘90°屈曲位で前腕回内・回外 ――― 手指Ⅳ:横つまみ,手指の伸展がわずかに可能
4.× 上肢Ⅴ:肘伸展位で上肢を横水平へ挙上,または前方頭上へ挙上,肘伸展位で前腕回内・回外 ――― 手指Ⅳ:横つまみ,手指の伸展がわずかに可能
5.× 上肢Ⅴ:肘伸展位で上肢を横水平へ挙上,または前方頭上へ挙上,肘伸展位で前腕回内・回外 ――― 手指Ⅴ:対向つまみ,筒握り,球握り,随意的な手指伸展


〈第45回 OT国試 午後4〉

脳卒中患者の握り・つまみ動作を示す.各握り・つまみが初めてできるBrunnstrom法ステージはどれか.2つ選べ. 

1.①:Ⅲ
2.②:Ⅳ
3.③:Ⅳ
4.④:Ⅴ
5.⑤:Ⅴ

解答

1.× 球握り:Br.stageⅤ
2.○ 横(側腹)つまみ:Br.stageⅣ
3.× 集団屈曲:Br.stageⅢ
4.○ 対向つまみ:Br.stageⅤ
5.× 指の分離運動:Br.stageⅥ


〈第58回 OT国試 午後30〉

上肢・手指のBrunnstrom法ステージとテスト動作の組合せで正しいのはどれか. 
1.上肢Ⅳ ――― 手を背中の後ろへ回す.
2.上肢Ⅴ ――― 上肢を肘伸展位で前方水平位に上げる.
3.上肢Ⅵ ――― 肘伸展位・肩関節90°屈曲位で前腕回内・回外する.
4.手指Ⅲ ――― 横つまみをする.
5.手指Ⅴ ――― 全可動域にわたり指を伸展する.

解答

1.○ 正しい.
2.× 上肢Ⅳ ――― 上肢を肘伸展位で前方水平位に上げる.
3.× 上肢Ⅴ ――― 肘伸展位・肩関節90°屈曲位で前腕回内・回外する.
4.× 手指Ⅳ ――― 横つまみをする.
5.× 手指Ⅵ ――― 全可動域にわたり指を伸展する.


〈第55回 OT国試 午後29〉

Brunnstrom法ステージの検査において,ステージと可能な随意運動の組合せで正しいのはどれか. 
1.上肢Ⅱ ――― 肘関節90°屈曲位で前腕を回内・回外できる.
2.上肢Ⅲ ――― 腕を側方水平位に挙上することができる.
3.手指Ⅳ ――― 手指集団伸展が十分にでき,様々な握りができる. 
4.下肢Ⅴ ――― 立位で踵を床につけたまま足関節を背屈することができる.
5.下肢Ⅵ ――― 立位で股関節伸展位での膝関節屈曲ができる.

解答

1.× 上肢Ⅳ ――― 肘関節90°屈曲位で前腕を回内・回外できる.
2.× 上肢Ⅴ ――― 腕を側方水平位に挙上することができる.
3.× 手指Ⅵ ――― 手指集団伸展が十分にでき,様々な握りができる. 
4.○ 正しい.
5.× 下肢Ⅴ ――― 立位で股関節伸展位での膝関節屈曲ができる.


〈第47回 OT国試 午後24〉

片麻痺にみられる動作とBrunnstrom法ステージの組合せで正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.対向つまみが可能 ――― ステージⅣ
2.手指の伸展がわずかに可能 ――― ステージⅢ
3.坐位で踵を床から離さずに足関節の背屈が可能 ――― ステージⅣ
4.麻痺側上肢を腰の後ろに持っていくことができる ――― ステージⅤ
5.肩関節屈曲・肘関節伸展位で回内と回外とができる ――― ステージⅤ

解答

1.× 対向つまみが可能 ――― Br.stageⅤ
2.× 手指の伸展がわずかに可能 ――― Br.stageⅣ
3.○ 正しい.
4.× 麻痺側上肢を腰の後ろに持っていくことができる ――― Br.stageⅣ
5.○ 正しい.


〈第50回 OT国試 午前2〉

67歳の男性.右被殻出血による左片麻痺.発症後7日.Brunnstrom法ステージを用いて評価を行った.正しい判定はどれか. 
1.上肢を側方水平位に挙上できたので,ステージⅣとする.
2.横つまみが可能だったので,ステージⅢとする.
3.対向つまみが可能だったので,ステージⅤとする.
4.立位,股関節伸展位で足関節の背屈ができたので,ステージⅤとする.
5.立位,股関節伸展位で膝屈曲ができたので,ステージⅥとする.

解答

1.× 上肢を側方水平位に挙上できたので,Br.stageⅤとする.
2.× 横つまみが可能だったので,Br.stageⅣとする.
3.○ 正しい.
4.× 立位で患側足部を少し前方に出し,膝関節伸展位で足関節の背屈ができたので,Br.stageⅤとする.
5.× 立位,股関節伸展位で膝屈曲ができたので,Br.stageⅤとする.


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