【1】Danielsらの徒手筋力テストにおける肩甲下筋のテストで正しいのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 肩甲骨下制と内転(僧帽筋中部と下部線維)の段階2~0のテストである.
2.× 肩甲骨外転と上方回旋(前鋸筋)の段階1,0のテストである.
3.○ 肩内旋(肩甲下筋)の段階3の別法である.
4.× 肩外旋(棘下筋と小円筋)の段階3のテストである.
5.× 広背筋の段階5~3の別のテストである.
【2】心電図波形を示す.特徴として正しいのはどれか.
1.洞調律である.2.持続頻拍である.
3.ST上昇を認める.
4.心室期外収縮を認める.
5.Ⅲ度房室ブロックである.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 幅広いQRS波は心室性期外収縮である.
5.× 誤り.
【3】80歳の男性.胸部CTを示す.この患者で低下が予想されるのはどれか.
1.1秒率
2.残気量
3.気道抵抗
4.全肺気量
5.肺コンプライアンス
解答
1.○ 正しい.
2.× COPDでは残気量が増加する.
3.× COPDでは気道抵抗が増加する.
4.× COPDでは全肺気量が増加する.
5.× COPDでは肺コンプライアンスが増加する.
【4】Down症候群が示す特徴的な姿勢はどれか.
1.12.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 非対称性緊張性頸反射(ATNR)は痙直型・アテトーゼ型の脳性麻痺で特徴的にみられる姿勢である.
2.○ 正しい.
3.× 痙直型片麻痺児にみられる姿勢である.
4.× on handsは正常発達の5~6か月頃にみられる.
5.× アテトーゼ型脳性麻痺児にみられる姿勢である.
【5】左大腿義足歩行の右立脚中期に図のような現象が観察された.原因はどれか.
1.義足が長すぎる.
2.後方バンパーが弱すぎる.
3.ソケットの初期内転角が大きすぎる.
4.切断側の股関節外転筋力が不足している.
5.切断側の股関節伸展可動域が制限されている.
解答
1.○ 正しい.
2.× 後方バンパーが弱すぎると踵接地直後にフットスラップが生じる.
3.× ソケットの初期内転角が大きすぎると外転歩行となる.
4.× 切断側の股関節外転筋力が不足していると立脚相に体幹の側屈が起こる.
5.× 切断側の股関節伸展可動域が制限されていると立脚相で腰椎前弯が過度に増強する.
【6】次の文により,6,7の問いに答えよ.75歳の男性.一人暮らし.歩行時のふらつきを主訴に来院した.以前から食事が不規則で,5日前から食事を摂らなくなった.上肢に明らかな異常はないが,下肢筋力はMMT4レベルで,下肢遠位優位のしびれ感がある.膝蓋腱反射は亢進しているが,アキレス腱反射は低下し,Babinski反射は陽性だった.眼振は認めない.血清ビタミンB12の低下を認めた.重心動揺検査結果を示す.可能性が高い疾患はどれか.
1.皮膚筋炎
2.Shy-Drager症候群
3.筋萎縮性側索硬化症
4.ポストポリオ症候群
5.亜急性連合性脊髄変性症
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 後索障害,側索障害(錐体路障害),末梢神経障害,ビタミンB12低下がみられることから,亜急性連合性脊髄変性症の可能性が高い.
【7】次の文により,6,7の問いに答えよ.75歳の男性.一人暮らし.歩行時のふらつきを主訴に来院した.以前から食事が不規則で,5日前から食事を摂らなくなった.上肢に明らかな異常はないが,下肢筋力はMMT4レベルで,下肢遠位優位のしびれ感がある.膝蓋腱反射は亢進しているが,アキレス腱反射は低下し,Babinski反射は陽性だった.眼振は認めない.血清ビタミンB12の低下を認めた.重心動揺検査結果を示す.この患者の左右へのバランス障害に対する踵の補正で適切なのはどれか.
1.SACHヒール
2.Thomasヒール
3.外側フレアヒール
4.逆Thomasヒール
5.内側ウェッジヒール
解答
1.× SACHヒールは足関節の強直,拘縮に適応となる.
2.× Thomasヒールは外反扁平足に適応となる.
3.○ 正しい.
4.× 逆Thomasヒールは内反尖足に適応となる.
5.× 内側ウェッジヒールは外反扁平足に適応となる.
【8】6歳の女児.公園で転倒し,骨折の診断で同日緊急手術を受けた.術後のエックス線写真を示す.術後の患側上肢の理学療法で正しいのはどれか.
1.術後1週で筋力増強運動を開始する.2.肘関節の運動は自動より他動を優先する.
3.術後2週で肩関節の可動域練習を開始する.
4.仮骨形成してから肘関節の可動域練習を開始する.
5.術後翌日に急激な痛みがあっても手指運動を行う.
解答
1.× 術後1週で筋力増強運動を開始するのは時期尚早である.
2.× 肘関節の運動は他動より自動を優先する.
3.× 肩関節の可動域練習は術後翌日より開始する.
4.○ 正しい.
5.× 術後翌日に急激な痛みがあった際は合併症を疑い,手指運動を行わない.
【9】図のような所見において考えられるのはどれか.
1.仙腸関節機能不全
2.右股関節脱臼
3.右膝蓋骨脱臼
4.右半月板損傷
5.右後十字靭帯損傷
解答
1.× 誤り.
2.○ 仰臥位で両膝を屈曲させ,両下腿をそろえると,股関節脱臼側で膝の位置が低くなるAllis徴候である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【10】67歳の男性.両下肢に脊髄後索性運動失調がみられる.座位で図のように床に記された複数の足形に対し,目で確認しながら自身の足を移動するよう指示した.この運動はどれか.
1.Böhler体操
2.Buerger-Allen体操
3.Frenkel体操
4.McKenzie体操
5.Williams体操
解答
1.× Böhler体操は体幹伸展運動による脊柱起立筋の強化を目的とする.
2.× Buerger-Allen体操は末梢循環改善を目的とする.
3.○ 正しい.
4.× McKenzie体操は腰痛症の脊柱伸展可動域改善を目的とした体幹伸展・屈曲運動である.
5.× Williams体操は腰痛症に対する柔軟性改善と筋力強化,持久力強化を目的とした姿勢体操である.
【11】80歳の男性.脳梗塞による右片麻痺.Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ,下肢Ⅲ.下肢の随意運動は分離運動がわずかに認められる程度である.歩行はT字杖と短下肢装具を使用して自宅内移動が可能である.ADL指導で最も適切なのはどれか.
1.ベッド上で起き上がる
2.低い段を昇る
3.低い段を降りる
4.ズボンを履く
5.浴槽に入る
解答
1.○ 正しい.
2.× 低い段は非麻痺側から昇る.
3.× 低い段は麻痺側から降りる.
4.× ズボンは麻痺側から履く.
5.× 浴槽は非麻痺側から入る.
【12】標準的な体格の成人における松葉杖の調整で正しいのはどれか.※a.:腋窩から横木までの距離 b.:肘の屈曲角度
1.a.:1横指 b.:10度
2.a.:1横指 b.:45度
3.a.:3横指 b.:30度
4.a.:3横指 b.:45度
5.a.:5横指 b.:30度
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 立位でつま先の外側15cmに杖先を置いた際に,腋窩から横木までの距離は3横指程度,肘の屈曲角度は30°となる長さに設定する.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【13】45歳の女性.身長155cm,体重60kg.3METs程度の歩行速度で1時間歩いた場合の消費カロリー量に最も近いのはどれか.ただし,ウォーキングで消費するカロリー(kcal)を1.05×METs×時間(H)×体重(kg)とする.
1.190kcal
2.230kcal
3.270kcal
4.310kcal
5.350kcal
解答
1.○ 消費するカロリー(kcal)=1.05×3METs×1H×60kg=189≒190kcal
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【14】68歳の男性.5年前にParkinson病と診断された.現在,両手に安静時振戦,両上下肢に中等度の筋強剛を認める.「最近,歩いているときに足が出にくく,バランスを崩して転びそうになることが増えてきた」との訴えがある.日常生活は自立しているが,屋外歩行時には転倒への不安があるため外出を控えている.この患者のHoehn&Yahrの重症度分類ステージはどれか.
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
5.Ⅴ
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 日常生活は自立しているが,転倒への不安があり外出を控えているため,Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢである.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【15】58歳の男性.脳卒中による左片麻痺.Brunnstrom法ステージ上肢Ⅳ,手指Ⅲ,下肢Ⅳ.麻痺側の位置覚検査を行う際の患者への指示で適切なのはどれか.
1.「掌を上に向けて,両腕を水平に保ってください」
2.「左腕を動かしますので,右腕でまねをしてください」
3.「左足の親指を動かします.何回動いたか答えてください」
4.「右膝を曲げますので,左脚を同じように曲げてください」
5.「左手の親指が手の甲の方へ動いたら”上”,掌の方へ動いたら”下”と答えてください」
解答
1.× 「掌を上に向けて,両腕を水平に保ってください」は,バレー徴候で上肢の軽い不全麻痺を検査する方法である.
2.○ 正しい.
3.× 「左足の親指を動かします.何回動いたか答えてください」は,位置覚検査でない.
4.× 「右膝を曲げますので,左脚を同じように曲げてください」は,健側の位置覚検査である.
5.× 「左手の親指が手の甲の方へ動いたら”上”,掌の方へ動いたら”下”と答えてください」は,麻痺側の
【16】18歳の男子.野球肘の診断で理学療法を行うこととなった.上肢の関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準による)の運動と測定肢位の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ.
1.肩屈曲・伸展 ――― 前腕回外位
2.肩外旋・内旋 ――― 前腕回内位
3.肘屈曲・伸展 ――― 前腕回外位
4.前腕回内・回外 ――― 肘90度屈曲位
5.手屈曲・伸展 ――― 前腕回内位
解答
1.× 肩屈曲・伸展 ――― 前腕中間位
2.× 肩外旋・内旋 ――― 前腕中間位
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 手屈曲・伸展 ――― 前腕中間位
【17】44歳の女性.3年前に全身型重症筋無力症と診断され,拡大胸腺摘出術を受けた.現在ステロイド内服治療を継続し,定期的にγグロブリン大量静注療法を受けている.この患者の理学療法で正しいのはどれか.
1.血清CK値を指標に運動量を調整する.
2.筋力増強には過用に注意し漸増負荷を実施する.
3.筋緊張亢進に対してボツリヌス毒素療法を考慮する.
4.クリーゼのときには閉塞性換気障害を念頭に入れる.
5.体温上昇で神経症状が増悪するため環境温に注意する.
解答
1.× 重症筋無力症は筋疾患でないため,血清CK値は運動量の指標にならない.
2.○ 正しい.
3.× 重症筋無力症は筋緊張亢進しないため,ボツリヌス毒素療法は適応にならない.
4.× クリーゼのときには拘束性換気障害を念頭に入れる.
5.× 重症筋無力症は体温上昇ではなく疲労で神経症状が増悪する.
【18】46歳の男性.右中葉肺がん.入院して化学療法と放射線療法を行い,来月に胸腔鏡下肺部分切除術を予定している.6分間歩行距離は560mで,経皮的動脈血酸素飽和度は95%以上に保たれ,ADLは自立している.正しいのはどれか.
1.術前から咳嗽練習を行う.
2.術前から上部胸式呼吸の練習を行う.
3.術前はベッド上の安静に努める.
4.術後1週はベッド上での体位排痰療法を中心に行う.
5.術後3か月は修正Borg指数で2程度の運動療法を行う.
解答
1.○ 正しい.
2.× 術前から腹式呼吸と深呼吸の練習を行う.
3.× 術前はベッド上の安静の必要はなく,運動機能とADL維持に努める.
4.× 術後は体位排痰療法,体位管理,リラクセーション,換気改善の他,全身状態が許す限り,可及的早期から離床を促す.
5.× 術後は修正Borg指数で2~3程度の運動療法から始め,修正Borg指数4~5の強度を目指す.
【19】16歳の女子.バスケットボールの試合中に受傷した.同日病院を受診し,左足関節外側靭帯損傷と診断され,理学療法を行う方針となった.急性期の対応で正しいのはどれか.
1.受傷日から患部の安静目的に固定を行う.
2.受傷日から積極的に患側足関節の可動域練習を行う.
3.受傷日から炎症を抑えるため入浴などの血液循環を促す.
4.受傷翌日から試合に参加できるよう鎮痛薬を飲むように勧める.
5.受傷から3日間は常に氷水で冷やし続ける.
解答
1.○ 正しい.
2.× 急性期は固定を行い,積極的な患側足関節の可動域練習は禁忌である.
3.× 受傷日は炎症を抑えるため入浴などの血液循環を促すことは避ける.
4.× 受傷翌日,疼痛がある場合は鎮痛薬を飲むよう勧めるが,試合の参加は禁忌である.
5.× 受傷後,20分前後は氷水で冷やし続ける.
【20】85歳の女性.右大腿骨頸部骨折のため入院し,人工骨頭置換術を行った.医師の診療録には,術後の経過は順調であるが,重度の右耳難聴と中等度の認知症があるとの記載があった.臨床実習での情報収集の方法として誤っているのはどれか.
1.情報収集は一方的に行う.
2.患者の左側から声をかける.
3.患者への質問事項は紙に書く.
4.家屋状況は同居家族からも聴取する.
5.生年月日は患者本人と診療録の両方で確認する.
解答
1.× 情報収集は一方的に行わず,傾聴と共感的理解を態度として示す.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【21】介護保険制度で第2号被保険者がサービス利用可能となるのはどれか.
1.多発性硬化症
2.統合失調症
3.腱板損傷
4.白内障
5.末期癌
解答
1.× 多発性硬化症は特定疾病でない.
2.× 統合失調症は特定疾病でない.
3.× 腱板損傷は特定疾病でない.
4.× 白内障は特定疾病でない.
5.○ 正しい.
【22】個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)で個人情報として扱われないのはどれか.
1.血液型
2.氏名
3.生年月日
4.電話番号
5.メールアドレス
解答
1.× 血液型は特定の個人を識別できるものでないため個人情報として扱われない.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【23】歩行周期の中で単脚支持となるのはどれか.2つ選べ.
1.初期接地
2.荷重応答期
3.立脚中期
4.立脚終期
5.前遊脚期
解答
1.× 初期接地は両脚支持期である.
2.× 荷重応答期は両脚支持期である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 前遊脚期は両脚支持期である.
【24】頭痛を感じる痛覚受容器が存在しないのはどれか.
1.硬膜
2.脳動脈
3.脳軟膜
4.頭蓋骨膜
5.大脳皮質
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 大脳皮質には頭痛を感じる痛覚受容器が存在しない.
【25】一次予防で正しいのはどれか.
1.高血圧に対する薬物療法
2.糖尿病に対する運動療法
3.内視鏡検査による胃がん検診
4.骨折経験のある高齢者に対する再発予防
5.健康な高齢者に対する転倒予防の講演会開催
解答
1.× 高血圧に対する薬物療法は二次予防である.
2.× 糖尿病に対する運動療法は二次予防である.
3.× 内視鏡検査による胃がん検診は二次予防である.
4.× 骨折経験のある高齢者に対する再発予防は三次予防である.
5.○ 正しい.
【26】救急処置で正しいのはどれか.
1.傷病者を発見した場合は一目散に駆け寄る.
2.傷病者の体をゆすって反応の有無を確認する.
3.応援者への最初の依頼はAEDの手配である.
4.気道異物を探してから胸骨圧迫を開始する.
5.胸骨圧迫は100~120回/分を目安に行う.
解答
1.× 傷病者を発見した場合は一目散に駆け寄らず,周囲の安全を確認する.
2.× 傷病者の体はゆすらず,肩を軽く叩き,大声で呼びかけた際の反応の有無を確認する.
3.× 応援者への最初の依頼は救急対応システムへの通報である.
4.× 脈拍と呼吸を確認し,正常ではないと判断した場合に胸骨圧迫を開始する.
5.○ 正しい.
【27】Danielsらの徒手筋力テストの検査肢位において,膝関節の伸展と屈曲が同じになる段階はどれか.
1.段階1
2.段階2
3.段階3
4.段階4
5.段階5
解答
1.× 誤り.
2.○ 検査肢位において,膝関節の伸展と屈曲が同じになる段階は段階2である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【28】GCSの評定で正しいのはどれか.
1.E2は痛み刺激で眼を開ける.
2.E3は自発的に眼を開けている.
3.V4は日時や場所を言うことができる.
4.M4は痛み刺激に対して手を払いのける.
5.M5は指示に従って手を動かせる.
解答
1.○ 正しい.
2.× E4は自発的に眼を開けている.
3.× V5は日時や場所を言うことができる.
4.× M5は痛み刺激に対して手を払いのける.
5.× M6は指示に従って手を動かせる.
【29】脊髄損傷者(完全麻痺)が両側の短下肢装具と杖によって安全に屋外歩行が可能となる最も上位の機能残存レベルはどれか.
1.Th6
2.Th10
3.L2
4.L4
5.S1
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 両側の短下肢装具と杖によって安全に屋外歩行が可能となる最も上位の機能残存レベルはL4である.
5.× 誤り.
【30】健常成人の血圧で正しいのはどれか.
1.Korotkoff音が聞こえなくなった時点での圧を収縮期血圧とする.
2.触診法では聴診法に比べて収縮期血圧が高く測定される.
3.平均血圧は拡張期血圧に脈圧の1/3を加えて求める.
4.足関節上腕血圧比の基準値は0.75~0.9である.
5.収縮期血圧は朝より夕方の方が低くなる.
解答
1.× Korotkoff音が聞こえなくなった時点での圧を拡張期血圧とする.
2.× 触診法では聴診法に比べて収縮期血圧が低く測定される.
3.○ 正しい.
4.× 足関節上腕血圧比の基準値は0.91~1.40である.
5.× 収縮期血圧は朝より夕方の方が高くなる.
【31】PTB式下腿義足のソケットにおける荷重部位で正しいのはどれか.
1.脛骨稜
2.脛骨粗面
3.脛骨末端
4.脛骨前内側面
5.脛骨顆部隆起部
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ PTB式下腿義足のソケットにおける荷重部位は,膝蓋腱,脛骨前内側面,前脛骨筋(下腿前面),膝窩部,腓骨外側骨幹部および断端である.
5.× 誤り.
【32】骨壊死を合併しやすい骨折はどれか.
1.鎖骨遠位部骨折
2.上腕骨外科頸骨折
3.中手骨骨幹部骨折
4.大腿骨顆部頸部骨折
5.膝蓋骨骨折
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 骨折により骨壊死を起こしやすいのは大腿骨頸部骨折,手の舟状骨骨折,距骨骨折である.
5.× 誤り.
【33】上肢・下肢のBrunnstrom法ステージとテスト動作の組合せで正しいのはどれか.
1.上肢Ⅳ ――― 座位にて肘伸展位で前腕を回内・回外する.
2.上肢Ⅴ ――― 座位にて肘伸展位で前方水平位に上げる.
3.下肢Ⅳ ――― 座位にて股関節・膝関節・足関節を同時に屈曲する.
4.下肢Ⅴ ――― 立位にて股伸展位で膝関節のみ屈曲する.
5.下肢Ⅵ ――― 立位にて膝伸展位で足関節のみ屈曲する.
解答
1.× 上肢Ⅴ ――― 座位にて肘伸展位で前腕を回内・回外する.
2.× 上肢Ⅳ ――― 座位にて肘伸展位で前方水平位に上げる.
3.× 下肢Ⅲ ――― 座位にて股関節・膝関節・足関節を同時に屈曲する.
4.○ 正しい.
5.× 下肢Ⅴ ――― 立位にて膝伸展位で足関節のみ屈曲する.
【34】Duchenne型筋ジストロフィーで正しいのはどれか.
1.知的障害はまれである.
2.筋萎縮は遠位筋から始まる.
3.発症初期から関節拘縮が生じやすい.
4.5歳ごろまでに歩行不能になることが多い.
5.筋力低下が進行すればGowers徴候がみられる.
解答
1.× 知的障害を合併する例が多く,全体の1/3でIQ70以下である.
2.× 筋萎縮は近位筋から始まる.
3.× 筋原線維の萎縮・筋力低下の後に関節拘縮が生じる.
4.× 10歳前後までに歩行不能となることが多い.
5.○ 正しい.
【35】広範囲Ⅲ度熱傷の受傷後12時間以内に生じやすいのはどれか.
1.集中治療室獲得性筋力低下(ICU-AW)
2.骨化性筋炎
3.肥厚性瘢痕
4.関節拘縮
5.浮腫
解答
1.× 集中治療室獲得性筋力低下(ICU-AW)はICU入室後数日以内に発症する急性,左右対称性の四肢筋力低下を呈する症候群である.
2.× 骨化性筋炎では,外傷後に2~3週間腫脹と疼痛が持続し,12~16週後には骨化が明らかになる.
3.× 約3~4週間で表皮形成が完成し,その後肥厚性瘢痕の形成が始まる.
4.× 瘢痕形成により関節拘縮が生じる.
5.○ 正しい.
【36】高次脳機能障害と症候との組合せで正しいのはどれか.
1.観念失行 ――― 敬礼など単純な口頭指示に従った動作ができない.
2.純粋失読 ――― 文字を指でなぞっても読めない.
3.伝導失語 ――― 物品呼称ができない.
4.観念運動失行 ――― 適切に道具を使用できない.
5.肢節運動失行 ――― 習熟した行為の遂行が拙劣になる.
解答
1.× 観念失行 ――― 適切に道具を使用できない.
2.× 純粋失読 ――― 読むことが強く障害されるが,文字を指でなぞると読むことができる.
3.× 伝導失語 ――― 復唱ができない.
4.× 観念運動失行 ――― 敬礼など単純な口頭指示に従った動作ができない.
5.○ 正しい.
【37】がん検診の実施が規定されているのはどれか.
1.介護保険法
2.健康増進法
3.生活保護法
4.障害者総合支援法
5.健康日本21(第二次)
解答
1.× 介護保険法は介護必要とする高齢者を社会全体で支え合うための制度(介護保険制度)について定めた法律である.
2.○ がん検診の実施が規定されているのは健康増進法である.
3.× 生活保護法は生活に困窮する国民に最低限度の生活保障と自立を助長する制度について定めた法律である.
4.× 障害者総合支援法は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律である.
5.× 健康日本21(第二次)は一次予防の観点から健康増進を図るための国民運動である.
【38】装具と疾患の組合せで正しいのはどれか.
1.Williams装具 ――― 側弯症
2.Milwaukee装具 ――― 腰部脊柱管狭窄症
3.交互歩行装具(RGO) ――― 二分脊椎(機能残存レベルTh12)
4.Oppenheimer型装具 ――― 正中神経麻痺
5.スウェーデン式膝装具 ――― 大腿神経麻痺
解答
1.× Williams装具 ――― 腰部脊柱管狭窄症
2.× Milwaukee装具 ――― 側弯症
3.○ 正しい.
4.× Oppenheimer型装具 ――― 橈骨神経麻痺
5.× スウェーデン式膝装具 ――― 反張膝
【39】温熱の局所反応で正しいのはどれか.
1.加温によって血液の粘性が増加する.
2.Aδ線維がC線維よりも温度変化の影響を受けやすい.
3.組織温度が1℃上昇すると代謝率は2~3倍に増加する.
4.反射性血管拡張作用は加温部位の循環が増加する現象である.
5.組織温度が1℃上昇すると神経伝導速度は0.2m/sec増加する.
解答
1.× 加温によって血液の粘性が低下する.
2.○ 正しい.
3.× 組織温度が10℃上昇すると代謝率は2~3倍増加,1℃上昇すると約13%上昇する.
4.× 反射性血管拡張作用は加温していない部位の循環が増加する現象である.
5.× 5.組織温度が1℃上昇すると神経伝導速度は約2m/sec増加する.
【40】持久力に必要なエネルギー供給系の説明で正しいのはどれか.
1.ATPは大量に体内に保存できる.
2.解糖系の過程をTCA回路という.
3.解糖系は無酸素性エネルギー供給系である.
4.酸化系は無酸素性エネルギー供給系である.
5.ATP-CP系は有酸素性エネルギー供給系である.
解答
1.× ATPは少量しか体内に保存できない.
2.× 酸化系の過程をTCA回路という.
3.○ 正しい.
4.× 解糖系は無酸素性エネルギー供給系である.
5.× ATP-CP系は無酸素性エネルギー供給系である.
【41】Barthel Indexで自立の場合,5点となる項目はどれか.2つ選べ.
1.更衣
2.食事
3.整容
4.入浴
5.排尿コントロール
解答
1.× Barthel Indexで自立の場合,更衣は10点である.
2.× Barthel Indexで自立の場合,食事は10点である.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× Barthel Indexで自立の場合,排尿コントロールは10点である.
【42】腰椎椎間板ヘルニアで正しいのはどれか.
1.急性期から間欠牽引を行う.
2.急性期から硬性コルセットを使用する.
3.急性期の疼痛に対して体操療法を行う.
4.進行性の筋力低下があれば手術療法を考慮する.
5.腰への負担を減らすために数か月間のベッド上安静とする.
解答
1.× 腰椎椎間板ヘルニア急性期の間欠牽引は禁忌である.
2.× 腰椎椎間板ヘルニアの急性期は軟性コルセットを使用する.
3.× 急性期の疼痛が軽快してから体操療法を行う.
4.○ 正しい.
5.× 腰への負担を減らすために2~7日安静とするが,完全な安静臥床はできるかぎり避ける.
【43】運動機能低下がある軽症の変形性膝関節症で,理学療法診療ガイドライン(日本理学療法士協会)で日常生活活動が改善する可能性があると示されている理学療法はどれか.2つ選べ.
1.干渉波療法
2.筋力増強運動
3.振動刺激療法
4.足底挿板療法
5.バランス練習
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【44】脊髄小脳変性症患者の四つ這いでのバランス練習で最も難易度が高いのはどれか.
1.一側下肢挙上
2.一側上肢挙上
3.対側上下肢挙上
4.同側上下肢挙上
5.四つ這い位保持
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 同側上下肢挙上は支持基底面が狭く,同側の支持基底面内に重心を保つのは難易度が高い.
5.× 誤り.
【45】SF-36の下位尺度はどれか.
1.体の痛み
2.環境因子
3.筋力
4.睡眠の質
5.認知機能
解答
1.○ 正しい.
2.× SF-36の下位尺度に環境因子は含まれない.
3.× SF-36の下位尺度に筋力は含まれない.
4.× SF-36の下位尺度に睡眠の質は含まれない.
5.× SF-36の下位尺度に認知機能は含まれない.
【46】1950年代,北欧での知的障害者の人権改善運動の発端となった取り組みはどれか.
1.バリアフリー
2.ノーマライゼーション
3.ユニバーサルデザイン
4.ソーシャルインクルージョン
5.IL(Independent Living)運動
解答
1.× バリアフリーは物理的な障壁のみならず,より広く障害者の社会参加を困難にしている社会的,制度的,心理的なすべての障壁に対処することである.
2.○ 正しい.
3.× ユニバーサルデザインは障害の有無,年齢,性別,人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方である.
4.× ソーシャルインクルージョン(社会的統合)はすべての人々を孤独や孤立,排除や摩擦から援護し,健康で文化的な生活の実現に繋げるよう,社会の構成員として包み支え合うという理念である.
5.× IL(Independent Living)運動とは障害者が自立生活の権利を主張した自立生活運動である.
【47】臨床実習中の守秘義務で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.学生用パソコンのウイルス対策ソフトを実習前に最新のものに更新した.
2.患者の経過が記された報告書を同級生にメール添付し送信して相談した.
3.症例報告用のレジュメを実習終了後にシュレッダーで処分した.
4.実習生同士がファミリーレストランで担当症例の検討をした.
5.病院カルテの内容を自身のスマートフォンで撮影した.
解答
1.○ 正しい.
2.× 患者の経過が記された報告書を同級生にメール添付し送信して相談することは秘密を他に漏らすことに該当する.
3.○ 正しい.
4.× 実習生同士がファミリーレストランで担当症例の検討をすると秘密漏示につながる可能性があるため避ける.
5.× 病院カルテの内容は原則として院外へ持ち出してはならないため,自身のスマートフォンで撮影することは避ける.
【48】介護予防事業の基本チェックリスト質問項目でないのはどれか.
1.「転倒に対する不安は大きいですか」
2.「15分くらい続けて歩いていますか」
3.「この一年間に転んだことがありますか」
4.「何もつかまらずに床から立ち上がっていますか」
5.「階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか」
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 「椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がっていますか」が介護予防事業の基本チェックリスト質問項目である.
5.○ 正しい.
【49】理学療法士が行う院内感染対策として適切でないのはどれか.
1.手指衛生
2.感染経路の把握
3.ガウンテクニック
4.院内ガイドラインの遵守
5.感染者の病室の配置管理
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 感染者の病室の配置管理は理学療法士が行う仕事でない.
【50】検査と身体状況の組合せで正しいのはどれか.
1.BBS ――― 体格
2.FIM ――― 呼吸機能
3.MMSE ――― 平衡機能
4.NRS ――― 疼痛
5.VAS ――― 認知機能
解答
1.× BBS ――― 平衡機能
2.× FIM ――― 日常生活活動
3.× MMSE ――― 認知機能
4.○ 正しい.
5.× VAS ――― 疼痛