【1】Danielsらの徒手筋力テスト(段階5及び4)で,検査者が抵抗を与える位置で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.前腕回内
2.対立運動
3.肘関節屈曲
4.肩関節水平外転
5.肩甲骨内転と下方回旋
解答
1.× 肩関節外旋の抵抗をかける位置である.
2.× 対立運動は母指対立筋と小指対立筋を別々に分けて段階づける.
3.× 肘関節屈曲は手くびより近位で前腕掌側の表面にあてがって抵抗をかける.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【2】背臥位のまま右手でスマートフォンを持ち電子書籍を閲覧していた.図のように,この時の肩関節は屈曲40度,肘関節は屈曲90度であった.文字が見えづらいためゆっくり肘を曲げて画面を顔に近づける際に活動する筋と収縮様式の組合せで正しいのはどれか.
1.上腕二頭筋 ――― 遠心性収縮
2.上腕二頭筋 ――― 等張性収縮
3.上腕三頭筋 ――― 遠心性収縮
4.上腕三頭筋 ――― 求心性収縮
5.上腕三頭筋 ――― 等張性収縮
解答
1.× 上腕二頭筋 ――― 求心性収縮
2.× 上腕二頭筋 ――― 求心性収縮
3.○ 正しい.
4.× 上腕三頭筋 ――― 遠心性収縮
5.× 上腕三頭筋 ――― 遠心性収縮
【3】50歳の女性.末梢神経麻痺により,円回内筋,長掌筋,橈側手根屈筋,浅指屈筋,深指屈筋(示指・中指),長母指屈筋,方形回内筋,短母指外転筋,短母指屈筋(浅頭),母指対立筋,第1・2虫様筋が麻痺している.適応する装具で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.短対立装具(Bennett型)
2.長対立装具(Rancho型)
3.手関節駆動型把持装具(RIC型)
4.Thomas型装具
5.ナックルベンダー
解答
1.× 短対立装具は正中神経低位麻痺の適応となる.
2.○ 正中神経高位麻痺なので長対立装具が適応となる.
3.○ 手関節背屈筋が残存しているので把持目的で手関節駆動型把持装具が適応となる.
4.× Thomas型装具は橈骨神経高位麻痺の適応となる.
5.× ナックルベンダーは尺骨神経低位麻痺の適応となる.
【4】9歳の男児.痙直型四肢麻痺の脳性麻痺.頭部保持は可能で,座位保持は両手の支持が必要である.立位は介助があればわずかにできる.この児が机上で道具の操作を練習する際に両手を使用するための姿勢として最も難しいのはどれか.
1.車椅子で体幹ベルトを用いた座位
2.床上で両肘を机上に置いた長座位
3.床上で両肘を机上に置いた割り座
4.座位保持装置を使用した座位
5.立位台を使用した立位
解答
1.× 誤り.
2.○ 手で支持すれば座位が可能であるレベルでは床上での長座位が最も難易度が高い.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【5】13歳の男子.1か月前から膝の疼痛が生じ,近医を受診.精査が必要となり大学病院へ紹介された.左大腿骨遠位に境界不明瞭な腫瘤を触れる.単純エックス線を示す.化学療法が始まり,リハビリテーション治療が処方された.リハビリテーション治療について正しいのはどれか.
1.易感染性に注意する.
2.積極的に患部のマッサージを行う.
3.患側の運動負荷は健側と同様でよい.
4.骨端線に近い病巣なので温熱療法が効果的である.
5.健側のリハビリテーション治療は化学療法後から行う.
解答
1.○ 正しい.
2.× 積極的な患部のマッサージは避ける.
3.× 患側の運動負荷は健側より軽負荷とする.
4.× 骨端線に近い病巣なので温熱療法は禁忌である.
5.× 健側のリハビリテーション治療は化学療法後前から行う.
【6】50歳の男性.糖尿病.1か月前からインスリンによる治療が開始されている.空腹時血糖150mg/dL,HbA1cは7.5%であった.これまでに低血糖症状は認めていない.血糖コントロールの改善に向けた運動療法,生活指導で誤っているのはどれか.
1.歩数計を活用する.
2.運動は食後1時間後に行う.
3.階段を使用するように助言する.
4.低強度でのレジスタンス運動を行う.
5.1週間で合計60分の有酸素運動を行う.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 1日間で30~60分の有酸素運動を行う.
【7】65歳の女性.Parkinson病.Hoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢ.屋内歩行は伝い歩きをしている.薬物コントロールができ次第,退院予定である.運動機能維持を目的とした作業療法で優先順位が低いのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 手先のみの小さな動きの作業は運動機能維持を目的とした作業療法として優先順位が低い.
【8】25歳の女性.交通事故による外傷性脳損傷(右前頭葉).職場復帰を希望している.WAIS-Ⅲでは言語性IQが76,動作性IQが106,全検査IQが89.RBMTが19点,TMT-Aが81秒,TMT-Bが90秒,BADSが104点,FIMが120点.対人交流は良好である.2か月後の事務職への職場復帰を目的とした練習として適切なのはどれか,
1.電話の受付
2.企画書の作成
3.書類の片付け
4.会議の要約報告
5.金銭の会計処理
解答
1.× 言語性IQ低値から電話の受付は難しい.
2.× 言語性IQ低値から企画書の作成は難しい.
3.○ 動作性IQは問題ないので書類の片付けが適切である.
4.× 言語性IQ低値から会議の要約報告は難しい.
5.× 言語性IQ低値から金銭の会計処理は難しい.
【9】41歳の男性.右手で腕相撲中に骨折した.直後の単純エックス線写真を示す.最も合併しやすいのはどれか.
1.猿手
2.書痙
3.鷲手
4.下垂手
5.肩手症候群
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 上腕骨骨幹部骨折により橈骨神経麻痺を合併しやすいため下垂手を呈する.
5.× 誤り.
【10】19歳の男性.バイク事故で受傷.脊髄損傷完全麻痺(第10胸髄節まで機能残存).ADLは自立し,今後は車椅子マラソンを行うことを目標に作業療法に取り組んでいる.車椅子を示す.マラソン用車椅子はどれか.
1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤
解答
1.× ①はバスケット用車椅子である.
2.○ 正しい.
3.× ③はラグビー用車椅子である.
4.× ④はテニス用車椅子である.
5.× ⑤はノーマル型スポーツ車椅子である.
【11】57歳の男性.筋萎縮性側索硬化症.発症後5年が経過.四肢と体幹に重度の運動麻痺を生じてベッド上の生活となり,ADLは全介助.球麻痺症状を認め,安静時も呼吸困難を自覚している.この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか.
1.舌
2.口唇
3.呼気
4.手指
5.外眼筋
解答
1.× 舌は動かせなくなるため入力手段として適さない.
2.× 口唇は動かせなくなるため入力手段として適さない.
3.× 呼気は呼吸筋麻痺になるため入力手段として適さない.
4.× 手指は動かせなくなるため入力手段として適さない.
5.○ 正しい.
【12】26歳の男性.C6レベルの頸髄損傷完全麻痺.仕事中の事故により受傷し入院.翌日からリハビリテーションが開始され継続している.受傷後1か月での徒手筋力テストの結果を表に示す.受傷後2か月で到達可能と予測される動作はどれか.
1.更衣2.自己導尿
3.プッシュアップ
4.万能カフを用いた食事
5.ベッドから車椅子への移乗
解答
1.× 更衣はC6機能残存レベルで獲得可能動作であるが受傷後2か月では困難である.
2.× 自己導尿はC6機能残存レベルで獲得可能動作であるが受傷後2か月では困難である.
3.× プッシュアップはC6機能残存レベルで獲得可能動作であるが受傷後2か月では困難である.
4.○ 正しい.
5.× ベッドから車椅子への移乗はC6機能残存レベルで獲得可能動作であるが受傷後2か月では困難である.
【13】22歳の女性.幼少期に両親と死別したが,祖父母の支援などで問題なく学校生活を過ごした.学業成績は良かったが,感情が不安定で自傷行為を繰り返し,精神科クリニックに通院しながら高校を卒業した.卒業後は事務職として就職したが,感情が不安定でしばしばトラブルを起こした.最近,些細なことで友人と喧嘩になり,激怒して大量服薬して入院となった.入院後,早期に作業療法が開始された.この患者にみられる特徴はどれか.
1.完璧主義
2.作為体験
3.衝動行為
4.脱力発作
5.振戦せん妄
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 些細なことで友人と喧嘩になり激怒して大量服薬していることから,境界性パーソナリティ障害の特徴としての感情の不安定や著しい衝動性を示している.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【14】32歳男性.統合失調症.入院後,症状が不安定で緊張が強い状態が続いている.この患者に対する作業面接で,オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ OTと患者との位置関係は90°法の斜対面の方が良い.また,患者の心理的負担を軽減するためにも逃げ道的なスペースがある方が緊張感はなく面接が進められる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【15】21歳の男性.大学生.1年前から様々な場面で不安感が出現し,急に動悸やめまいがして大量の汗をかくようになった.最近は特に理由もなく,いらいらして落ち着かず,窒息感や脱力感,抑うつ,吐き気がひどくなり,大学にも通えず日常生活にも支障が出るようになった.精神科クリニックを受診し,外来作業療法を受けることになった.この患者の作業療法場面でみられる特徴はどれか.2つ選べ.
1.演技的行動
2.呼吸促拍
3.集中困難
4.常同行動
5.連合弛緩
解答
1.× 演技的行動は境界性パーソナリティ障害の症状である.
2.○ 呼吸促拍は不安障害(パニック障害)の症状である.
3.○ 集中困難は不安障害(パニック障害)の症状である.
4.× 常同行動は広汎性発達障害、自閉症や認知症の症状である.
5.× 連合弛緩は統合失調症の症状である.
【16】16歳の男子.乳幼児健診で異常を指摘されたことはなかったが,乳幼児期,母親の後追いをせず,履いている靴がボロボロになっても他の靴では嫌だと強いこだわりをみせた.大人びた話し方をし,小学校では自分の関心事について熱中して一方的に話すために,友達から避けられるようになって孤立していた.中学校入学後は不登校になり,ゲームに熱中するようになったため,心配した母親が児童思春期専門の医療機関を受診させた.評価に用いるテストとして適切なのはどれか.
1.ASQ
2.HTP
3.WAIS-Ⅲ
4.バウムテスト
5.CAARS(Conners' Adult ADHD Rating Scales)
解答
1.○ 後追いをせず,強いこだわりと大人びた話し方から自閉症が疑われるのでASQ(Autism Screening Questionnaire)を実施する.
2.× HTP(家・樹木・人物画検査)は人格検査なので適切でない.
3.× WAIS-Ⅲは成人知能検査なので適切でない.
4.× バウムテスト(樹木画検査)は人格検査なので適切でない.
5.× CAARSは注意欠如・多動性障害のテストなので適切でない.
【17】68歳の男性.半年前から睡眠中に奇声をあげたり,気分が沈みがちになることがあった.次第に物忘れや立ちくらみ,手の震えが出現した.最近,「玄関に小人が立っている」ということが増えたため,家族に付き添われて精神科病院に入院し,作業療法が開始された.この患者にみられる特徴はどれか.2つ選べ.
1.動きが緩慢になる.
2.症状が変動しやすい.
3.毎食のメニューにこだわる.
4.周囲に対し一方的な要求をする.
5.環境からの刺激を受けても集中できる.
解答
1.○ Lewy小体型認知症は幻視,Parkinson症状,レム睡眠行動障害や症状の日内変動などが特徴的である.
2.○ Lewy小体型認知症は幻視,Parkinson症状,レム睡眠行動障害や症状の日内変動などが特徴的である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【18】16歳の女子.高校進学後から体型を笑われたように思い,極端な減量をして痩せが目立つようになった.2か月前から登校できなくなって入院治療を受けることになった.入院後,気分転換と早期の復学を目的とした作業療法が処方された.この患者に対する導入期の作業療法で最も適切なプログラムはどれか.
1.簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラム
2.柔軟な思考を得るための小集団でのプログラム
3.体力増強のための機器を用いた運動プログラム
4.調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラム
5.退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラム
解答
1.○ 導入期の作業療法では体調回復に留意し短時間でできる活動が良い.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【19】7歳の男児.幼児期から落ち着きがなく,一つのおもちゃで遊べないなどの行動があった.小学校入学後,長時間椅子に座れない,順番を待てない,注意散漫などの問題行動があり,外来作業療法を受けることになった.作業療法では,次第に活動に継続して取り組めるようになってきたが,協調動作が必要な作業は苦手である.知能検査では知的障害は認められなかった.作業療法を行う上での留意点として適切なのはどれか.
1.複数の課題を同時に提示する.
2.順番が守れない場合は厳しく注意する.
3.周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める.
4.数週間継続して取り組める連続課題を実施する.
5.作業台の上にいろいろな道具や材料を揃えておく.
解答
1.× 注意散漫なので複数課題の同時提示は適切でない.
2.× 厳しい叱責をしてしまうと衝動性がみられるため適切でない.
3.○ 正しい.
4.× 次第に活動に継続して取り組めるようになってきた段階なので,数週間継続して取り組める連続課題は適切でない.
5.× 注意散漫なので作業台の上には必要に応じて道具や材料を準備する.
【20】35歳の男性.母親と2人暮らし.大学卒業後に就職した.統合失調症を発症したために退職し,精神科に外来通院しながら自閉的な生活をしていた.主に家事を行っていた母親が体調を崩したために同居生活が困難となり,精神科に入院した.入院6か月で自宅退院となり,母親の負担軽減のために日中の家事援助を受けることになった.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に規定されるサービスの中でこの患者が利用できるのはどれか.
1.共同生活援助
2.居宅介護(ホームヘルプ)
3.重度訪問介護
4.短期入所(ショートステイ)
5.同行援護
解答
1.× 共同生活援助は居住場所があるため利用不可である.
2.○ 居宅介護(ホームヘルプ)は日常生活の支援として利用可能である.
3.× 重度訪問介護は本人の介護が必要ないため利用不可である.
4.× 短期入所(ショートステイ)は本人の介護が必要ないため利用不可である.
5.× 同行援護は本人の介護が必要ないため利用不可である.
【21】ICFで正しいのはどれか.
1.ICD-10と相互補完的な関係がある.
2.社会経済的要因による健康を範囲とする.
3.2015年に世界保健機関で承認されている.
4.生活機能は個人因子と環境因子が含まれる.
5.生活機能の肯定的側面を表すことはできない.
解答
1.○ 正しい.
2.× 社会経済的要因による健康は範囲としない.
3.× 2001年に世界保健機関で承認されている.
4.× 背景因子に個人因子と環境因子が含まれる.
5.× 構成要素は肯定的・否定的側面の両方を表すことができる.
【22】感度・特異度について正しいのはどれか.
1.血液検査は特異度が高い.
2.感度が高いと見落としが多い.
3.特異度が高いと過剰診断が少ない.
4.信頼区間が広いと再現性が高くなる.
5.感度の高い検査としてエックス線による肺がんの発見がある.
解答
1.× 血液検査は感度が高い.
2.× 感度が高いと見落としが少ない.
3.○ 正しい.
4.× 信頼区間が広いと再現性が低くなる.
5.× 感度を高めるための検査としてエックス線に加えて細胞・組織診断よる肺がんの発見がある.
【23】作業療法における効果判定について正しいのはどれか.
1.再評価は異なる尺度で行う.
2.自然回復の影響は考慮しない.
3.可能な限り質的なデータで示す.
4.結果の前後比較のみで判断する.
5.プログラム再検討の判断材料とする.
解答
1.× 再評価は同じ尺度で行う.
2.× 自然回復の影響は考慮する.
3.× 可能な限り量的なデータで示す.
4.× 結果の前後比較と実施内容で判断する.
5.○ 正しい.
【24】作業分析の目標として適切でないのはどれか.
1.治療手段としての作業を体系的に理解する.
2.治療過程を段階づける.
3.作業の材料,道具を分類する.
4.作業遂行に必要な患者の能力を明確にする.
5.作業実施の環境因子を明確にする.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 作業の材料,道具を分類は作業分析の目標として適切でない.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【25】栄養評価に適した項目はどれか.2つ選べ.
1.体重
2.血糖値
3.前腕周囲径
4.上腕三頭筋筋力
5.血清アルブミン値
解答
1.○ 体重・BMIが栄養評価に適した項目である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 血清アルブミン値・血中コレステロール値・血中ヘモグロビン値などが栄養評価に適した項目である.
【26】身長170cm,体重60kgの人のBMIで正しいのはどれか.ただし,値は小数点以下第1位を四捨五入するものとする.
1.15
2.17
3.19
4.21
5.23
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ BMI = 60/(1.7)² = 20.7 ≒ 21
5.× 誤り.
【27】カーテン徴候が陽性の場合,嚥下が障害される期はどれか.
1.先行期
2.準備期
3.口腔期
4.咽頭期
5.食道期
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ カーテン徴候は舌咽・迷走神経障害による口蓋・咽頭筋麻痺により生じるので咽頭期が障害される.
5.× 誤り.
【28】上肢の形態計測と方法の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ.
1.上腕周径 ――― 上腕の最大周径の長さ
2.上肢長 ――― 肩峰から中指先端までの長さ
3.前腕長 ――― 肘関節中央部から手関節中央部までの長さ
4.手長 ――― 三角骨と大菱形骨を結ぶ線の中点から中指先端までの長さ
5.手厚 ――― 第1中手指節関節部での手背面から手掌面までの直線距離
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 前腕長 ――― 上腕骨外側上顆から橈骨茎状突点までの長さ
4.× 手長 ――― 橈骨と尺骨の茎状突起を結ぶ線の中点から中指先端までの長さ
5.× 手厚 ――― 第3中手指節関節部での手背面から手掌面までの直線距離
【29】評価法と障害の組合せで正しいのはどれか.
1.BADS ――― 気分障害
2.MMPI ――― 注意障害
3.POMS ――― 視知覚障害
4.SPTA ――― 記憶障害
5.WCST ――― 遂行機能障害
解答
1.× BADS ――― 遂行機能障害
2.× MMPI ――― 人格障害
3.× POMS ――― 気分障害
4.× SPTA ――― 標準高次動作性検査
5.○ 正しい.
【30】日常生活活動の評価で自記式の評価法はどれか.
1.PULSES
2.Barthel Index
3.老研式活動能力指標
4.障害老人の日常生活自立度判定基準
5.Katz Activities of Daily Living Index
解答
1.× PULSESは他記式である.
2.× Barthel Indexは他記式である.
3.○ 正しい.
4.× 障害老人の日常生活自立度判定基準は他記式である.
5.× Katz Activities of Daily Living Indexは他記式である.
【31】関節リウマチの手指にみられる変形のうち,足指にもみられるのはどれか.
1.Z変形
2.マレット指
3.ボタン穴変形
4.オペラグラス変形
5.スワンネック変形
解答
1.× Z変形は母指にみられる変形である.
2.○ 正しい.
3.× ボタン穴変形は手指にみられる変形である.
4.× オペラグラス変形は手指にみられる変形である.
5.× スワンネック変形は手指にみられる変形である.
【32】Perthes病で正しいのはどれか.
1.男児に多い.
2.好発年齢は2~3歳である.
3.両側性が約50%に認められる.
4.大腿骨遠位骨端部の阻血性壊死をきたす.
5.発症初期のエックス線像の変化は顕著である.
解答
1.○ 正しい.
2.× 好発年齢は6~7歳である.
3.× 両側性が約15~20%に認められる.
4.× 大腿骨近位骨端部の阻血性壊死をきたす.
5.× 発症初期のエックス線像の変化は顕著でない.
【33】視覚失認について正しいのはどれか.
1.相貌失認は表情の認知は可能である.
2.純粋失読は指でなぞると読むことができる.
3.同時失認は個々の物体や人間の認識ができない.
4.色彩失認は同じ色のものを選ぶことが困難である.
5.視覚性物体失認は優位半球前頭葉の障害により生じる.
解答
1.× 相貌失認は表情の認知は不可能である.
2.○ 正しい.
3.× 同時失認は個々の物体や人間の認識ができる.
4.× 色彩失認は同じ色のものを選ぶことはできる.
5.× 視覚性物体失認は優位半球後頭葉から側頭葉の障害(側頭葉紡錘状回)により生じる.
【34】皮膚筋炎について正しいのはどれか.
1.男性に多い.
2.胸腺腫を合併する.
3.赤沈は亢進しない.
4.嚥下障害はきたさない.
5.近位筋優位の筋力低下をきたす.
解答
1.× 女性に多い.
2.× 悪性腫瘍を合併する.
3.× 赤沈は亢進する.
4.× 嚥下障害をきたす.
5.○ 正しい.
【35】治療法と対象の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ.
1.Frenkel体操 ――― 脊髄性失調
2.Codman体操 ――― 腰痛症
3.漸増抵抗運動 ――― 痙縮
4.Williams体操 ――― 下肢閉塞性動脈硬化症
5.ミラーセラピー ――― 幻肢痛
解答
1.○ 正しい.
2.× Codman体操 ――― 五十肩
3.× 漸増抵抗運動 ――― 筋力増強運動
4.× Williams体操 ――― 症腰痛症
5.○ 正しい.
【36】全般性注意障害のある左片麻痺患者に対する動作指導について正しいのはどれか.
1.複数の方法を指導する.
2.一連の動作を一度に指導する.
3.外乱が少ない環境から開始する.
4.動作の誤りは口頭指示のみで修正する.
5.動作の誤りは何度も繰り返し修正する.
解答
1.× 単一の方法で指導する.
2.× 一連の動作を分割して指導する.
3.○ 正しい.
4.× 動作の誤りは口頭・動作指示などわかりやすい刺激で修正する.
5.× 誤りの生じにくい動作練習を実施する.
【37】廃用症候群における症状と治療の組合せで正しいのはどれか.
1.筋萎縮 ――― 装具固定
2.骨萎縮 ――― 機能的電気刺激
3.下腿浮腫 ――― 安静保持
4.起立性低血圧 ――― 塩分制限
5.深部静脈血栓症 ――― 抗凝固療法
解答
1.× 筋萎縮に装具固定は萎縮を増悪させるため適切でない.
2.× 骨萎縮に機能的電気刺激は適応しない.
3.× 下腿浮腫に安静保持は浮腫を増悪させるため適切でない.
4.× 起立性低血圧に塩分制限は適応しない.
5.○ 正しい.
【38】手背の熱傷に対する急性期のスプリントの関節角度で正しいのはどれか.
1.手関節屈曲30度
2.MP関節屈曲50度
3.PIP関節屈曲60度
4.DIP関節屈曲30度
5.母指橈側外転60度
解答
1.× 手関節背屈30度
2.○ 正しい.
3.× PIP関節伸展位
4.× DIP関節伸展位
5.× 母指掌側外転60度
【39】中央値の説明として正しいのはどれか.
1.データの最大値から最小値を引いた値
2.全データの中で最もデータ数が多い値
3.データの総和をデータの個数で割った値
4.データの値を小さい順に並べ変えたとき,真ん中に位置する値
5.各データから平均値を引いたものを2乗した総和をデータの個数で割った値
解答
1.× データの最大値から最小値を引いた値はレンジである.
2.× 全データの中で最もデータ数が多い値は最頻値である.
3.× データの総和をデータの個数で割った値は平均値である.
4.○ 正しい.
5.× 各データから平均値を引いたものを2乗した総和をデータの個数で割った値は分散である.
【40】認知症のBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)の評価尺度はどれか.
1.ADAS
2.CDR
3.MMSE
4.NPI
5.PSMS
解答
1.× ADASはアルツハイマー型認知症の認知機能検査である.
2.× CDRは認知症の重症度評価である.
3.× MMSEは認知機能評価である
4.○ 正しい
5.× PSMSはADL評価である.
【41】職場の作業に近い13種類の課題から構成される職業評価はどれか.
1.内田クレペリン精神検査
2.GABT
3.障害者用就職レディネス・チェックリスト
4.マイクロタワー法
5.MODAPTS
解答
1.× 内田クレペリン精神検査は簡単な一桁の足し算を行い,受検者の能力,性格や行動面の特徴を測る心理検査である.
2.× GABTは9項目(①知的能力,②言語能力,③数理能力,④書記的知覚,⑤空間判断力,⑥形態知覚,⑦運動共応,⑧指先の器用さ,⑨手腕の器用さ)からなる一般職業適性検査である.
3.× 障害者用就職レディネス・チェックリストは,興味・自信からパーソナリティを探る自己理解のための職業興味検査である.
4.○ マイクロタワー法では5領域13のワークサンプルを用いて評価する.
5.× MODAPTSは作業能力評価(作業動作時間測定法)である.
【42】統合失調症に対する作業療法で,ICFの構成要素の「活動」に分類されるのはどれか.
1.認知の機能
2.社会生活技能
3.思考機能の統合
4.社会からの隔離
5.生物学的なストレス脆弱性
解答
1.× 認知の機能は「心身機能」に含まれる.
2.○ 正しい.
3.× 思考機能の統合は「心身機能」に含まれる.
4.× 社会からの隔離は「環境因子」に含まれる.
5.× 生物学的なストレス脆弱性は「心身機能」に含まれる.
【43】てんかんについて正しいのはどれか.
1.不眠はてんかん発作を誘発しやすい.
2.重症度の評価に知能テストが有効である.
3.てんかん発作時には意識障害が必発である.
4.West症候群の発症のピークは3~5歳である.
5.特発性てんかんは明らかな脳器質性の原因が認められる.
解答
1.○ 正しい.
2.× 知能テストはてんかんの重症度の評価に有効でない.
3.× てんかん発作時の意識障害は必発でない.
4.× West症候群の発症のピークは4~7か月である.
5.× 症候性てんかんは明らかな脳器質性の原因が認められる.
【44】前頭側頭型認知症の初期症状はどれか.
1.失禁がある.
2.着替えができない.
3.物忘れが多くなる.
4.買い物から帰れない.
5.自分本位にふるまう.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 前頭側頭型認知症の症状は,性格変化,社会性欠如(身だしなみの乱れ,無礼な行動,万引きなど),抑制障害,常同行動などがみられる.病状が進行すると意欲・活動性が低下するため,初期の行動障害は見られなくなることが多い.
【45】躁病相の初期評価時に得るべき情報として適切でないのはどれか.
1.問題行動に対する本人の捉え方
2.本人が社会で担ってきた役割
3.処方されている薬物
4.睡眠の状態
5.併存疾患
解答
1.× 問題行動に対する本人の捉え方は,躁病相の回復期以降に得るべき情報である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【46】回復初期のうつ病患者への作業療法で正しいのはどれか.
1.指示は詳細に行う.
2.自己決定の経験を促す.
3.励ましながら活動を行う.
4.1回の活動時間は短くする.
5.長期間継続できる作業を勧める.
解答
1.× 詳細に指示を行うと患者のペースを損ねる可能性があるので適切でない.
2.× 重要な決定や自己決定は先送りする.
3.× 安易な励ましや賞賛となる言動は慎む.
4.○ 正しい
5.× 短い工程の作業を勧める.
【47】パニック障害に対する作業療法導入初期の作業療法士の対応で適切なのはどれか.
1.リラクセーションを練習する.
2.集団作業療法で役割を持たせる.
3.作業活動を通して自己洞察を促す.
4.スポーツ活動で体力の向上を促す.
5.パニック発作の不安がある場合は作業療法を中止する.
解答
1.○ パニック障害に対する作業療法導入初期は,リラクセーション方法,不安への対処能力,症状への対処方法などの獲得が重要である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【48】ギャンブル障害(病的賭博)について誤っているのはどれか.
1.女性に多い.
2.反復性である.
3.患者の利益を損なう.
4.合理的な動機を欠いている.
5.統制できない衝動に関連する.
解答
1.× ギャンブル障害(病的賭博)は男性が圧倒的に多い.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【49】作業療法実践時の標準的な感染症予防策として正しいのはどれか.
1.機器や道具の消毒は1日1回行う.
2.屋外での作業療法活動では感染予防は必要ない.
3.活動中は作業療法室内の湿度を40%以下に保つ.
4.手洗いは抗菌性の石鹸を使用し5秒程度洗浄する.
5.活動中に患者が出血した場合は手袋をして対処する.
解答
1.× 機器や道具の消毒は都度行う.
2.× 屋外での作業療法活動でも感染予防は必要である.
3.× 活動中は作業療法室内の湿度を40%以上に保つ.
4.× 手洗いは抗菌性の石鹸を使用し20秒程度洗浄する.
5.○ 正しい.
【50】個人情報保護の観点から,事例報告における記載内容と記載方法の組合せで正しいのはどれか.
1.患者氏名 ――― K.R
2.生年月日 ――― 1970年12月1日
3.年齢 ――― 50歳代前半
4.現住所 ――― 東京都千代田区霞が関1-2-2
5.職業 ――― 公務員(厚生労働省勤務)
解答
1.× 患者氏名のイニシャルの使用は適切でない.
2.× 生年月日の使用は適切でない.
3.○ 正しい.
4.× 現住所の記載は適切でない.
5.× 職場が分かるような記載は適切でない.