第56回理学療法士国家試験 午後1~50

【1】正常な小児の背臥位からの立ち上がりプロセスを図に示す.このプロセスを辿る月齢はどれか. 

1.8か月
2.13か月
3.24か月
4.30か月
5.60か月

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 体幹を回旋せず対称的に座位,立位に起き上がれるようになるのは60か月である.


【2】72歳の女性.心原性脳梗塞.入院時,血圧145/78mmHg,心拍数102/分,GCS E4V5M6,Brunnstrom法ステージ左上肢Ⅱ,左下肢Ⅱ,左上下肢筋緊張低下.入院時のMRIを示す.翌日に理学療法を行う場合,離床練習を中止すべき所見はどれか. 

1.心拍数105/分
2.GCS E2V2M5
3.血圧160/72mmHg
4.左上下肢筋緊張軽度亢進
5.Brunnstrom法ステージ左上肢Ⅲ,左下肢Ⅲ

解答

1.× 心拍数120/分以上で離床練習を中止する.
2.○ GCS E2V2M5は意識状態が悪化しているため,離床練習を中止する.
3.× 収縮期血圧が200mmHg以上で離床練習を中止する.
4.× Brunnstrom法ステージⅡにおける上下肢筋緊張軽度亢進は問題がないため,離床練習を行う.
5.× Brunnstrom法ステージ左上肢Ⅲ,左下肢Ⅲの場合,麻痺の回復がみられており,問題がないため離床練習を行う.


【3】関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準による)の基本軸と移動軸で正しいのはどれか.2つ選べ. 

1.肩水平屈曲
2.胸腰部側屈
3.股外旋
4.手伸展(背屈)
5.母指橈側外転

解答

1.× 肩水平屈曲の基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 手伸展(背屈)の基本軸は橈骨,移動軸は第2中手骨である.
5.× 母指橈側外転の基本軸は示指(橈骨の延長上),移動軸は母指である.


【4】理学療法士が下肢を固定し,体幹の前屈を行わせた状態を図1に示す.次に図2のように固定位置を変更して体幹前屈を行わせたところ,体幹前傾角度に違いがみられた.この違いが生じた原因として,最も筋力低下が疑われる筋はどれか. 

1.腹直筋
2.腸腰筋
3.大腿四頭筋
4.ハムストリングス
5.前脛骨筋

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 下肢の固定位置を足部から大腿部に変えると起き上がれることから,大腿四頭筋による股関節屈曲筋力低下が疑われる.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【5】56歳の男性.頭痛と複視を自覚し脳神経外科を受診した.頭部MRIで右脳幹部に腫瘍性病変を指摘された.対座法で観察した眼球運動を図に示す.障害されている脳神経はどれか. 

1.右動眼神経のみ
2.右滑車神経のみ
3.右外転神経のみ
4.右動眼神経と右滑車神経
5.右動眼神経と右外転神経

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 右目の右方視が障害されているため,右外転神経の障害である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【6】57歳の男性.脳出血による左片麻痺.Brunnstrom法ステージ下肢Ⅲ.左下腿三頭筋のMAS〈modified Ashworth scale〉は2.平行棒内歩行時に左下肢の踵接地はみられず,内反尖足となる.また,左下肢立脚中期に膝のロッキングを認める.そこでダブルクレンザック(ロッド式)短下肢装具を作製した.誤っているのはどれか. 
1.下腿半月の上縁の位置:腓骨頭
2.下腿半月の幅:4cm
3.下腿中央部における支柱と皮膚との距離:5mm
4.足継手の位置:内果下端と外果中央を結ぶ線
5.足関節の角度:底屈0°

解答

1.× 下腿半月の上縁の位置:腓骨頭より2~3cm下
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.


【7】20歳の女性.転倒して左下腿骨骨折後,変形治癒となりその後手術が行われた.手術後翌日の単純エックス線を示す.この患者に対する運動療法で正しいのはどれか. 

1.CPMを手術後1週から行う.
2.下肢伸展挙上運動を手術後1日から行う.
3.足関節の自動運動を手術後2週から行う.
4.大腿四頭筋セッティングを手術後1週から行う.
5.椅子座位での大腿四頭筋訓練(レッグエクステンション)を手術後1日から行う.

解答

1.× CPMを手術後1日から行う.
2.○ 正しい.
3.× 足関節の自動運動を手術後1日から行う.
4.× 大腿四頭筋セッティングを手術後1日から行う.
5.× 椅子座位での大腿四頭筋訓練(レッグエクステンション)を手術後2週から行う.


【8】極超短波治療の図を示す.aに対するbの照射強度はどれか.

1.約0.2倍
2.約0.7倍
3.約1.4倍
4.約2.8倍
5.約5.6倍

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ ①逆二乗の法則:距離の2乗に反比例=4,②ランバートの法則:cos45°=0.71,よって4×0.71=2.84≒2.8
5.× 誤り.


【9】22歳の女性.重量物を持ち上げたことにより腰痛が出現し,翌日腰部筋筋膜炎と診断された.この患者に対する超音波治療で正しいのはどれか. 
1.強度を3.0W/cm²とする.
2.周波数を1MHzとする.
3.照射時間率を100%とする.
4.導子を皮膚面から5cm離す.
5.ビーム不均等率〈BNR〉6の導子を固定法で使用する.

解答

1.× 強度を0.5~1.0W/cm²とする.
2.○ 正しい.
3.× 照射時間率を10~20%とする.
4.× 皮膚面にカップリング剤をぬり,導子を密着させる.
5.× ビーム不均等率〈BNR〉6の導子を移動法で使用する.


【10】8歳の男児.転倒して橈骨遠位端骨折と診断され,6週間のギプス固定が行われた.固定除去後,関節可動域制限と筋力低下を認めた.物理療法で適切なのはどれか. 
1.機能的電気刺激
2.極超短波
3.超音波
4.紫外線
5.渦流浴

解答

1.× 機能的電気刺激は関節可動域改善・筋力増強効果がない.
2.× 極超短波の骨端線への照射は禁忌である.
3.× 超音波の骨端線への照射は禁忌である.
4.× 紫外線は関節可動域改善・筋力増強効果がない.
5.○ 正しい.


【11】60歳の男性.2型糖尿病.身長170cm,体重90kg.心肺運動負荷試験を行ったところ最高酸素摂取量が2,625mL/分であり,この60%相当の運動強度を処方された.METsで適切なのはどれか. 
1.8METs
2.7METs
3.6METs
4.5METs
5.4METs

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 2,625mL/min÷90kg×0.6÷3.5mLO₂/min/kg=5METs
5.× 誤り.


【12】運動失調が認められる患者に対し,体幹回旋筋の同時収縮による座位姿勢安定性向上を目的として,図に示す運動を行った.この運動はどれか. 

1.コントラクト・リラックス〈contract-relax〉
2.スローリバーサル
3.ホールド・リラックス
4.リズミック・スタビリゼーション
5.リピーテッドコントラクション〈repeated contraction〉

解答

1.× コントラクト・リラックスはわずかな回旋運動のもを伴う最大等張性収縮を利用し,可動域を増大させる.
2.× スローリバーサルは拮抗筋の随意収縮直後に主動作筋の興奮性が増大することを利用し,筋力増強・協調性向上・持久力向上させる.
3.× ホールド・リラックスは2~3秒の最大等張性収縮直後に力を抜きリラクゼーションを得ることで可動域を拡大させる.
4.○ 正しい.
5.× リピーテッドコントラクション〈反復収縮〉は促通パターンを用いて片側方向のみの運動を繰り返し行い,筋力増強・協調性向上させる.


【13】70歳の女性.両側変形性膝関節症.外来通院中である.自宅におけるADLは,FIMによる評価で,2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが,それ以外は補助具を使用せずに自立していた.コミュニケーション(理解,表出)や社会的認知(社会的交流,問題解決,記憶)は問題ない.FIMの点数はどれか. 
1.100
2.112
3.120
4.124
5.126

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 2項目で修正自立(6点)であるため,126-2=124点
5.× 誤り.


【14】87歳の女性.転倒して左股関節痛を訴え,入院となった.受傷後2日目に後方侵入法で手術を受けた.術後のエックス線写真を示す.正しいのはどれか. 

1.臥床時には股関節を内転位に保つ.
2.靴下の着脱は股関節外旋位で行う.
3.術後1週から大腿四頭筋セッティングを開始する.
4.術後2週から中殿筋の筋力トレーニングを開始する.
5.術後3か月は免荷とする.

解答

1.× 人工骨頭置換術後は臥床時には股関節を外転位に保つ.
2.○ 正しい.
3.× 人工骨頭置換術翌日から大腿四頭筋セッティングを開始する.
4.× 人工骨頭置換術後2日から中殿筋の筋力トレーニングを開始する.
5.× 人工骨頭置換術後2日から疼痛自制内にて部分荷重を行う.


【15】32歳の男性.筋強直性ジストロフィー.手指を強く握ると筋強直のために開くのに時間がかかる.側頭部と頬部の筋萎縮と閉口障害を認める.筋力はMMTで頸部2,肩関節周囲2,肘関節周囲2,手指3,股関節周囲2,膝関節周囲2,足関節周囲1で,立位になればかろうじて短距離歩行可能である.労作時に動悸や呼吸苦の自覚はなく,SpO₂の低下を認めない.正しいのはどれか. 
1.ROM運動は筋強直に抵抗して行う.
2.食事は咀嚼回数を減らす形態にする.
3.等尺性収縮による筋力増強は行わない.
4.アンビューバックを活用した呼吸練習を行う.
5.下肢装着型の補助ロボット導入は有効でない.

解答

1.× ROM運動は筋強直に抵抗せず,愛護的に行う.
2.○ 正しい.
3.× 過負荷にならない程度に等尺性収縮による筋力増強を行う.
4.× 呼吸機能が保たれているため,アンビューバックを活用した呼吸練習を行うには時期尚早である.
5.× 下肢装着型の補助ロボット導入は有効である.


【16】8歳の男児.脳性麻痺による痙直型四肢麻痺.背臥位姿勢と引き起こし時に図のように対応する.この児の車椅子の設定として適切なのはどれか. 

1.座面を床面と平行にする.
2.平面形状の座面を使用する.
3.胸と骨盤をベルト固定する.
4.背もたれの高さは肩までとする.
5.背もたれの角度は床面と垂直に固定する.

解答

1.× 座面は前方をやや高くし傾斜をつけて,股関節屈曲位を保ち,後弓姿勢を抑制する.
2.× 姿勢が安定するよう患児に合わせた座面を使用する.
3.○ 正しい.
4.× 頸部のコントロールが悪いため,ヘッドレストをつける.
5.× リクライニング式にする.


【17】42歳の男性.気管支喘息.ある薬物の吸入療法前後のフローボリューム曲線の変化を図に示す.この薬物によって生じた呼吸器系の変化として正しいのはどれか. 

1.気道抵抗の低下
2.呼気筋力の増強
3.肺拡散能の改善
4.胸郭柔軟性の改善
5.肺コンプライアンスの増加

解答

1.○ ピークフローが改善しているため,気道抵抗の低下したと考える.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【18】80歳の女性.夫と2人暮らし.認知症があり,MMSEは13点.自宅にて転倒し,救急搬送され大腿骨頸部骨折と診断されて人工骨頭置換術が行われた.その後,回復期リハビリテーション病棟へ転棟し,理学療法を開始したが消極的である.理学療法中の患者の訴えへの返答で適切なのはどれか.※患者の訴え ――― 理学療法士の返答 

1.「あなたのお名前は?」と繰り返し聞かれた ――― 「さっきも答えましたよ」
2.「今すぐ帰りたい」と繰り返し訴えた ――― 「帰りたいのですね」
3.関節可動域運動中に術部に痛みを訴えた ――― 「我慢してください」
4.「今日はやりたくない」と強く訴えた ――― 「やらないと歩けなくなりますよ」
5.「財布を盗られた」と訴えた ――― 「財布は持ってきてはいけませんよ」

解答

1.× 誤り.
2.○ 「帰りたいのですね」:共感的態度
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【19】74歳の女性.6か月前に左被殻出血を発症して,軽度の右片麻痺を呈している.くしを歯ブラシのように使おうとしたり,スプーンの柄に食物を乗せようとする行動がみられた.この患者の症状はどれか. 
1.観念失行
2.構成失行
3.着衣失行
4.観念運動失行
5.肢節運動失行

解答

1.○ 正しい.
2.× 構成失行は三次元の構成的課題が上手く達成できない状態である.
3.× 着衣失行は衣服を正しく着たり脱いだりできない状態である.
4.× 観念運動失行は指示されたジェスチャーができない状態である.
5.× 肢節運動失行は手と指による動作があらゆる場面で不器用,拙劣となる状態である.


【20】80歳の女性.脳血管障害発症後5年,要介護2.杖歩行は自立しているが,転倒予防を目的に通所リハビリテーションでの理学療法が開始された.転倒リスクの評価として適切なのはどれか. 
1.FBS
2.KPS〈Karnofsky performance scale 〉
3.PGCモラールスケール
4.SIAS
5.WCST

解答

1.○ 正しい.
2.× KPS〈Karnofsky performance scale 〉はがん患者の身体機能評価尺度である.
3.× PGCモラールスケールはQOLの評価尺度である.
4.× SIASは脳卒中片麻痺の機能評価法である.
5.× WCSTは前頭葉機能検査である.


【21】ICFで正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.各構成要素は相互に関連している.
2.障害を有した人のみが対象である.
3.ICFコアセットでは全コードを評価する.
4.ライフスタイルは環境因子の1つである.
5.活動と参加の第一評価点は実行状況を表す.

解答

1.○ 正しい.
2.× ICFはすべての人が対象である.
3.× ICFコアセットはICFの全体版から選択された項目を評価する.
4.× ライフスタイルは個人因子の1つである.
5.○ 正しい.


【22】対応がなく正規分布を示さない連続変数の3群間の差を検討するのに用いるのはどれか. 
1.相関分析
2.分散分析
3.Paired-t検定
4.Kruskal-Wallis検定
5.Mann-WhitneyのU検定

解答

1.× 相関分析:yとxの2変数がどれくらい直線づけられるかを検定する.
2.× 分散分析:正規分布を示す連続変数の3群以上の差を検定する.
3.× Paired-t検定:対応があり正規分布を示す連続変数の2群間の差を検定する.
4.○ 正しい.
5.× Mann-WhitneyのU検定:対応のない正規分布を示さない連続変数の2群間の差を検定する.


【23】随意運動について正しいのはどれか. 
1.γ運動ニューロンは,随意的な筋収縮の命令を直接筋肉に伝える.
2.一次運動野では,巧緻な動きを必要とする手の領域が小さい.
3.Betzの巨大錐体細胞は,補足運動野のⅤ層に存在する.
4.小脳は,運動をスムーズにする役割を担っている.
5.放線冠の障害で,錐体外路症状が出現する.

解答

1.× α運動ニューロンは,随意的な筋収縮の命令を直接筋肉に伝える.
2.× 一次運動野では,巧緻な動きを必要とする手の領域が大きい.
3.× Betzの巨大錐体細胞は,運動野のⅤ層に存在する.
4.○ 正しい.
5.× 放線冠の障害で,錐体路症状が出現する.


【24】正常な歩行周期とその説明の組合せで正しいのはどれか. 
1.右立脚中期 ――― 右踵接地から左爪先離地まで
2.右立脚終期 ――― 左踵離地から右踵離地まで
3.右前遊脚期 ――― 左踵接地から右爪先離地まで
4.右遊脚中期 ――― 右爪先離地から右足部が左下腿部を通過するまで
5.右遊脚終期 ――― 右足部が左下腿部を通過してから右下腿が垂直になるまで

解答

1.× 右立脚中期 ――― 左爪先離地から右踵離地まで
2.× 右立脚終期 ――― 右踵離地から左踵接地まで
3.○ 正しい.
4.× 右遊脚中期 ――― 右足部が股関節の真下にあるところから右下腿が垂直になるまで
5.× 右遊脚終期 ――― 右下腿が垂直になってから右踵接地まで


【25】CRPS〈複合性局所疼痛症候群〉のtypeⅠに認められずtypeⅡに認められるのはどれか. 
1.骨萎縮
2.痛覚過敏
3.発汗異常
4.皮膚温異常
5.末梢神経伝導検査異常

解答

1.× 骨萎縮はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
2.× 痛覚過敏はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
3.× 発汗異常はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
4.× 皮膚温異常はCRPSのtypeⅠ・typeⅡ共に認められる.
5.○ 正しい.


【26】8つの下位尺度で構成されているQOL評価はどれか. 
1.TMT
2.SF-36
3.Katz Index
4.ESCROW Profile
5.老研式活動能力指標

解答

1.× TMTは注意機能の評価である.
2.○ 正しい.
3.× Katz Indexは6大項目からなるADL評価である.
4.× ESCROW Profileは6項目で構成されるADLの評価である.
5.× 老研式活動能力指標は13項目の生活機能アセスメント表である.


【27】四肢の周径測定法として正しいのはどれか. 
1.記録は1cm単位とする.
2.メジャーは皮膚に密着させる.
3.寒い時期は着衣の上から測定する.
4.大腿周径の測定時には,膝関節を45°屈曲位とする.
5.下腿周径の測定時には,下腿後面をベッドに密着させる.

解答

1.× 四肢の周径測定法の記録は0.5cm単位とする.
2.○ 正しい.
3.× 四肢の周径測定時は寒い時期でも原則として脱衣で測定する.
4.× 大腿周径の測定時には膝関節伸展位とする.
5.× 下腿周径の測定時には下腿後面をベッドに密着させない.


【28】膝関節伸展位で足背屈の関節可動域測定をしたところ,可動域制限が認められた.次に,膝関節屈曲位で測定したところ可動域制限は認められなかった.短縮している筋はどれか. 
1.大腿直筋
2.大腿二頭筋長頭
3.半膜様筋
4.腓腹筋
5.ヒラメ筋

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 二関節筋である腓腹筋の短縮が考えられる.
5.× 誤り.


【29】反復拮抗運動障害の検査法はどれか. 
1.線引き試験
2.継ぎ足歩行
3.片足立ち検査
4.示指-耳朶試験
5.前腕回内外試験

解答

1.× 線引き試験は測定異常の検査法である.
2.× 継ぎ足歩行は協調性障害の検査法である.
3.× 片足立ち検査は協調性障害の検査法である.
4.× 示指-耳朶試験は運動分解と測定異常の検査法である.
5.○ 正しい.


【30】歩行障害とその原因の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.frozen gait ――― 小脳性運動失調
2.scissors gait ――― パーキンソニズム
3.steppage gait ――― 総腓骨神経麻痺
4.waddling gait ――― 下肢帯の筋力低下
5.wide-based gait ――― 両下肢の痙縮

解答

1.× frozen gait ――― パーキンソニズム
2.× scissors gait ――― 両下肢の痙縮
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× wide-based gait ――― 小脳性運動失調


【31】IADLに含まれるのはどれか.2つ選べ. 
1.家計管理
2.更衣
3.洗濯
4.入浴
5.排泄

解答

1.○ 正しい.
2.× 更衣は基本的ADLに含まれる.
3.○ 正しい.
4.× 入浴は基本的ADLに含まれる.
5.× 排泄は基本的ADLに含まれる.


【32】松葉杖歩行を行うために必要な機能と上肢の筋との組合せで正しいのはどれか. 
1.体重支持 ――― 上腕二頭筋
2.握り手の把持 ――― 橈側手根伸筋
3.脇当ての固定 ――― 大胸筋
4.松葉杖の前方への振り出し ――― 肩甲下筋
5.握り手を握ったときの手関節の固定 ――― 浅指屈筋

解答

1.× 体重支持 ――― 上腕三頭筋
2.× 握り手の把持 ――― 浅指屈筋
3.○ 正しい.
4.× 松葉杖の前方への振り出し ――― 三角筋
5.× 握り手を握ったときの手関節の固定 ――― 橈側手根伸筋


【33】脳血管障害の片麻痺について正しいのはどれか. 
1.四肢の遠位部と比べて四肢の近位部の回復が遅れることが多い.
2.上肢の麻痺と比べて下肢の麻痺の回復が遅れることが多い.
3.上肢に痙縮があると肘関節が屈曲することが多い.
4.共同運動が出現した後に連合反応が出現する.
5.発症直後は筋緊張が高まることが多い.

解答

1.× 四肢の近位部と比べて四肢の遠位部の回復が遅れることが多い.
2.× 下肢の麻痺と比べて上肢の麻痺の回復が遅れることが多い.
3.○ 正しい.
4.× 連合反応が出現した後に共同運動が出現する.
5.× 発症直後は筋緊張が低下していることが多い.


【34】脊髄性運動失調症でみられるのはどれか. 
1.折りたたみナイフ現象
2.断綴性発語
3.羽ばたき振戦
4.酩酊歩行
5.Romberg徴候陽性

解答

1.× 折りたたみナイフ現象は錐体路障害でみられる.
2.× 断綴性発語は小脳性運動失調症でみられる.
3.× 羽ばたき振戦は肝性脳症でみられる.
4.× 酩酊歩行は小脳性運動失調症でみられる.
5.○ 正しい.


【35】Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか. 
1.四肢の深部腱反射が亢進する.
2.欧米に比べて日本では軸索型が多い.
3.脳神経症状がみられるのは5%以下である.
4.先行感染から24時間以内に神経症状が出現する.
5.約90%の症例で神経症状のピークは1週間以内である.

解答

1.× Guillain-Barré症候群では四肢の深部腱反射が低下する.
2.○ 正しい.
3.× Guillain-Barré症候群で脳神経症状がみられるのは約50%である.
4.× Guillain-Barré症候群は先行感染から1~4週間後に神経症状が出現する.
5.× Guillain-Barré症候群では約90%の症例で神経症状のピークは4週間以内である.


【36】僧帽弁閉鎖不全症による心不全で初期からみられるのはどれか. 
1.肝脾腫
2.高血圧
3.下腿浮腫
4.呼吸困難
5.頸静脈怒張

解答

1.× 肝脾腫は右心不全でみられる.
2.× 高血圧は心不全の症状でない.
3.× 下腿浮腫は右心不全でみられる.
4.○ 正しい.
5.× 頸静脈怒張は右心不全でみられる.


【37】関節可動域の改善を主な目的とするのはどれか.2つ選べ. 
1.Böhler体操
2.Buerger-Allen体操
3.Codman体操
4.Frenkel体操
5.McKenzie体操

解答

1.× Böhler体操は体幹伸展運動による脊柱起立筋の強化を目的とする.
2.× Buerger-Allen体操は末梢循環改善を目的とする.
3.○ 正しい.
4.× Frenkel体操は脊髄後索性運動失調に対し,視覚代償を用いて協調性改善を目的とする.
5.○ 正しい.


【38】対流熱を用いるのはどれか. 
1.気泡浴
2.赤外線
3.超音波
4.極超短波
5.パラフィン

解答

1.○ 正しい.
2.× 赤外線は放射(輻射)熱を用いる.
3.× 超音波はエネルギー変換熱を用いる.
4.× 極超短波はエネルギー変換熱を用いる.
5.× パラフィンは伝導熱を用いる.


【39】栄養管理について正しいのはどれか. 
1.成人では毎日体重1kgあたり0.1g以上のタンパク質を摂取するのがよい.
2.BMIが22.5未満の場合,栄養障害があると判定する.
3.低栄養になると血中総リンパ球数が増加する.
4.発熱時には,エネルギー必要量が増加する.
5.重度熱傷では,尿中窒素排泄量が減少する.

解答

1.× 成人では毎日体重1kgあたり0.65g以上のタンパク質を摂取するのがよい.
2.× BMIが18.5未満の場合,栄養障害があると判定する.
3.× 低栄養になると血中総リンパ球数が低下する.
4.○ 正しい.
5.× 重度熱傷では,尿中窒素排泄量が増加する.


【40】全身持久力トレーニングの効果で減少するのはどれか. 
1.最大心拍出量
2.筋の毛細血管数
3.嫌気性代謝閾値
4.動静脈酸素含有量格差
5.同じ運動強度での換気量

解答

1.× 全身持久力トレーニングの効果として最大心拍出量は増加する.
2.× 全身持久力トレーニングの効果として筋の毛細血管数は増加する.
3.× 全身持久力トレーニングの効果として嫌気性代謝閾値は増加する.
4.× 全身持久力トレーニングの効果として動静脈酸素含有量格差は増加する.
5.○ 正しい.


【41】脊髄完全損傷者の機能残存レベルと実用可能な能力の組合せで正しいのはどれか. 
1.第3頸髄節 ――― 自発呼吸
2.第5頸髄節 ――― プッシュアップ動作
3.第3胸髄節 ――― 自動車への移乗
4.第10胸髄節 ――― 両長下肢装具を用いての歩行
5.第12胸髄節 ――― 両短下肢装具を用いての歩行

解答

1.× 第4頸髄節 ――― 自発呼吸
2.× 第7頸髄節 ――― プッシュアップ動作
3.○ 正しい.
4.× 第2腰髄節 ――― 両長下肢装具を用いての歩行
5.× 第4腰髄節 ――― 両短下肢装具を用いての歩行


【42】膝関節前十字靱帯再建術後3日経過した時点で行う理学療法として適切でないのはどれか. 
1.ゴムチューブを利用した膝伸展運動
2.膝装具装着下での自動介助運動
3.CPMを用いた関節可動域練習
4.ハーフスクワット
5.アイシング

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× ハーフスクワットは膝関節前十字靱帯再建術後3週経過した時点で行う.
5.○ 正しい.


【43】発症初期から易転倒性がみられるのはどれか. 
1.Charcot-Marie-Tooth病
2.筋萎縮性側索硬化症
3.進行性核上性麻痺
4.脊髄小脳変性症
5.Parkinson病

解答

1.× Charcot-Marie-Tooth病は鶏歩がみられる.
2.× 筋萎縮性側索硬化症の発症初期はつまづきはみられる.
3.○ 正しい.
4.× 脊髄小脳変性症の発症初期はふらつきや,つまづきがみられる.
5.× Parkinson病は安静時振戦がみられる.


【44】症候とその説明の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ. 
1.Uhthoff徴候 ――― 体温の低下で神経症状が悪化する.
2.Lasègue徴候 ――― 腰椎椎間板ヘルニアで陽性になる.
3.Lhermitte徴候 ――― 頸部の前屈により背部中央に痛みが走る.
4.内側縦束症候群 ――― 後頭葉の障害で起こる.
5.Brown-Séquard症候群 ――― 脊髄の両側横断性障害で起こる.

解答

1.× Uhthoff徴候 ――― 体温の上昇で神経症状が悪化する.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 内側縦束症候群 ――― 脳幹部の障害で起こる.
5.× Brown-Séquard症候群 ――― 脊髄の片側横断性障害で起こる.


【45】呼吸障害に対する理学療法として,口すぼめ呼吸が有効なのはどれか. 
1.COPD
2.肺線維症
3.間質性肺炎
4.筋萎縮性側索硬化症
5.Duchenne型筋ジストロフィー

解答

1.○ 正しい.
2.× 肺線維症は拘束性換気障害であるため口すぼめ呼吸は有効でない.
3.× 間質性肺炎は拘束性換気障害であるため口すぼめ呼吸は有効でない.
4.× 筋萎縮性側索硬化症は拘束性換気障害であるため口すぼめ呼吸は有効でない.
5.× Duchenne型筋ジストロフィーは拘束性換気障害であるため口すぼめ呼吸は有効でない.


【46】廃用性症候群について正しいのはどれか. 
1.小児ではみられない.
2.フレイルと同義である.
3.起立性低血圧がみられる.
4.一次性サルコペニアの原因である.
5.加齢とともに症状の進行が遅くなる.

解答

1.× 小児でも廃用性症候群みられる.
2.× 廃用性症候群とフレイルは同義でない.
3.○ 正しい.
4.× 廃用性症候群は二次性サルコペニアの原因である.
5.× 廃用性症候群は加齢とともに症状の進行が速くなる.


【47】摂食嚥下障害に対するリハビリテーション手技と目的の組合せで正しいのはどれか. 
1.Shaker法 ――― 舌骨上筋群の強化
2.ハフィング〈huffing〉 ――― 食道入口部の開大
3.バルーン拡張法 ――― 誤嚥物の喀出
4.ブローイング ――― 喉頭挙上の強化
5.Mendelsohn手技 ――― 鼻咽腔閉鎖の強化

解答

1.○ 正しい.
2.× ハフィング〈huffing〉 ――― 誤嚥物の喀出
3.× バルーン拡張法 ――― 食道入口部の開大
4.× ブローイング ――― 鼻咽腔閉鎖の強化
5.× Mendelsohn手技 ――― 喉頭挙上の強化


【48】地域包括ケアシステムにおける支援の互助の説明として正しいのはどれか. 
1.高齢者が生活保護を受ける.
2.高齢者が毎日ウォーキングをする.
3.住民ボランティアが要介護者宅の庭を掃除する.
4.要介護者が通所リハビリテーションを利用する.
5.要介護者が自費で外出サービスを利用して買物に行く.

解答

1.× 高齢者が生活保護を受けるのは「公助」である.
2.× 高齢者が毎日ウォーキングをするのは「自助」である.
3.○ 正しい.
4.× 要介護者が通所リハビリテーションを利用するのは「共助」である.
5.× 要介護者が自費で外出サービスを利用して買物に行くのは「自助」である.


【49】松葉杖の使用について正しいのはどれか. 
1.ロフストランド杖より歩行時に体幹を伸展位に保持しやすい.
2.腋窩と脇当ては4~5cm程度の距離を設ける.
3.肘関節完全伸展位で握りを把持する.
4.階段昇段時は杖を先に出す.
5.T字杖よりも免荷が少ない.

解答

1.× 松葉杖はロフストランド杖より歩行時に体幹を伸展位に保持しにくい.
2.○ 正しい.
3.× 松葉杖は肘関節30°屈曲位で握りを把持する.
4.× 階段昇段時は松葉杖を後に出す.
5.× 松葉杖はT字杖よりも免荷が多い.


【50】標準予防策〈standard precautions〉において,正しいのはどれか. 
1.手洗いは温水で行う.
2.汗に触れるときは手袋を着用する.
3.感染のある患者のみを対象とする.
4.目の粘膜汚染を防ぐためのゴーグルは眼鏡で代用できる.
5.創傷皮膚に触れてしまったときは,他の部位に触れる前に手洗いをする.

解答

1.× 手洗いは流水で行う.
2.× 汗は感染性病原体に含まれないため,触れるときに手袋の着用は必要ない.
3.× 標準予防策はすべての患者を対象とする.
4.× 目の粘膜汚染を防ぐためのゴーグルは眼鏡で代用できない.
5.○ 正しい.


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