【1】75歳の女性.誤嚥性肺炎.喀痰培養でMRSAを検出した.マスク,手袋,ガウンを装着し病棟個室で肺理学療法を開始した.感染予策について正しいのはどれか.
1.N95マスクを装着する.
2.個室のドアは開放してはならない.
3.ガウンは退室時病室内で脱いで廃棄する.
4.退室時手袋を装着したままドアノブに触れて開ける.
5.手袋を装着していれば手指消毒は不要である.
解答
1.× 空気感染の場合はN95マスクを装着し,それ以外はサージカルマスクを着用する.
2.× MRSAは空気感染でないため,個室のドアを開放してもよい.
3.○ 正しい.
4.× 退室時は手袋を外し,手指衛生を実施してからドアノブに触れて開ける.
5.× 手袋を装着していても手指消毒は必要である.
【2】心電図を示す.心室性期外収縮はどれか.
1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤
解答
1.× 誤り.
2.○ 幅広いQRS波は心室性期外収縮である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【3】関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準による)の基本軸と移動軸で正しいのはどれか.2つ選べ.
1.肩内転
2.肩甲帯伸展
3.前腕回内
4.足部外転
5.膝伸展
解答
1.× 肩内転の基本軸は肩峰を通る床への垂直線,移動軸は上腕骨である.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 足部外転の基本軸・移動軸は第1,2中足骨の間の中央線である.
5.× 膝伸展の基本軸は大腿骨,移動軸は腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線である.
【4】Danielsらの徒手筋力テストによる左股関節の検査方法を図に示す.正しいのはどれか.
1.内転の段階3
2.伸展の段階4
3.外転の段階5
4.伸展の段階5
5.内旋の段階5
解答
1.× 内転の段階3では骨盤を固定する.
2.× 股関節屈曲拘縮がある場合の股関節伸展段階4では,膝関節のすぐ上の大腿後面に抵抗をかける.
3.× 外転の段階5では下側の下肢を安定性のために屈曲する.
4.× 誤り.
5.○ 正しい.
【5】正中神経麻痺による猿手変形に対する上肢装具はどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× コックアップ・スプリントは高位橈骨神経麻痺(下垂手)に適応となる.
2.× ナックルベンダーは低位尺骨神経麻痺,MP関節伸展位拘縮に適応となる.
3.× Oppenheimer型装具は高位橈骨神経麻痺(下垂手)に対する装具である.
4.× 逆ナックルベンダーは低位橈骨神経麻痺(下垂指)に適応となる.
5.○ 正しい.
【6】75歳の男性.肺がん根治術後.退院時の全身持久性の評価として適切なのはどれか.
1.片脚立位時間
2.6分間歩行テスト
3.10m最大歩行速度
4.five times sit to stand test
5.Timed Up and Go Test〈TUG〉
解答
1.× 片脚立位時間はバランスの評価である.
2.○ 正しい.
3.× 10m最大歩行速度は歩行能力の評価である.
4.× five times sit to stand test〈5回反復起立-着座テスト〉は下肢筋力が反映された起立・着座動作のパフォーマンス評価である.
5.× Timed Up and Go Test〈TUG〉はバランスの評価である.
【7】78歳の女性.自宅玄関で転倒してから起立歩行不能となり救急搬送された.来院時の単純エックス線画像を示す.最も考えられるのはどれか.
1.股関節脱臼2.大腿骨頸部骨折
3.大腿骨骨頭骨折
4.大腿骨転子下骨折
5.大腿骨転子部骨折
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 大腿骨転子部骨折が認められる.
【8】6歳の男児.潜在性二分脊椎.足部の変形を図に示す.MMTを行ったところ,大腿四頭筋の筋力は5,内側ハムストリングスは3,前脛骨筋は3,後脛骨筋は2であった.Sharrardの分類による障害レベルはどれか.
1.Ⅰ群
2.Ⅱ群
3.Ⅲ群
4.Ⅳ群
5.Ⅴ群
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 大腿四頭筋正常,内側ハムストリングスと前脛骨筋は3,後脛骨筋もある程度効いていることからL4髄節レベル,Sharrard分類Ⅲ群である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【9】75歳の女性.16年前に左上肢の安静時振戦が出現し,その後左下肢にも認められ動作緩慢となった.近医脳神経内科を受診しParkinson病と診断されL-dopaの内服治療が開始された.開始当初はL-dopaの効果を認めたが,パーキンソニズムの増悪に伴い徐々にL-dopaを増量された.最近L-dopa 服用後30分程度で突然動けなくなり,1日の中で突然の無動を何度も繰り返すという.この現象はどれか.
1.Wearing-off現象
2.Westphal現象
3.pusher現象
4.on-off現象
5.frozen現象
解答
1.× Wearing-off現象はL-dopaの有効時間が1~2時間に短縮し,次の服用までに効果が切れ,症状の悪化がみられることをいう.
2.× Westphal現象とは筋強剛を早期に発見するのに有用な逆説性収縮である.
3.× pusher現象は頭頂葉損傷による体軸性症候群である.
4.○ on-off現象は薬の内服時間に関係なく,症状が急激に改善したり,悪化したりする現象である.
5.× frozen現象は歩行や手の運動で動き出しにくい症状で,パーキンソン病にみられる無動症の主な徴候である.
【10】52歳の女性.廃用による身体機能の全般的な低下によりバランス能力低下があり,バランス能力の改善を目的とした運動療法を行っている.開始当初,立位保持も困難であったが,現在は立位で物的な介助がなくても左右前後の重心移動が可能となってきている.歩行は平行棒内で両手を支持して軽介助である.次に行うバランス練習として最も適切なのはどれか.
1.杖歩行練習
2.上肢支持なしのタンデム歩行練習
3.上肢支持なしの立位で外乱を加える練習
4.片側上肢を支持した立位で下肢のステップ練習
5.両上肢でボールを保持しながら立位重心移動練習
解答
1.× 現段階で杖歩行練習は難易度が高いため適切でない.
2.× 現段階で上肢支持なしのタンデム歩行練習は難易度が高いため適切でない.
3.× 現段階で上肢支持なしの立位で外乱を加える練習は難易度が高いため適切でない.
4.○ 平行棒内で両手を支持した軽介助歩行の次は片側上肢を支持した立位で下肢のステップ練習を行う.
5.× 現段階で両上肢でボールを保持しながら立位重心移動練習は難易度が高いため適切でない.
【11】健常成人に対して自転車エルゴメーターを用いて10Wattsから開始し,1分間に15Watts増加させるランプ負荷法で自覚的最大運動強度まで運動負荷を行った.その際の呼吸循環代謝指標の変化を図に示す.縦軸は一回拍出量,横軸は時間経過を示す.一回拍出量の変化を示すのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.○ 一回拍出量は軽強度で増加し,中等度の運動強度で頭打ちになる.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【12】図に示す方法で股関節に30Nmの外転トルクを生じさせる等尺性筋力増強運動を行った.作用点Bの力として正しいのはどれか.※A:股関節中心,B:作用点,a:A―Bの長さ30cm
1.5.1kgf
2.10.2kgf
3.15.3kgf
4.20.4kgf
5.25.5kgf
解答
1.× 誤り.
2.○ 正しい.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【13】歩行パターンを図に示す.筋力低下を生じている筋はどれか.
1.下腿三頭筋
2.前脛骨筋
3.大殿筋
4.中殿筋
5.長内転筋
解答
1.× 下腿三頭筋の筋力低下では踵足歩行になる.
2.× 前脛骨筋の筋力低下では鶏歩となる.
3.○ 立脚相に重心線が股関節の後方を通るように体幹と骨盤を後方へ引いた歩行となっていることから,大殿筋の筋力低下が生じている.
4.× 中殿筋の筋力低下ではトレンデレンブルグ歩行となる.
5.× 長内転筋の筋力低下で大殿筋歩行はみられない.
【14】75歳の女性.左膝痛を訴え,関節可動域が伸展-10°,屈曲95°に制限されている.来院時のエックス線写真を示す.膝関節拘縮に対する治療で正しいのはどれか.
1.CPMを行う.
2.大腿を固定して伸張を加える.
3.疼痛を感じるレベルの矯正力を加える.
4.動的膝装具は用いない.
5.連続ギプス法では1日ごとに5°ずつ矯正位を強める.
解答
1.× 膝関節拘縮の保存療法では,疼痛を感じないレベルで徒手的他動運動を行う.
2.○ 正しい.
3.× 疼痛を感じないレベルで矯正力を加える.
4.× 膝関節拘縮の保存療法では,必要に応じて動的膝装具を用いる.
5.× 連続ギプス法では3~5日ごとに5~10°ずつ矯正位を強める.
【15】次の文により15,16の問いに答えよ.45歳の女性.3日前,自宅で荷物を持ち上げた際に,腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあった.安静にしていたが,疼痛が軽快しないため受診し,腰椎椎間板ヘルニアと診断された.最も疑われる病変部位はどれか.
1.L1/2
2.L2/3
3.L3/4
4.L4/5
5.L5/S1
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあることから,病部位はL5/S1と考える.
【16】次の文により15,16の問いに答えよ.45歳の女性.3日前,自宅で荷物を持ち上げた際に,腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあった.安静にしていたが,疼痛が軽快しないため受診し,腰椎椎間板ヘルニアと診断された.発症から2か月が経過し,足背外側部の疼痛と安静時の腰痛は改善したが,労作時に軽度の腰痛が続いているため再度受診した.理学療法として適切でないのはどれか.
1.TENS
2.ホットパック
3.Williams型装具の装着
4.体幹筋群の筋力トレーニング
5.ハムストリングスのストレッチング
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× 安静時の腰痛は改善しているため,Williams型装具の装着はせず体幹筋群の筋力強化により体幹の安定性を図る.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【17】52歳の女性.起床時の頭痛と嘔気を主訴に脳神経外科を受診した.頭部造影MRI T1強調像を示す.頭蓋内腫瘍摘出術が予定されており,術前より理学療法が依頼された.神経症候として認める可能性が最も低いのはどれか.
1.失語
2.拮抗失行
3.情緒障害
4.注意障害
5.遂行機能障害
解答
1.○ 認められる可能性が高い.
2.× 拮抗失行は脳梁離断症状であるため,認められる可能性が低い.
3.○ 認められる可能性が高い.
4.○ 認められる可能性が高い.
5.○ 認められる可能性が高い.
【18】45歳の女性.遠位型ミオパチー.下肢筋力低下が徐々に進行し両側の下垂足を認める.最近つまずいて転倒することや捻挫することが多くなり装具を検討し歩行の改善を目指すことになった.下肢筋力を表に示す.最も適切な装具はどれか.
1.PTB短下肢装具2.足関節軟性装具
3.スウェーデン式膝装具
4.金属支柱付き長下肢装具
5.プラスチック短下肢装具
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 転倒や捻挫の原因である下垂足を改善する装具が適応となるが,遠位型ミオパチーは筋緊張低下すること,下肢筋力低下していることから,軽量のプラスチック短下肢装具を選択する.
【19】呼吸機能検査,血液ガス検査の結果を示す.この結果の解釈として正しいのはどれか.2つ選べ.
1.気道狭窄
2.肺胞低換気
3.呼吸性アルカローシス
4.拡散障害による高二酸化炭素血症
5.肺コンプライアンスの低下による拘束性換気障害
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ pH7.45以上かつPaO₂35Torr以下より,呼吸性アルカローシスであると考える.
4.× 誤り.
5.○ %VC80%以下,FEV1%70以上,静肺コンプライアンス低値であることから,肺コンプライアンスの低下による拘束性換気障害であると考える.
【20】68歳の男性.2型糖尿病,脂質異常症.身長160cm,体重85.0kg,体脂肪率38%.血液検査は,HbA1c8.2%,空腹時血糖145mg/dL.仕事は管理職,デスクワーク中心で一日の歩数は3,550歩(同年代歩数7,157歩).筋力低下,感覚障害,関節可動域制限は認めない.運動療法で誤っているのはどれか.
1.食事の1時間後に実施する.
2.筋力増強運動は週2~3回行う.
3.身体活動量増加のための生活指導を行う.
4.有酸素運動は1回10分,週に合計40分程度行う.
5.有酸素運動の運動強度は最大酸素摂取量の50%程度とする.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 有酸素運動は1回20分以上,週に合計150分程度行う.
5.○ 正しい.
【21】理学療法士の守秘義務を規定するのはどれか.
1.憲法
2.民法
3.医師法
4.医療法
5.理学療法士および作業療法士法
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 理学療法士の守秘義務は「理学療法士および作業療法士法」で規定されている.
【22】65歳以上の要介護者または要支援の認定を受けた人で介護が必要となった原因の割合(平成28年度国民生活基礎調査)が最も高いのはどれか.
1.糖尿病
2.認知症
3.関節疾患
4.骨折・転倒
5.高齢による衰弱
解答
1.× 誤り.
2.○ 介護が必要となった原因の割合(平成28年度)の1位は認知症,2位脳血管障害,3位高齢による衰弱である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【23】一次予防はどれか.
1.高血圧症患者の運動療法
2.脳出血患者の合併症予防
3.脳梗塞患者の再発予防教育
4.メタボリックシンドロームの予防教育
5.糖尿病性足病変患者の筋力トレーニング
解答
1.× 高血圧症患者の運動療法は二次予防である.
2.× 脳出血患者の合併症予防は三次予防である.
3.× 脳梗塞患者の再発予防教育は三次予防である.
4.○ 正しい.
5.× 糖尿病性足病変患者の筋力トレーニングは三次予防である.
【24】感覚機能について正しいのはどれか.
1.聴覚路は上側頭回に至る.
2.視覚路は内側膝状体を通る.
3.深部覚は脊髄視床路を上行する.
4.痛覚は脊髄内で後索を上行する.
5.味覚は副神経を経由して伝わる.
解答
1.○ 正しい.
2.× 視覚路は外側膝状体を通る.
3.× 深部覚は後索路を上行する.
4.× 痛覚は脊髄内で側索を上行する.
5.× 味覚は顔面神経と舌咽神経を経由して伝わる.
【25】運動学習について正しいのはどれか.
1.固有感覚情報は影響しない.
2.言語学習よりも保持期間が短い.
3.学習課題の類似性に影響を受ける.
4.前の学習が後の学習を妨害することを正の転移という.
5.課題の種類にかかわらず覚醒レベルが高いと学習効果が高くなる.
解答
1.× 運動学習では固有感覚情報は影響する.
2.× 運動学習は言語学習よりも保持期間が長い.
3.○ 正しい.
4.× 前の学習が後の学習を妨害することを負の転移という.
5.× 筋力・持久性・速さが求められる課題では覚醒レベルが高いと学習効果が高くなる.
【26】加齢により増加するのはどれか.
1.脳血流
2.肺残気量
3.基礎代謝量
4.消化液分泌量
5.メラトニンの夜間分泌量
解答
1.× 加齢ににより脳血流は低下する.
2.○ 正しい.
3.× 加齢ににより基礎代謝量は低下する.
4.× 加齢ににより消化液分泌量は低下する.
5.× 加齢にによりメラトニンの夜間分泌量は低下する.
【27】発症後1か月の脳卒中片麻痺患者.2か月後に予定されている退院時の歩行能力の目標を設定するための情報として,優先度が最も低いと考えられるのはどれか.
1.画像所見
2.糖尿病の合併
3.発症前のADL
4.歩行能力の回復過程
5.Brunnstrom法ステージの回復経過
解答
1.○ 優先度が高い.
2.× 糖尿病の合併は歩行能力への影響が低い.
3.○ 優先度が高い.
4.○ 優先度が高い.
5.○ 優先度が高い.
【28】四肢長計測の起点または終点の指標となるのはどれか.2つ選べ.
1.肩峰の最前端部
2.上腕骨外側上顆の外側突出部
3.上前腸骨棘の最上端部
4.大転子の最上端部
5.腓骨頭の最上端部
解答
1.× 上肢長・上腕長の起点は肩峰の外側突出点である.
2.○ 正しい.
3.× 棘果長の起点は上前腸骨棘の最下端である.
4.○ 正しい.
5.× 腓骨頭は四肢長計測の指標とならない.
【29】関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準による)で矢状面上の角度を測定するのはどれか.2つ選べ.
1.肩伸展
2.手尺屈
3.股外転
4.膝屈曲
5.胸腰部回旋
解答
1.○ 正しい.
2.× 手尺屈は水平面上の角度を測定する.
3.× 股外転は前額面上の角度を測定する.
4.○ 正しい.
5.× 胸腰部回旋は水平面上の角度を測定する.
【30】第Ⅶ脳神経の検査はどれか.
1.眼球運動
2.眼輪筋筋力
3.咀嚼筋力
4.調節反射
5.軟口蓋反射
解答
1.× 眼球運動は第Ⅲ・Ⅳ・Ⅵ脳神経の検査である.
2.○ 正しい.
3.× 咀嚼筋力は第Ⅴ脳神経の検査である.
4.× 調節反射は第Ⅲ脳神経の検査である.
5.× 軟口蓋反射は第Ⅸ,Ⅹ脳神経の検査である.
【31】GMFMで正しいのはどれか.
1.4領域88項目で構成される.
2.各項目の判定は0~4の5段階評価である.
3.脳性麻痺のため標準化された発達評価である.
4.健常3歳児であれば達成可能な項目で構成される.
5.次に獲得すべき能力をItem Mapにより予測・検討できる.
解答
1.× GMFMは5領域88項目で構成される.
2.× GMFMの各項目の判定は0~3の4段階評価である.
3.× GMFMは脳性麻痺のため標準化された粗大運動評価である.
4.× GMFMは健常5歳児であれば達成可能な項目で構成される.
5.○ 正しい.
【32】大腿義足の遊脚相において,健側で爪先立ちが観察された.原因として正しいのはどれか.
1.義足長が長すぎる.
2.ソケットの内転角度が大きすぎる.
3.切断側の股関節外転筋力が不足している.
4.切断側の股関節伸展筋力が不足している.
5.ソケットの初期屈曲角度が不足している.
解答
1.○ 正しい.
2.× ソケットの内転角度が大きすぎると外転歩行となる.
3.× 切断側の股関節外転筋力が不足していると立脚相に体幹の側屈が起こる.
4.× 切断側の股関節伸展筋力が不足していると立脚相で過度の腰椎前弯が起こる.
5.× ソケットの初期屈曲角度が不足していると立脚相で過度の腰椎前弯が起こる.
【33】Trendelenburg徴候が生じやすいのはどれか.
1.変形性股関節症
2.変形性足関節症
3.変形性膝関節症
4.腰椎分離症
5.腰部脊柱管狭窄症
解答
1.○ 正しい.
2.× 変形性足関節症でTrendelenburg徴候は生じにくい.
3.× 変形性膝関節症でTrendelenburg徴候は生じにくい.
4.× 腰椎分離症でTrendelenburg徴候は生じにくい.
5.× 腰部脊柱管狭窄症でTrendelenburg徴候は生じにくい.
【34】病巣と症状の組合せで正しいのはどれか.
1.延髄背外側 ――― 片麻痺
2.内包前脚 ――― 感覚障害
3.前頭葉 ――― 半側空間無視
4.歯状核 ――― 協調運動障害
5.視床 ――― 嚥下障害
解答
1.× 延髄背外側 ――― 嚥下障害
2.× 内包後脚 ――― 片麻痺・感覚障害
3.× 右頭頂葉 ――― 半側空間無視
4.○ 正しい.
5.× 視床 ――― 感覚障害
【35】ASIAの評価法について正しいのはどれか.
1.評価は座位で行う.
2.包括的な神経学的評価法である.
3.神経学的損傷高位を決定するにあたり深部腱反射を用いる.
4.感覚はNT〈not testable〉の場合を除くと3段階で評価する.
5.関節可動域に制限がある場合の運動はすべてNT〈not testable〉と記載する.
解答
1.× ASIAの評価は仰臥位で行う.
2.× ASIAは脊髄損傷の神経学的分類のための国際基準である.
3.× ASIAは神経学的損傷高位を決定するにあたり運動レベルと感覚レベルを用いる.
4.○ 正しい.
5.× ASIAで関節可動域に制限がある場合の運動は,可動範囲内での筋力を判定して記載する.
【36】失語症の型と症状の組合せで正しいのはどれか.
1.Wernicke失語 ――― 聴覚理解が保たれる.
2.超皮質性失語 ――― 復唱が障害される.
3.Broca失語 ――― 自発言語が障害される.
4.伝導失語 ――― 復唱が保たれる.
5.健忘失語 ――― 聴覚理解が障害される.
解答
1.× Wernicke失語 ――― 聴覚理解が障害される.
2.× 超皮質性失語 ――― 復唱は保たれる.
3.○ 正しい.
4.× 伝導失語 ――― 復唱が障害される.
5.× 健忘失語 ――― 聴覚理解は保たれる.
【37】高血糖症状はどれか.
1.多飲
2.動悸
3.頻脈
4.空腹感
5.手指振戦
解答
1.○ 正しい.
2.× 動悸は低血糖時の症状である.
3.× 頻脈は低血糖時の症状である.
4.× 空腹感は低血糖時の症状である.
5.× 手指振戦は低血糖時の症状である.
【38】椅子からの立ち上がり動作を観察したところ,両上肢で大腿前面を支持し,過度に体幹を前傾した状態から殿部離床し,その後体幹を前傾したまま早期に膝関節の伸展が見られた.最後に体幹を伸展し立ち上がりを終了した.この間,顕著な姿勢の動揺は認めなかった.この動作異常が生じている心身機能・身体構造の問題点として最も考えられるのはどれか.
1.無動
2.片麻痺
3.運動失調
4.両下肢筋力低下
5.両股関節伸展可動域制限
解答
1.× 無動はみられない.
2.× 動作に左右差がないため片麻痺は考えられない.
3.× 顕著な姿勢の動揺は認めいため,運動失調は考えられない.
4.○ 両上肢で大腿前面を支持しており,膝伸展後に体幹伸展していることから両下肢筋力低下が考えられる.
5.× 最後に体幹伸展できているため両股関節伸展可動域制限は考えられない.
【39】静的立位で下腿義足の足部内側が床から浮き上がった.原因はどれか.
1.toe-out角が大きすぎる.
2.初期屈曲角が不足している.
3.初期内転角が不足している.
4.ソケットの外壁が高すぎる.
5.足部が外側に位置しすぎている.
解答
1.× toe-out角が大きすぎても外側への不安定は生じない.
2.× 初期屈曲角が不足していても外側への不安定は生じない.
3.○ 正しい.
4.× ソケットの外壁が高すぎても外側への不安定は生じない.
5.× 足部が外側に位置しすぎていると内側への不安定が生じる(靴底は平らに接地).
【40】Wallenberg症候群に関連する摂食嚥下障害はどれか.
1.半側空間無視による先行期障害
2.観念失行による準備期障害
3.顔面麻痺による口腔期障害
4.食道入口部開大不全による咽頭期障害
5.胃食道逆流による食道期障害
解答
1.× Wallenberg症候群において半側空間無視はみられない.
2.× Wallenberg症候群において観念失行による準備期障害
3.× Wallenberg症候群において顔面麻痺による口腔期障害
4.○ Wallenberg症候群では舌咽・迷走神経の障害が生じるため,食道入口部開大不全による咽頭期障害がみられる.
5.× Wallenberg症候群において胃食道逆流はみられない.
【41】関節リウマチに対する運動療法で正しいのはどれか.
1.活動期では関節可動域運動は行わない.
2.環軸椎亜脱臼では頸椎可動域運動を行う.
3.関節強直では関節可動域運動を行う.
4.等尺性運動で筋力を維持する.
5.ムチランス変形では他動運動を行う.
解答
1.× 関節リウマチの活動期では関節可動域運動は愛護的に行う.
2.× 環軸椎亜脱臼では頸椎可動域運動を行わない.
3.× 関節強直では関節可動域運動を行わない.
4.○ 正しい.
5.× ムチランス変形では他動運動を行わない.
【42】車椅子からベッドへの移乗動作において,フットサポートに足を乗せたまま立ち上がろうとすることに関連する病巣はどれか.
1.前頭葉
2.視床
3.被殻
4.中脳背側
5.小脳虫部
解答
1.○ 遂行障害に関連する病巣は前頭葉である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【43】高齢者の転倒で生じやすいのはどれか.
1.距骨骨折
2.脛骨骨折
3.肩甲骨骨折
4.踵骨骨折
5.橈骨骨折
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 高齢者の転倒で生じやすい骨折は橈骨骨折,上腕骨近位端骨折,椎体圧迫骨折,大腿骨頸部骨折である.
【44】筋萎縮性側索硬化症の進行により非侵襲的陽圧換気〈NPPV〉療法を適応すべき数値はどれか.
1.PaO₂:80mmHg
2.PaCO₂:60mmHg
3.睡眠中SpO₂:94%
4.最大吸気圧:75cmH₂O
5.%努力性肺活量(%FVC):85%
解答
1.× PaO₂はNPPV療法適応の規定がない.
2.○ PaCO₂は45mmHg以上でNPPV療法適応となる.
3.× 睡眠中SpO₂は88%以下が5分以上持続でNPPV療法適応となる.
4.× 最大吸気圧は60cmH₂O以下でNPPV療法適応となる.
5.× %努力性肺活量(%FVC)は50%以下でNPPV療法適応となる.
【45】悪性腫瘍の合併がない初発に皮膚筋炎で,死因となる頻度が最も高い合併症はどれか.
1.肝不全
2.腎不全
3.心筋梗塞
4.間質性肺炎
5.ステロイドミオパチー
解答
1.× 皮膚筋炎は肝不全を合併しにくい.
2.× 皮膚筋炎は腎不全を合併しにくい.
3.× 皮膚筋炎は心筋梗塞を合併しにくい.
4.○ 正しい.
5.× ステロイドミオパチーはステロイド治療薬の副作用で,骨格筋の萎縮を原因とする筋力の低下であるが,ステロイドの減量または中止で改善する.
【46】糖尿病患者の運動療法を中止すべき状態はどれか.
1.発汗
2.冷汗
3.体温37.0℃
4.Brorg指数13
5.脈拍110/分
解答
1.× 発汗は運動療法を中止すべき状態でない.
2.○ 冷汗は低血糖症状であるため運動療法を中止する.
3.× 体温38.0℃以上で運動療法を中止する.
4.× Brorg指数11~13になるよう運動強度を設定するが,17以上で運動療法を中止する.
5.× 心拍予備能の40~60%となるよう運動強度を設定するが,脈拍140/分以上で運動療法を中止する.
【47】緩和ケア病棟におけるがん患者の理学療法で正しいのはどれか.
1.QOLより機能回復を優先する.
2.疼痛に対して温熱療法は禁忌である.
3.リンパ浮腫に対して理学療法は行わない.
4.チームアプローチよりも個人的な関わりを重視する.
5.骨髄抑制の状態に合わせて理学療法の内容を変更する.
解答
1.× 緩和ケア病棟におけるがん患者の理学療法では機能回復よりQOLを優先する.
2.× 緩和ケア病棟におけるがん患者の理学療法では疼痛に対して可能な範囲で温熱療法を行う.
3.× 緩和ケア病棟におけるがん患者の理学療法ではリンパ浮腫に対して複合的理学療法を行う.
4.× 緩和ケア病棟におけるがん患者の理学療法ではチームアプローチを重視する.
5.○ 正しい.
【48】法律とその規定内容の組合せで誤っているのはどれか.
1.医療法 ――― インフォームドコンセント
2.介護保険法 ――― 義肢の支給
3.健康増進法 ――― がん検診
4.高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律〈バリアフリー新法〉 ――― 車椅子使用者用の駐車場確保
5.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉 ――― 自立生活援助
解答
1.○ 正しい.
2.× 障害者総合支援法 ――― 義肢の支給
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【49】訪問理学療法で正しいのはどれか.
1.環境的側面のみへアプローチを行う.
2.歩行や移動に関する支援要望が多い.
3.対象者の多くは交通事故による外傷である.
4.ゴール設定の際には家族の要望を最優先する.
5.バイタルチェックは看護師がしなければならない.
解答
1.× 訪問理学療法では環境的側面だけでなくADL指導や身体機能の維持へアプローチを行う.
2.○ 正しい.
3.× 訪問理学療法の対象者は脳卒中が多い.
4.× 訪問理学療法におけるゴール設定の際には本人と家族の要望を優先する.
5.× 訪問理学療法におけるバイタルチェックは理学療法士が行う.
【50】介護保険制度の対象となるのはどれか.
1.居室の増築
2.廊下幅の拡張
3.照明器具の変更
4.床面材料の変更
5.寝室スペースの増築
解答
1.× 居室の増築は介護保険制度の対象とならない.
2.× 廊下幅の拡張は介護保険制度の対象とならない.
3.× 照明器具の変更は介護保険制度の対象とならない.
4.○ 正しい.
5.× 寝室スペースの増築は介護保険制度の対象とならない.