【1】椅子座位でテーブル上にあるコップにゆっくりと手を伸ばしてつかむ作業の図を示す.この時の肩関節と肘関節の運動に関与が推定される筋と収縮様式との組合せで正しいのはどれか.
1.三角筋前部線維 ――― 求心性収縮
2.三角筋後部線維 ――― 求心性収縮
3.上腕二頭筋 ――― 求心性収縮
4.上腕三頭筋 ――― 遠心性収縮
5.腕橈骨筋 ――― 求心性収縮
解答
1.○ 正しい.
2.× 三角筋後部線維 ――― 遠心性収縮
3.× 上腕二頭筋 ――― 遠心性収縮
4.× 上腕三頭筋 ――― 求心性収縮
5.× 腕橈骨筋 ――― 遠心性収縮
【2】60歳の男性.COPDが進行し在宅酸素療法が導入された.酸素流量は労作時2L/分である.入浴動作の指導で正しいのはどれか.
1.洗髪を片手で行う.
2.動作を素早く行う.
3.浴槽に肩まで浸かる.
4.洗い場の椅子の座面を低くする.
5.入浴中は経鼻カニューレを外す.
解答
1.○ 正しい.
2.× 呼吸運動を促進しないよう素早い動作は控える.
3.× 半身浴を勧める.
4.× 体幹前屈による呼吸運動を妨げないよう椅子の座面を高くする.
5.× 在宅酸素療養では入浴中も経鼻カニューレを装着する.
【3】Danielsらの徒手筋力テストで,段階2の測定肢位で正しいのはどれか.ただし,関節可動域には異常がないものとする.2つ選べ.
1.頸部屈曲
2.肘関節伸展
3.股関節屈曲,外転および膝関節屈曲位での股関節外旋
4.体幹屈曲
5.肩甲骨の内転と下方回旋
解答
1.○ 正しい.
2.× 段階1の測定肢位である.
3.× 段階3の測定肢位である.
4.× 段階4の測定肢位である.
5.○ 正しい.
【4】身体図のような感覚障害を呈する場合に考えられる脊髄の障害部位はどれか.
1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤
解答
1.× 障害部位レベルの左側全知覚脱失,障害部位レベル以下の左側深部感覚脱失,障害部位レベル以下の右側温痛覚脱失から左側脊髄半側損傷(ブラウンセカール症候群)である.
2.○ 正しい.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【5】32歳の男性.左利き.交通事故により右上腕切断となった.断端長は10.0cmで,残存肢の上腕長は25.0cmであった.能動義手製作のために選択する肘継手として最も適切なのはどれか.
1.軟性たわみ式継手
2.倍動肘ヒンジ継手
3.能動単軸肘ヒンジ継手
4.遊動単軸肘ヒンジ継手
5.能動単軸肘ブロック継手
解答
1.× 軟性たわみ式継手は前腕長断端に適応する.
2.× 倍動肘ヒンジ継手は前腕極短断端に適応する.
3.× 能動単軸肘ヒンジ継手は上腕長断端・肘離断に適応する.
4.× 遊動単軸肘ヒンジ継手は前腕短断端に適応する.
5.○ 上腕40%残存のため上腕短断端に適応する能動単軸肘ブロック継手が適切である.
【6】痙直型四肢麻痺を呈する脳性麻痺児の姿勢保持の発達順で正しいのはどれか.
1.A - B - C - E - D
2.A - B - E - C - D
3.B - A - C - E - D
4.B - A - E - C - D
5.B - A - E - D - C
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ B:屈曲優位の腹臥位 → A:伸展優位の腹臥位 → E:頭部挙上 → C:前腕支持不十分→ D:前腕支持十分
5.× 誤り.
【7】58歳の女性.関節リウマチ.SteinbrockerのstageⅡ,class2.この患者の日常生活活動を示す.正しいのはどれか.
1.①瓶の蓋を閉めている
2.②椀を保持している
3.③雑巾を絞っている
4.④はさみを開閉している
5.⑤ポットを持っている
解答
1.× ①瓶の蓋は手のひらまたは自助具を用いて閉める.
2.○ 正しい.
3.× ③蛇口にかけて雑巾を絞る.
4.× ④握り鋏を使用するよう指導する.
5.× ⑤両手でポットを持つ.
【8】72歳の女性.転倒し,左手をついた.左手関節部に疼痛と腫脹が生じ,近くの病院を受診し徒手整復後ギプス固定を受けた.骨癒合後の画像を示す.手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音がする.手指の機能障害はない.生じている合併症で考えられるのはどれか.
1.反射性交感神経性ジストロフィー
2.尺骨突き上げ症候群
3.長母指伸筋腱断裂
4.正中神経損傷
5.月状骨脱臼
解答
1.× 誤り.
2.○ 尺骨プラス変異により三角線維軟骨複合体損傷が生じ,手関節尺骨側に疼痛・クリック音が生じていることから尺骨突き上げ症候群が疑われる.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【9】58歳の男性.脊髄小脳変性症.脊髄小脳変性症の重症度分類(厚労省,1992)の下肢機能障害Ⅲ度,上肢機能障害Ⅱ度である.脱衣所と洗い場の段差はなく,浴槽は据え置き式で,高さ50㎝であった.住環境整備について誤っているのはどれか.
1.ベッド(A)を(A’)に移動する.
2.開き戸(B)を外開きから内開きに変更する.
3.浴槽内の(C)の位置に浴槽台を設置する.
4.洗い場の壁(D)に横手すりを設置する.
5.浴槽の(E)の位置にバスボードを設置する.
解答
1.○ 正しい.
2.× 浴室内で転倒してしまうと脱衣室側から扉を開けられなくなるため,開き戸(B)は外開きとする.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【10】39歳の女性.多発性硬化症.発症から4年が経過.寛解と再燃を繰り返している.MMTは両側の上肢・下肢共に4.軽度の両側視神経炎を伴い,疲労の訴えが多い.この患者に対する作業療法で適切なのはどれか.
1.陶芸で菊練りを行う.
2.木工作業で椅子を作る.
3.ビーズ細工でピアスを作る.
4.卓上の編み機でマフラーを編む.
5.細かいタイルモザイクのコースターを作る.
解答
1.× 過負荷となり疲労により症状増悪を招く恐れがあるため適切でない.
2.× 過負荷となり疲労により症状増悪を招く恐れがあるため適切でない.
3.× 両側視神経炎があるので細かい作業は適切でない.
4.○ 正しい.
5.× 両側視神経炎があるので細かい作業は適切でない.
【11】71歳の女性.独居.臥床傾向となり,訪問作業療法が依頼された.畳の上に布団を敷いて就寝しており,床からの立ち上がりは台につかまり実施していた.セルフケアは時間がかかるが実施可能である.家事は簡単な炊事を行い,洗濯を時々行う程度であった.生活機能の拡大に向けて,作業療法士が行う指導で最も優先されるべきものはどれか.
1.ベッドを導入させる
2.運動習慣を確立させる
3.食料品の買い出しを促す
4.家事動作を積極的に実施させる
5.地域活動への参加を促進させる
解答
1.○ ベッドの導入により立ち上がりを容易にし,臥床傾向の解消が最優先である.
2.× 生活機能の拡大後に実施する.
3.× 生活機能の拡大後に実施する.
4.× 生活機能の拡大後に実施する.
5.× 生活機能の拡大後に実施する.
【12】図に示す自助具のうち第二のてこを利用してるのはどれか.
1.1
2.2
3.3
4.4
5.5
解答
1.× 第一のてこ
2.× 第一のてこ
3.○ 正しい.
4.× 第三のてこ
5.× 第一のてこ
【13】58歳の男性.両手の母指と示指で紙をつまみ,左右に引っ張った時の写真を示す.考えられる末梢神経障害はどれか.
1.右Guyon管症候群
2.右後骨間神経麻痺
3.左前骨間神経麻痺
4.右手根管症候群
5.左肘部管症候群
解答
1.× 右Guyon管症候群では尺骨神経麻痺を生じるが,手掌尺側部・環指尺側および小指掌側部の感覚障害を呈する.
2.× 右後骨間神経麻痺では橈骨神経低位麻痺が生じ下垂指を呈する.
3.× 左前骨間神経麻痺では正中神経麻痺が生じTeardrop signを呈する.
4.× 右手根管症候群では正中神経低位麻痺を生じ猿手を呈する.
5.○ 左手指のフローマン徴候陽性から,左肘部管症候群による尺骨神経障害が考えられる.
【14】20歳の女性.高校卒業後,コンビニエンスストアの仕事についた.2年が経過した頃,人手不足もあり業務に追われる状態が続いた.次第に集中困難,頭が回らない感覚,不眠,動悸や呼吸困難感が現れ始め,休職するに至った.約1か月の自宅療養で呼吸困難感は軽減したが,頭痛,めまいによる歩行のふらつき,不眠が出現し,たえず漠然とした不安に襲われ外に出られなくなった.その様子を心配した家族が本人を連れて精神科を受診し,外来作業療法が導入された.導入時の作業療法で最も適切なのはどれか.
1.全身のストレッチ
2.高負荷の歩行訓練
3.ワークワンプル法による職業訓練
4.遂行機能に対する認知リハビリテーション
5.社会生活技能訓練(SST)による接客場面のロールプレイ
解答
1.○ 全般性不安障害に対する導入時の作業療法は,不安・緊張を軽減させるような介入が適切である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【15】18歳の男子.幼少時から一人遊びが多かった.運動や言語の発達に目立った問題はないが,視線が合わないことが多い.急な予定変更や大きな音でパニックになることがあった.中学校や高校では場の空気が読めないことでいじめられた経験があり,現在は自室に引きこもり,ほとんどの時間をインターネットに接続したパソコンでアニメやゲームなどに興じている.心配した親が相談機関を訪れ,作業療法士が対応した.この男子の特徴としてみられやすいのはどれか.
1.手先が器用である.
2.特定の物事にこだわる.
3.特定の領域の学習が苦手である.
4.特定の場面で発語が困難になる.
5.意思を伝える際に身振りを多用する.
解答
1.× 広汎性発達障害が疑われるので,手先が不器用である.
2.○ 広汎性発達障害が疑われるので,一つのことにこだわり,他者との交流が苦手・不器用な特徴がみられる.
3.× 特定の領域の学習が苦手なのは,学力の特異的発達障害の特徴である.
4.× 特定の場面で発語が困難になるのは,緘黙症の特徴である.
5.× 広汎性発達障害が疑われるので,身振りを使用するのは苦手である.
【16】55歳の男性.営業部の部長職に就いていたが,物や人の名前や地名が出てこないことを自覚し,その後は部下を同伴して仕事を継続していた.好きな日曜大工で使用していた工具を目の前にしてもそれを呼称できなくなり妻同伴で物忘れ外来を受診した.WAIS-Ⅲでは言語性IQが79,動作性IQは131,全検査IQは103であった.その後も徐々に言いたいことが言葉にならず,仕事で著しく疲弊するようになり退職した.徐々に誰に対してもなれなれしくなり,節度を失うような人格変化も認められるようになった.この患者の受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位はどこか.
1.側頭葉内側部
2.前頭葉眼窩面
3.頭頂連合野
4.側頭葉前部
5.後頭葉
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 言語性IQの低下,人格変化から前頭側頭型認知症が考えられるので,前頭葉前部と側頭葉前部の萎縮が予想される.
5.× 誤り.
【17】50歳の男性.妻と二人暮らし.1年前に支店長に昇進してから仕事量が増え,持ち前の几帳面さと責任感から人一倍多くの仕事をこなしていた.半年前に本社から計画通りの業績が出ていないことを指摘され,それ以来仕事が頭から離れなくなり,休日も出勤して仕事をしていた.2か月前から気分が沈んで夜も眠れなくなり,1か月前からは仕事の能率は極端に低下し,部下たちへの指揮も滞りがちとなった.ある朝,「自分のせいで会社が潰れる,会社を辞めたい,もう死んで楽になりたい」と繰り返しつぶやいて布団にうずくまっていた.心配した妻が本人を連れて精神科病院を受診し,同日入院となった.入院後1週間が経過した時に気分を聞くと,返答までに長い時間がかかり,小さな声で「そうですねえ」と答えるのみであった.作業療法士の対応として適切なのはどれか.
1.退職を勧める.
2.気晴らしを勧める.
3.十分な休息を勧める.
4.自信回復のために激励する.
5.集団認知行動療法を導入する.
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ うつ病の急性期は静かな環境で十分な休息をとることが重要である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【18】23歳の男性.中学生の頃から対人緊張が強く,人前での食事で発汗や赤面,緊張が強まることがあった.大学進学後も実習の発表時に緊張が強く,動悸や発汗を苦にしていた.卒業後に病院で作業療法士として働いていたが,通勤中のバスに停留所から同僚が数人乗り込んでくると,動悸,振戦,発汗が生じるようになった.車内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない.考えられるのはどれか.
1.解離性障害
2.強迫性障害
3.パニック障害
4.社交(社会)不安障害
5.PTSD 〈外傷後ストレス障害〉
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 人前での食事や同僚がバスに乗り込んだりといった対人・社交場面で自律神経症状を呈していることから,社交(社会)不安障害が考えられる.
5.× 誤り.
【19】8歳の男児.幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず,家族で外出した際にはよく迷子になり,両親も療育に困難を感じていた.小学校に入学してからは,授業中に勝手に席を立って歩き出したり,順番を守ることも難しく,日常的に忘れ物や落とし物も多く,うっかりミスをして教師に注意されるが,その後も同じミスを繰り返していた.授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず,最近では学業不振が目立ち始めたため放課後デイサービスで作業療法士が対応することになった.作業療法士の対応として適切でないのはどれか.
1.感覚統合療法を実施する.
2.ペアレントトレーニングを実施する.
3.社会生活技能訓練 〈SST〉を実施する.
4.学校を訪問して授業の様子を観察する.
5.担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× 行動修正をより促してしまうと,自信喪失や自尊心の低下につながるので適切でない.
【20】32歳の男性.統合失調症.これまで院内の外来作業療法に参加していたが,友人の就労を契機に本人も就労希望を口にするようになった.担当の作業療法士が院内のカンファレンスで,この患者の就労移行支援事業所利用を提案するにあたって最も重要なのはどれか.
1.罹患期間
2.幻聴の頻度
3.病識の程度
4.就労への意欲
5.統合失調症の病型
解答
1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 就労移行支援事業所は,就業が可能と思われる18歳以上65歳未満の障害者に対し一般就労を目指して2年間を限度に支援するもので,働きたいという本人の希望が重要である.
5.× 誤り.
【21】感染症のスクリーニング検査の特異度で正しいのはどれか.
1.感染していない人で検査陽性と判定される場合
2.感染していない人で検査陰性と判定される割合
3.感染している人で検査陰性と判定される割合
4.検査が陰性で感染していない人の割合
5.検査が陽性で感染している人の割合
解答
1.× 感染していない人で検査陽性と判定されるのは偽陽性である.
2.○ 正しい.
3.× 感染している人で検査陰性と判定される割合は偽陰性率である.
4.× 検査が陰性で感染していない人の割合は陰性的中率である.
5.× 検査が陽性で感染している人の割合は陽性的中率である.
【22】橈骨遠位端骨折におけるリハビリテーション治療について正しいのはどれか.
1.ギプス除去後から開始する.
2.就寝時には高挙するよう指導する.
3.骨癒合後早期にスポーツに復帰させる.
4.変形治癒は機能回復に影響を及ぼさない.
5.加齢は機能回復を遅らせる要因とはならない.
解答
1.× 橈骨遠位端骨折のリハビリテーションはギプス除去前から開始する.
2.○ 橈骨遠位端骨折では浮腫予防のために就寝時には高挙するよう指導する.
3.× 骨癒合後早期のスポーツは時期尚早である.
4.× 変形治癒は機能回復に影響を及ぼす.
5.× 加齢は機能回復を遅らせる要因となる.
【23】CMOP 〈Canadian Model of Occupational Performance〉で誤っているのはどれか.
1.人を身体面と認知面の2側面で捉える.
2.COPMを実践するときに必要な基本的な考え方である.
3.個人と作業と環境が相互に関わりあった結果を説明できる.
4.作業ニーズを満たすという作業療法の方向性を示している.
5.環境の要素には物理的,制度的,社会的,文化的に関する要素が含まれる.
解答
1.× カナダ作業遂行モデルは,1997年に提唱された「人と作業と環境」の関係を示したモデルである.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.○ 正しい.
【24】深部静脈血栓症予防について誤っているのはどれか.
1.水分補給
2.離床の促進
3.足関節の自動運動
4.長時間の座位保持
5.弾性ストッキングの着用
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 座位保持は下腿のうっ血を招くので短時間にする.
5.○ 正しい.
【25】知覚機能を評価する検査法はどれか.
1.Romberg test
2.Trail making test
3.Jebsen-Taylor hand functional test
4.Rey auditory verbal learning test
5.Semmes-Weinstein monofilament test
解答
1.× Romberg testは協調運動機能検査である.
2.× Trail making testは注意機能検査である.
3.× Jebsen-Taylor hand functional testは上肢機能検査である.
4.× Rey auditory verbal learning testは言語性記憶機能検査である.
5.○ 正しい.
【26】検査と評価項目の組合せで正しいのはどれか.
1.GMFM ――― 日常生活活動
2.WISC-Ⅳ ――― ワーキングメモリー
3.S-M社会生活能力検査 ――― 心理的発達
4.フロスティグ視知覚検査 ――― 巧緻運動
5.遠城寺式乳幼児分析的発達検査 ――― 粗大運動
解答
1.× GMFM ――― 粗大運動
2.○ 正しい.
3.× S-M社会生活能力検査 ――― 適応機能(行動)
4.× フロスティグ視知覚検査 ――― 視知覚能力
5.× 遠城寺式乳幼児分析的発達検査 ――― 運動・社会性・言語
【27】半側空間無視の評価法はどれか.
1.BADS
2.BIT
3.CAT 〈Clinical Assessment for Attention〉
4.FAB
5.WCST
解答
1.× BADSは遂行機能障害の評価法である.
2.○ 正しい.
3.× CATは注意機能障害の評価法である.
4.× FABは遂行機能障害の評価法である.
5.× WCSTは遂行機能障害の評価法である.
【28】FIMの点数とADL評価の組合せで正しいのはどれか.
1.食事4点 ――― 自助具を介助者に装着してもらい自力で摂取する.
2.清拭7点 ――― ループ付きタオルを使用して身体を洗う.
3.歩行1点 ――― 1人の介助で15mまで歩行ができる.
4.トイレ動作3点 ――― 日中は自立しているが夜間は介助者が監視している.
5.更衣(下衣)5点 ――― 短下肢装具の装着のみ手伝ってもらう.
解答
1.× 食事5点 ――― 自助具を介助者に装着してもらい自力で摂取する.
2.× 清拭6点 ――― ループ付きタオルを使用して身体を洗う.
3.× 歩行2点 ――― 1人の介助で15mまで歩行ができる.
4.× トイレ動作5点 ――― 日中は自立しているが夜間は介助者が監視している.
5.○ 正しい.
【29】ICFの環境因子に含まれるのはどれか.
1.人生の出来事
2.困難への対処方法
3.社会生活への適応
4.コミュニケーションの能力
5.障害者に対する人々の態度
解答
1.× 人生の出来事は個人因子に含まれる.
2.× 困難への対処方法は活動と参加に含まれる.
3.× 社会生活への適応は活動と参加に含まれる.
4.× コミュニケーションの能力は活動と参加に含まれる.
5.○ 障害者に対する人々の態度は活動と参加に含まれる.
【30】Parkinson病で姿勢反射障害および両側性の振戦があり,小刻み歩行でADLが自立しているときのHoehn&Yahr重症度分類ステージはどれか.
1.Ⅰ
2.Ⅱ
3.Ⅲ
4.Ⅳ
5.Ⅴ
解答
1.× Ⅰ:片側性の振戦がある.
2.× Ⅱ:両側性の振戦がある.
3.○ Ⅲ:姿勢および歩行障害があるがADLはかろうじて可能である.
4.× Ⅳ:日常生活動作に介助を要するが歩行はかろうじて可能である.
5.× Ⅴ:起立歩行困難,日常生活動作全介助レベルである.
【31】熱傷部位と背臥位時の肢位の組合せで正しいのはどれか.
1.前頸部 ――― 頸部屈曲
2.腋窩部 ――― 肩外転90°
3.会陰部 ――― 両股関節外旋
4.膝窩部 ――― 膝90°屈曲
5.足背部 ――― 底屈位
解答
1.× 前頸部 ――― 頸部伸展
2.○ 正しい.
3.× 会陰部 ――― 両股関節内外旋中間位
4.× 膝窩部 ――― 膝伸展
5.× 足背部 ――― 中間位
【32】高齢者の身体機能評価結果で転倒リスクが最も高いのはどれか.
1.膝関節90°屈曲位等尺性伸展筋力 ――― 20kgf
2.Timed Up and Go Test 〈TUG〉 ――― 20秒
3.Berg Balance Scale 〈BBS〉 ――― 23点
4.片脚立位テスト(開眼) ――― 60秒
5.Functional reach test ――― 30㎝
解答
1.× 膝関節90°屈曲位等尺性伸展筋力のカットオフ値は1.2Nm/kgである.
2.○ Timed Up and Go Test 〈TUG〉のカットオフ値は13.5秒である.
3.× Berg Balance Scale 〈BBS〉のカットオフ値は45点である.
4.× 片脚立位テスト(開眼) のカットオフ値は5秒である.
5.× Functional reach test のカットオフ値は15.3cmである.
【33】仙骨部の褥瘡予防で適切なのはどれか.2つ選べ.
1.円座を使用する.
2.除圧動作を指導する.
3.長時間車椅子に座る.
4.保湿クリームを塗布する.
5.フットサポートを通常よりも高くする.
解答
1.× 円座は褥瘡予防に効果がない.
2.○ 正しい.
3.× 仙骨部の褥瘡予防として車椅子に座るのは短時間にする.
4.○ 正しい.
5.× フットサポートを高くすると骨盤の後傾が助長され仙骨部の褥瘡予防として適切でない.
【34】病態と治療法の組合せで正しいのはどれか.
1.半側空間無視 ――― 遮断除去法
2.遂行機能障害 ――― 自己教示法
3.注意障害 ――― 間隔伸張法
4.記憶障害 ――― 視覚走査法
5.失語症 ――― PQRST法
解答
1.× 失語症 ――― 遮断除去法
2.○ 正しい.
3.× 記憶障害 ――― 間隔伸張法
4.× 半側空間無視 ――― 視覚走査法
5.× 記憶障害 ――― PQRST法
【35】生活行為向上マネジメントで正しいのはどれか.
1.アメリカで開発された評価法である.
2.作業療法士の臨床思考過程を分析して開発された.
3.心身機能の回復に関するプログラムは含まれない.
4.作業療法士が重要と判断した作業に焦点を当てアセスメントする.
5.アセスメント項目に心身機能・身体構造に関する予後予測は含まれない.
解答
1.× 生活行為向上マネジメントは日本で開発された評価法である.
2.○ 正しい.
3.× 生活行為向上マネジメントは心身機能の回復に関するプログラムを含む.
4.× 生活行為向上マネジメントは対象者と支援者が合意した生活目標を立てる.
5.× 生活行為向上マネジメントのアセスメント項目に心身機能・身体構造に関する予後予測は含まれる.
【36】評価とその内容の組合せで正しいのはどれか.
1.COPM ――― 作業の運動技能
2.SF-36 ――― 介護負担
3.意志質問紙 ――― 生活満足度
4.GBSスケール ――― 認知症の症状
5.興味チェックリスト ――― 作業の遂行度
解答
1.× COPM ――― 作業の遂行度
2.× SF-36 ――― 健康関連QOL
3.× 意志質問紙 ――― 人間作業モデルの評価
4.○ 正しい.
5.× 興味チェックリスト ――― 興味の評価
【37】IADLの項目に含まれるのはどれか.
1.化粧
2.義足の装着
3.バスの利用
4.歩行器を使用した歩行
5.車椅子からベッドへの移乗
解答
1.× 化粧はADLに含まれる.
2.× 義足の装着はADLに含まれる.
3.○ バスの利用はADLに含まれる.
4.× 歩行器を使用した歩行はADLに含まれる.
5.× 車椅子からベッドへの移乗はADLに含まれる.
【38】小児の四肢切断について正しいのはどれか.
1.後天性四肢切断は女児に多い.
2.義手の装着開始時期は4歳ころが適切である.
3.下腿切断では成長に伴い外反膝変形を生じやすい.
4.悪性骨腫瘍が原因で切断になる頻度は増加傾向にある.
5.後天性の切断における幻肢の出現頻度は成人より低い.
解答
1.× 後天性四肢切断は男児に多い.
2.× 義手の装着開始時期は生後6か月頃に装着するのが良いとされている.
3.× 下腿切断では成長に伴い内反膝変形を生じやすい.
4.× 悪性骨腫瘍が原因で切断になる頻度は減少傾向にある.
5.○ 正しい.
【39】高次脳機能障害と脳の障害部位との組合せで正しいのはどれか.
1.顔の左側の髭を剃り残す. ――― 後頭葉
2.新しい道順を覚えられない. ――― 前頭葉
3.何度も同じことを繰り返し聞く. ――― 側頭葉
4.物事を順序立てて実行することが難しい. ――― 後頭葉
5.見えていないのに見えているように振る舞う. ――― 頭頂葉
解答
1.× 顔の左側の髭を剃り残す. ――― 頭頂葉
2.× 新しい道順を覚えられない. ――― 頭頂葉
3.○ 正しい.
4.× 物事を順序立てて実行することが難しい. ――― 前頭葉
5.× 見えていないのに見えているように振る舞う. ――― 後頭葉
【40】軽度の意識障害の評価に重要な検査はどれか.
1.光トポグラフィー
2.機能的MRI
3.MMPI
4.脳波
5.WAIS-Ⅲ
解答
1.× 光トポグラフィーは血流量の測定で,うつ病の検査で用いられる.
2.× 機能的MRIは脳内の局所神経活動により変化した脳血流の変化を検出する検査である.
3.× MMPIは人格検査である.
4.○ 正しい.
5.× WAIS-Ⅲは知能検査である.
【41】コンピューターゲームを用いた統合失調症患者の認知リハビリテーションはどれか.
1.IPS 〈Individual Placement and Support〉
2.MCT 〈Metacognitive Training〉
3.NEAR 〈Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation〉
4.SCIT 〈Social Cognition and Interaction Training〉
5.SST 〈Social Skills Training〉
解答
1.× IPSは就労支援モデルである.
2.× MCTはメタ認知トレーニングである.
3.○ 正しい.
4.× SCITは社会認知と対人関係のトレーニングである.
5.× SSTは地域社会で自立して円滑に生活できるための技術トレーニングである.
【42】解離性けいれん発作について正しいのはどれか.
1.誘因なく突然起こる.
2.睡眠中には起こらない.
3.発作持続時間は数分程度である.
4.発作時に意識は完全に消失する.
5.転倒による打撲傷が頻繁にみられる.
解答
1.× 解離性けいれん発作は心理的原因によって生じる.
2.○ 解離性けいれん発作は睡眠中や人の見ていないところでは生じない.
3.× 解離性けいれん発作の発作時間は長い.
4.× 解離性けいれん発作の発作時に意識は完全に消失せず,また昏迷やトランス状態を呈することがある.
5.× 解離性けいれん発作は転倒による打撲傷,咬舌や尿失禁はみられない.
【43】症状性精神障害を引き起こす疾患と治療の組合せで正しいのはどれか.2つ選べ.
1.Wernicke脳症 ――― ビタミンB1投与
2.肝性脳症 ――― 芳香族アミノ酸投与
3.全身性エリテマトーデス ――― 副腎皮質ステロイド投与
4.尿毒性脳症 ――― 瀉血
5.ペラグラ ――― 葉酸投与
解答
1.○ 正しい.
2.× 肝性脳症 ――― 分岐鎖アミノ酸投与
3.○ 正しい.
4.× 尿毒性脳症 ――― 透析療法
5.× ペラグラ ――― ナイアシン(ニコチン酸,ニコチン酸アミド)投与
【44】統合失調症について正しいのはどれか.
1.症状寛解後は薬物治療を中止する.
2.家族心理教育を行うことで再発率が低下する.
3.精神病未治療期間の長短は予後と無関係である.
4.服薬自己管理の練習は急性増悪期から開始する.
5.障害者試行雇用〈トライアル雇用〉の対象にならない.
解答
1.× 症状寛解後も薬物治療を継続する.
2.○ 正しい.
3.× 精神病未治療期間が長期であるほど予後不良である.
4.× 統合失調症の服薬自己管理の練習は回復期以降から開始する.
5.× 統合失調症は障害者試行雇用の対象となる.
【45】作業療法における広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)への対応で適切なのはどれか.
1.攻撃的な行動には大きな声で「ダメ」とだけ簡潔に言う.
2.作業の適用時には内容をあらかじめ伝える.
3.こだわりに対しては行動変容を促す.
4.作業は自由度の高いものを用いる.
5.説明には言語的情報を多用する.
解答
1.× 聴覚過敏や急激な変化にパニックを起こす場合もあるため大きな声で叱責するのは好ましくない.また具体的にどの様な行動をとるのが正解かを本人のわかりやすい言葉で簡潔に伝えることが重要である.
2.○ 正しい.
3.× 広汎性発達障害のこだわりに対しては見守る.
4.× 作業は具体的で工程のわかりやすいものが良い.
5.× 広汎性発達障害への説明は視覚的情報を多用する.
【46】正しい日時や場所などの情報を繰り返し提示する認知症患者への介入法はどれか.
1.作業回想法
2.ユマニチュード
3.ルーティン化療法
4.バリデーション療法
5.リアリティオリエンテーション
解答
1.× 作業回想法は人生を振り返り思い出を語ることで気持ちの安定を図る介入法である.
2.× ユマニチュードは知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケア技法である.
3.× 前頭側頭型認知症の「常同行動」や「被影響性の亢進」を利用し,「困った習慣」を「問題のない習慣」に変えてルーティン化するアプローチである.
4.× バリデーション療法は共感して信頼関係をつくるコミュニケーション技法である.
5.○ 正しい.
【47】措置入院を規定する法律はどれか.
1.障害者基本法
2.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉
3.障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律〈障害者差別解消法〉
4.障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉
5.心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律〈医療観察法〉
解答
1.× 誤り.
2.○ 精神保健福祉法は,精神障害者の入院について,任意入院・医療保護入院・応急入院・措置入院・緊急措置入院の5つの入院形態を定めている.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.
【48】地域で生活している精神障害者の家族支援に関する内容として誤っているのはどれか.
1.活用できる社会資源について情報提供をする.
2.家族が地域社会から孤立しないよう助言を行う.
3.再発の兆候に気づいた時は主治医に相談するよう伝える.
4.家族自身のストレスが軽減するよう対処法について一緒に考える.
5.EE 〈Expressed Emotion〉が高い場合は患者との接触を増やすよう勧める.
解答
1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.○ 正しい.
5.× EE(対象者に対する家族の感情表出)が高い場合は症状悪化の要因となるので注意が必要である.
【49】精神障害者の就労支援について正しいのはどれか.
1.精神障害者は障害者雇用義務の対象ではない.
2.ジョブコーチは事業主への支援を行うことはできない.
3.精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象ではない.
4.障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋しない.
5.就労継続支援B型事業所では最低賃金が保障されていない.
解答
1.× 精神障害者は障害者雇用義務の対象である.
2.× ジョブコーチは事業主への支援も行う.
3.× 精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象である.
4.× 障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋する.
5.○ 就労継続支援B型事業所では訓練生という立場の福祉的就労であるため,最低賃金などの各種労働関係法規は適用されない.
【50】標準予防策 〈standard precautions〉について正しいのはどれか.
1.手洗いは7秒以内で行う.
2.手袋着用前は手洗いの必要はない.
3.感染症患者を隔離することが含まれる.
4.患者同士の接触による感染予防が目的である.
5.すべての患者の排泄物は感染性があるとみなす.
解答
1.× 手洗いは20秒程度で行う.
2.× 手袋着用前も手洗いの必要がある.
3.× 感染症患者を隔離することは含まれない.
4.× 患者・医療スタッフの感染予防が目的である.
5.○ 正しい.