第56回作業療法士国家試験 午前1~50

【1】関節可動域測定法(日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか.2つ選べ. 

1.母指撓側外転
2.指外転
3.胸腰部屈曲
4.股関節屈曲
5.足部外転

解答

1.× 母指橈側外転の基本軸は示指(橈骨の延長上),移動軸は母指である.
2.○ 正しい.
3.× 胸腰部屈曲の基本軸は仙骨後面,移動軸は第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線である.
4.× 股関節屈曲は膝関節屈曲位で行う.
5.○ 正しい.


【2】筋萎縮性側索硬化症の機能的予後を示しているのはどれか.縦軸は機能,横軸は時間を示す. 

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答

1.○ 筋萎縮側索硬化症は徐々に進行する原因不明の進行性疾患である.
2.× 寛解と増悪を繰り返しているので,筋萎縮性側索硬化症の機能予後でない.
3.× 進行性疾患の機能予後ではない.
4.× 進行性疾患の機能予後ではない.
5.× 進行性疾患の機能予後ではない.


【3】25歳の男性.頸髄完全損傷.手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない.書字の際のボールペンを把持した場面を示す.片手では困難で,両手でボールペンを保持する動作が観察された.このような動作を行う頸髄傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか. 

1.C5A
2.C6A
3.C6B3
4.C7A
5.C8B

解答

1.× C5Aは自助具を使用しないボールペン把持は困難である.
2.○ 正しい.
3.× C6B3は片手でボールペン把持が可能である.
4.× C7Aは片手でボールペン把持が可能である.
5.× C8Bは片手でボールペン把持が可能である.


【4】7歳の男児.Duchenne型筋ジストロフィーの患者で,下肢筋力が低下し,椅子からの立ち上がり,階段昇降ができない.手すりを利用し,5mほど歩行可能である.厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類のステージはどれか. 
1.ステージⅡ
2.ステージⅢ
3.ステージⅣ
4.ステージⅤ
5.ステージⅥ

解答

1.× ステージⅡは手すりを使用した階段昇降が可能である.
2.× ステージⅢは階段昇降不可能,椅子から起立可能,歩行可能である.
3.○ ステージⅣは階段昇降不可能,椅子からの起立不可能,5m以上の歩行可能である.
4.× ステージⅤは歩行不可能,四つ這い可能である.
5.× ステージⅥは四つ這い不可能,いざり可能である.


【5】75歳の男性.糖尿病でインスリン療法中.胸部不快感で受診した.半年前と今回の心電図を示す.今回発症したと考えられる病態はどれか. 

1.狭心症
2.心筋梗塞
3.心房細動
4.房室ブロック
5.心室性期外収縮

解答

1.× 誤り.
2.○ ST上昇,異常Q波がみられるので心筋梗塞である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【6】80歳の女性.77歳頃から物忘れが目立ち始め,今では歩行時のつまずきやすさ,書字の震えがある.日によって程度は異なるものの,自宅のテレビや窓,棚のガラス戸など,光沢のあるところに知らない人が映って見えるようになった.「テレビに知らない人の顔が見える」「変なおじいさんが裸でいる」などと家族に訴え,ガラス戸に向かって怒鳴る様子もみられた.家族と物忘れ外来を受診した.PETでは頭頂葉から後頭葉の一部に糖代謝の低下が認められた.作業療法士から家族へのアドバイスとして適切なのはどれか. 
1.部屋を薄暗くする
2.テレビの音を大きくする
3.移動の際には車椅子を使用させる
4.興奮したときはきっぱりと幻覚であることを伝える
5.見えている内容を否定しないで気持ちを受け止める

解答

1.× Lewy小体型認知症では,パーキンソニズムを合併し転倒しやすくなるため,薄暗くするのは好ましくない.
2.× テレビの音など環境音を大きくするのは好ましくない.
3.× つまずきやすさがみられているが,まだ歩行可能なので車椅子の使用は適切でない.
4.× 訴えを否定するのではなく,心配はいらないことなどを伝え,不安や混乱を引き起こさないようにすることが好ましい.
5.○ 訴えを否定するのではなく,心配はいらないことなどを伝え,不安や混乱を引き起こさないようにすることが好ましい.


【7】66歳の女性.左変形性股関節症.後方アプローチによる人工股関節全置換術を受けた.全荷重で術後リハビリテーション中である.退院後の生活指導として正しいのはどれか. 
1.和式トイレを使用する.
2.椅子に座る際には足を組む.
3.椅子は通常よりも低いものを選ぶ.
4.床のものを拾うときには非術側を前に出す.
5.端座位で靴にかかとを入れるときは外側から手を伸ばす.

解答

1.× 股関節過屈曲となるため,洋式トイレを使用する.
2.× 股関節屈曲・内転となるため,足を組むのは禁忌肢位である.
3.× 股関節過屈曲となるため,椅子は高めのものを選ぶ.
4.○ 正しい.
5.× 股関節屈曲・内旋となるため,内側から手を伸ばす.


【8】65歳の男性.右利き.左中大脳動脈領域の脳梗塞による右片麻痺.Brunnstrom法ステージは上肢,手指および下肢ともにⅢ.この時の椅子座位での右上肢訓練プログラムとして正しいのはどれか. 

1.組んだ両手でテーブル上のボールを前方に転がす.
2.組んだ両手を挙上してペグを把持する.
3.上肢を下垂して手部で床上のボールを転がす.
4.前方にあるペグを把持して抜く.
5.机上にある輪をつまみ上げる.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【9】アテトーゼ型脳性麻痺児の食事の様子を図に示す.スプーンを口に近づけると図のような姿勢になってしまう.この児に出現している原始反射はどれか. 

1.探索反射
2.Galant反射
3.交差伸展反射
4.手の把握反射
5.対称性緊張性頸反射

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 頸部伸展に伴って上肢が伸展しているので,対称性緊張性頸反射である.


【10】32歳の女性.右利き.診断名は右乳がん(ステージⅡ).右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった.夫と2歳の子どもと3人暮らし.職業は保育士.術前の右上肢機能は良好であり,セルフケアや家事動作は自立していた.術後作業療法について正しいのはどれか. 
1.日光浴を勧める.
2.術側の上肢は固定する.
3.事務職への転職を勧める.
4.重量物を持たないように指導する.
5.3か月間物干し動作は行わないよう指導する.

解答

1.× 日光による炎症で皮膚障害が生じる場合があるので好ましくない.
2.× 術側の上肢固定は循環障害が生じやすく浮腫が悪化するので好ましくない.
3.× 現状では転職を勧める必要はない.
4.○ 正しい.
5.× 過負荷にならない程度の上肢挙上運動を含む家事動作は行ってもよい.


【11】80歳の女性.2年前に夫と死別し,平屋の持ち家に1人暮らし.3か月前に屋内で転倒し,右大腿骨頸部骨折で入院した.人工骨頭置換術後のADLは杖歩行で,入浴のみ見守りでその他は自立し自宅退院となった.退院時のHDS-Rは28点であった.要支援1と認定され,通所リハビリテーションを利用するにあたり,担当作業療法士が自宅訪問することとなった.初回訪問時の対応で正しいのはどれか. 
1.住宅改修を提案する.
2.年金受領額を聴取する.
3.訪問作業療法を勧める.
4.夫の死亡理由を聴取する.
5.生活の困りごとを聴取する.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 初回訪問では本人の希望や困りごとなどを聴取するとよい.


【12】78歳の女性.布団を持ち上げようとした際,背部から腹部への強い帯状痛を生じ,寝返りも困難となったため入院となった.入院時のエックス線写真(A)とMRI T2強調像(B)とを示す.この患者の病態で適切なのはどれか.2つ選べ. 

1.骨粗鬆症
2.脊椎分離症
3.脊柱管狭窄症
4.椎間板ヘルニア
5.脊椎椎体圧迫骨折

解答

1.○ X線の透過性亢進とMRIの椎体圧迫骨折所見より骨粗鬆症が考えられる.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 高齢女性で物を持ち上げたときに背部から腹部への帯状痛と寝返り困難となったこと,MRI所見からも脊椎椎体圧迫骨折が考えられる.


【13】76歳の女性.物忘れのために日常生活で失敗が目立った.最近,夫の浮気を疑うようになり,顔を合わせると興奮し物を投げるなどの行為がみられる.息子が誤りであることをいくら説明しても納得しない.この患者の精神症状を評価する尺度として適切なのはどれか. 
1.HRS-D
2.NPI
3.POMS
4.SANS
5.SDS

解答

1.× HRS-Dはうつ病用ハミルトン評価尺度である.
2.○ NPIは認知症のBPSD評価である.
3.× POMSは気分プロフィール検査である.
4.× SANSは陰性症状評価尺度である.
5.× SDSは自己評価式抑うつ性尺度である.


【14】50歳の男性.アルコール依存症.大学を卒業後,就職したころから飲酒が始まる.転勤で一人暮らしになってから飲酒量が増加し,仕事もやめ昼夜問わずに飲み続けるようになった.その後,精神科病院を受診し入退院を繰り返す.主治医には「酒はもうやめます」と言いながらも退院後に再飲酒していた.作業療法士には「酒をやめたいのは本当だが,退院しても仕事が見つからないのでつい飲んでしまう.何とかしてほしい」と話す.この患者の心理状態として最も適切なのはどれか. 
1.否認
2.共依存
3.両価性
4.自己中心
5.刹那主義

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 「もう飲まない」「つい飲んでしまう」という,相反する感情を同時に抱いているので両価性である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【15】17歳の男子.子供の頃から内向的な性格だが,乳幼児健診等で異常を指摘されたことはない.高校1年時から周囲の物音に敏感になり,「学校で同級生に嫌がらせをされる」と不登校になった.自宅では「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」,家族と外出した街中では「自分の考えたことが知れわたっている」と言うようになり,精神科を受診し,通院治療で状態がある程度改善した後に外来作業療法が導入された.この患者でみられやすい症状はどれか. 
1.意識変容
2.観念奔逸
3.強迫観念
4.思考制止
5.連合弛緩

解答

1.× 意識変容は意識障害でみられる.
2.× 観念奔逸は躁状態でみられる.
3.× 強迫観念は強迫性障害でみられる.
4.× 思考制止はうつ状態でみられる.
5.○ 統合失調症が疑われるため,連合弛緩がみられやすい.


【16】19歳の女性.大学1年生.小学生の時より,水泳に秀でていて競技大会では常に優勝を競うほどであった.しかし,高校時代にスランプに陥り当時身長160cm,体重58kgであったが体重を落とせば記録が伸びると思い込み,ダイエットをしているうちに無月経になり,気づくと体重32kgになっていた.心配した母親が本人を説得し病院の精神科外来を受診したところ低栄養で危機的状況にあると医師が判断し精神科病棟への入院を勧めたが,病識の無い本人は納得せず,母親の同意による医療保護入院となった.その後作業療法に参加するようになり,1週間が経過した.患者に対する作業療法士の関わり方で適切なのはどれか. 
1.集団作業療法を勧める.
2.食事の摂取を積極的に促す.
3.現在取り組めていることを認める.
4.高校時代のスランプについて深く聞く.
5.食べ物を隠れて捨てるのを見つけたら叱る.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 自己表現する機会をつくり,自己肯定感や自信の回復を促す.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【17】65歳女性.約1年前から抑うつ気分,意欲低下,判断力低下,不眠,食思不振などがあり,約9か月前に精神科外来を初めて受診した.希死念慮や貧困妄想も加わり,約8か月前に医療保護入院となっている.抗うつ剤投与により不眠,食思不振はある程度改善されたが,悲観的な思考内容は遷延化した.促してかろうじて病棟外への散歩に応じるようになり,数か月が経過したところで,主治医から作業療法の依頼があった.この時点で作業療法として適切でないのはどれか. 
1.本人の自己決定を見守る.
2.個別のかかわりから開始する.
3.1回の活動時間は短く設定する.
4.長時間をかけて完成する課題を採用する.
5.なじみのある課題より初めての課題を採用する.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 工程がはっきりしていて,短期間で完成するものが好ましい.
5.○ 正しい.


【18】45歳の女性.20歳前後から,心理的負荷がかかるとリストカットを行うようになり縫合を必要とすることが多かった.また,自分の思い通りにいかないと易怒的となり,周囲に暴言を吐くこともあった.25歳時に精神科を初めて受診し,以後,過量服薬時に数回の入院歴があるが,現在は調理の仕事に就いて3年目となる.最近,職場の人間関係で正論を吐きすぎて孤立し,結果として焦燥感が強まり,主治医の勧めで仕事のシフトのない平日の日中に外来作業療法を開始することになった.この時点で作業療法士の関りとして最も適切なのはどれか. 
1.転職を勧める.
2.主治医に入院処遇を依頼する.
3.チームでの統一した対応をこころがける.
4.行動化に対しては心的距離を縮めて対応する.
5.本人の希望に応じて日々臨機応変に対応する.

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.○ 現実的な枠組みで一貫した対応が必要である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【19】22歳の男性.職場でケアレスミスがあまりにも多いため,産業医の勧めで精神科を受診した.母親の話によると,幼少時から落ち着きがなく,小学校の担任から「人の話を聞いていない」,「順番を守れない」,「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり,大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった.この患者に薬物療法を行う場合,最も適切と思われる向精神薬はどれか. 
1.気分安定薬
2.抗うつ薬
3.抗精神病薬
4.抗不安薬
5.精神刺激薬

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.○ 注意欠如・多動性障害が疑われるため,メチルフェニデートなどの精神刺激薬が適切である.


【20】45歳の男性.統合失調症.25年間の入院の後,退院してグループホームに入居することになった.作業療法士は患者の強みとしての性格,才能,希望,環境について,日常生活,経済的事項,仕事などの項目に分けて本人と一緒に確認の上文章化し,患者の言葉を用いて退院後の目標を立てた.本アセスメントの根拠となるモデルはどれか. 
1.ICFモデル
2.作業適応モデル
3.人間作業モデル
4.ストレングスモデル
5.CMOP〈Canadian Model of Occupational Performance〉

解答

1.× 誤り.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.○ 患者がもつ強みとしての性格・技能・環境・関心などの良い点に着目し,それを伸ばし回復につなげる取組みは,ストレングスモデルである.
5.× 誤り.


【21】作業療法に関する歴史について正しいのはどれか. 
1.呉秀三は認知行動療法を実践した.
2.A.Meyerは感覚統合療法を提唱した.
3.加藤普佐次郎は結核患者の作業療法に貢献した.
4.高木憲次は肢体不自由児の療育を体系化させた.
5.W.Duntonは精神力動的作業療法理論を提唱した.

解答

1.× 呉秀三は欧州における作業の効果を紹介した.
2.× A.Meyerは精神障害を「生活の障害」と捉え,作業が作業療法の枠組みであると提唱した.
3.× 加藤晋佐次郎は精神科医で,呉と一緒に作業療法を展開した.
4.○ 正しい.
5.× W.Duntonは「アメリカの作業療法の父」と呼ばれており,アメリカで精神領域における作業療法を提唱した.


【22】主な感染経路と感染症の組合せで正しいのはどれか. 
1.空気感染 ――― 流行性角結膜炎
2.空気感染 ――― 風疹
3.接触感染 ――― 結核
4.飛沫感染 ――― 流行性耳下腺炎
5.飛沫感染 ――― 疥癬

解答

1.× 接触感染 ――― 流行性角結膜炎
2.× 接触感染 ――― 風疹
3.× 空気感染 ――― 結核
4.○ 正しい.
5.× 接触感染 ――― 疥癬


【23】介護予防とその説明の組合せで正しいのはどれか. 
1.一次予防 ――― 活動性を維持させる.
2.二次予防 ――― 身体機能を改善させる.
3.二次予防 ――― 要介護状態を改善させる.
4.三次予防 ――― 生活習慣を改善させる.
5.三次予防 ――― 要介護状態になるのを遅らせる.

解答

1.○ 正しい.
2.× 一次予防 ――― 身体機能を改善させる.
3.× 三次予防 ――― 要介護状態を改善させる.
4.× 一次予防 ――― 生活習慣を改善させる.
5.× 一次予防 ――― 要介護状態になるのを遅らせる.


【24】作業分析の観察による評価について最も適切なのはどれか. 
1.観察者の主観により行う.
2.観察者の経験に左右される.
3.事前に認知機能評価を行う.
4.職業関連活動は模擬動作で評価する.
5.患者の病気に対する認識が評価できる.

解答

1.× 作業分析の観察による評価は客観的評価である.
2.○ 正しい.
3.× 作業分析の観察による評価は必ずしも事前に認知機能評価を行う必要はない.
4.× 職業関連活動は模擬動作や実際場面で評価をする.
5.× 作業分析の観察による評価では病気に対する認識は評価しにくい.


【25】発症後2時間の脳梗塞病巣を確認するために最も適切なのはどれか. 
1.CT像
2.MRI水強調像
3.MRI拡散強調像
4.MRI脂肪抑制像
5.MRI3DT1強調像

解答

1.× CT像は脳出血病巣を確認するのに最も適切である.
2.× 誤り.
3.○ MRI拡散強調像は超急性期の脳梗塞病巣を確認するのに最も適切である.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【26】反復唾液嚥下テストのカットオフ値は30秒間に何回か. 
1.1回
2.3回
3.5回
4.7回
5.9回

解答

1.× 誤り.
2.○ 反復唾液嚥下テストは,30秒間に空嚥下が3回以上できると正常である.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【27】高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理的検査において,動作性検査(絵画完成,符号,積木模様,行列推理,絵画配列,記号探し,組合せ)と言語性検査(単語,類似,算数,数唱,知識,理解,語音整列)の14項目で構成される検査はどれか. 
1.BADS
2.MMSE
3.SLTA
4.WMS-Ⅲ
5.WAIS-Ⅲ

解答

1.× BADSは遂行機能障害の行動評価である.
2.× MMSEは認知症を含めた高次脳機能障害を有する対象者に行う包括的検査である.
3.× SLTAは標準失語症検査である.
4.× WMS-Ⅲはウェクスラー記憶検査である.
5.○ 正しい.


【28】手関節を保持する装具の中で静的装具はどれか.2つ選べ. 
1.長対立装具
2.RIC型把持装具
3.カックアップ装具
4.Thomas型懸垂装具
5.Oppenheimer型装具

解答

1.○ 正しい.
2.× RIC型把持装具は動的装具である.
3.○ 正しい.
4.× Thomas型懸垂装具は動的装具である.
5.× Oppenheimer型装具は動的装具である.


【29】疾患と自助具の組合せで正しいのはどれか. 
1.アテトーゼ型脳性麻痺 ――― ソックスエイド
2.関節リウマチ ――― キーボードカバー
3.頸髄損傷 ――― マウススティック
4.脊髄小脳変性症 ――― リーチャー
5.Parkinson病 ――― 万能カフ

解答

1.× 関節リウマチ ――― ソックスエイド
2.× 脊髄小脳変性症 ――― キーボードカバー
3.○ 正しい.
4.× 関節リウマチ ――― リーチャー
5.× 頸髄損傷 ――― 万能カフ


【30】二分脊椎のSharrardの分類で股関節屈曲・内転運動が正常で外転が作用し始め,短下肢装具を用いて杖歩行が可能となるのはどれか. 
1.Ⅱ群
2.Ⅲ群
3.Ⅳ群
4.Ⅴ群
5.Ⅵ群

解答

1.× Ⅱ群はL1・2レベルで股関節屈曲・内転が作用し始め,車椅子と長下肢装具を用いた杖歩行が可能となる.
2.○ 正しい.
3.× Ⅳ群はL5レベルで靴型装具で歩行が可能となる.
4.× Ⅴ群はS1・2レベルで装具なしで独歩可能となる.
5.× Ⅵ群は下肢の運動麻痺がない.


【31】うっ血性心不全の急性増悪時にみられるのはどれか.2つ選べ. 
1.浮腫
2.四肢冷感
3.体重減少
4.頸静脈圧低下
5.高ナトリウム血症

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.× うっ血性心不全の急性増悪時には浮腫による体重増加がみられる.
4.× うっ血性心不全の急性増悪時には頸静脈圧上昇により頸静脈怒張が生じる.
5.× うっ血性心不全の急性増悪時には低ナトリウム血症が生じる.


【32】記憶障害を認める患者への対応として正しいのはどれか. 
1.記憶する内容は,その意味を考え,声に出し印象づけて記憶させる.
2.バランストレーニングなどの運動は疲労を伴うため活用しない.
3.記憶する内容は,絵などの視覚的イメージは用いず記憶させる.
4.健忘録は,多くの情報を取り扱うため活用しない.
5.何度も失敗を経験させながら,記憶の修正を促す.

解答

1.○ 正しい.
2.× 記憶障害を認める患者の運動は実施しても差し支えない.
3.× 代償手段として絵などの視覚的イメージの活用は有効である.
4.× 有効代償手段として健忘録の活用は有効である.
5.× 記憶障害を認める患者には,誤反応を避け正反応を導き出す無誤学習を用いる.


【33】車椅子自走が移動手段である患者の外出について適切なのはどれか. 
1.バスは利用しない.
2.電車の昇降は自力で行う.
3.歩道より車道を通行する.
4.ティルト式普通型車椅子を使用する.
5.事前に多目的トイレの場所を確認する.

解答

1.× 車椅子自走が移動手段である患者の外出ではバスを利用する.
2.× 車椅子自走が移動手段である患者の電車の昇降は,介助者に協力してもらう.
3.× 車椅子自走が移動手段である患者の外出では歩道を通行する.
4.× 車椅子自走が移動手段である患者の外出では普通型車椅子を使用する.
5.○ 正しい.


【34】痙縮治療について適切なのはどれか. 
1.内服治療は行わない.
2.温熱療法は禁忌である.
3.経皮的電気刺激を行う.
4.ボツリヌス毒素療法は上肢には有効ではない.
5.下肢筋力増強訓練は痙縮を増悪させるので避ける.

解答

1.× 痙縮治療で内服治療は行う.
2.× 温熱療法は痙縮抑制効果があるので実施する.
3.○ 経皮的電気刺激は痙縮抑制効果があるので実施する.
4.× ボツリヌス毒素療法は上肢にも有効である.
5.× 下肢筋力増強訓練は,過負荷にならない程度で実施しても差し支えない.


【35】頸髄損傷者の自律神経過反射への対応として正しいのはどれか. 
1.導尿
2.下肢挙上
3.腹帯装着
4.大腿部叩打
5.鎮痛剤内服

解答

1.○ 自律神経過反射誘因の一つに畜尿・蓄便があり,対応として導尿は正しい.
2.× 下肢挙上は起立性低血圧への対応である.
3.× 腹帯装着は起立性低血圧への対応である.
4.× 大腿部叩打は自律神経過反射への対応と関係ない.
5.× 鎮痛剤内服は自律神経過反射への対応と関係ない.


【36】腕神経叢損傷について正しいのはどれか 
1.上腕骨骨頭の下方偏位が出現する.
2.分娩麻痺は腕神経叢損傷ではない.
3.上位型は前腕の回外が可能である.
4.下位型の麻痺では手指の運動障害はない.
5.近位引き抜き損傷では交感神経機能障害がある.

解答

1.○ 腕神経叢損傷では肩関節周囲の筋力低下が生じ,上腕骨骨頭の下方偏位が出現する可能性がある.
2.× 分娩麻痺は腕神経叢損傷である.
3.× 上位型はC5・6(7)の麻痺のため,前腕回外の障害が生じる.
4.× 下位型はC8・T1の麻痺のため,手指の運動障害が生じる.
5.× 遠位引き抜き損傷では交感神経機能障害がある.


【37】障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉における補装具費支給制度で18歳未満のみが対象となるのはどれか. 
1.座位保持椅子
2.側弯矯正装具
3.電動車椅子(リクライニング・ティルト式普通型)
4.歩行器(六輪型)
5.ロフストランドクラッチ

解答

1.○ 障害者総合支援法における補装具費支給制度で18歳未満のみが対象となるのは,座位保持椅子,起立保持具,頭部保持具,排便補助具である.
2.× 誤り.
3.× 誤り.
4.× 誤り.
5.× 誤り.


【38】疾患または症候と異常歩行の組合せで正しいのはどれか. 
1.運動失調 ――― 酩酊歩行
2.フレイル ――― すくみ足歩行
3.Parkinson病 ――― はさみ脚歩行
4.脳卒中片麻痺 ――― 踵足歩行
5.総腓骨神経麻痺 ――― 分回し歩行

解答

1.○ 正しい.
2.× Parkinson病 ――― すくみ足歩行
3.× 痙性対麻痺 ――― はさみ脚歩行
4.× 脛骨神経麻痺 ――― 踵足歩行
5.× 脳卒中片麻痺 ――― 分回し歩行


【39】エビデンスレベルが最も高いのはどれか. 
1.症例報告
2.コホート研究
3.症例対照研究
4.ランダム化比較試験
5.非ランダム化比較試験

解答

1.× 症例報告のエビデンスレベルは5である.
2.× コホート研究のエビデンスレベルは2である.
3.× 症例対照研究のエビデンスレベルは3である.
4.○ ランダム化比較試験のエビデンスレベルは1bである.
5.× 非ランダム化比較試験のエビデンスレベルは4である.


【40】ワーキング・メモリを測定する検査が含まれているのはどれか. 
1.BACS 〈The Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia〉
2.LASMI 〈Life Assessment Scale for the Mentally Ill〉
3.SCSQ 〈Social Cognition Screening Questionnaire〉
4.SMSF 〈Inventory Scale for Mood and Sense of Fatigue〉
5.WHO-DAS2.0 〈WHO disability assessment schedule 2.0〉

解答

1.○ BACSは言語性記憶と学習,ワーキングメモリ,運動機能,注意と情報処理速度,言語流暢性,遂行機能が含まれる.
2.× LASMIは日常生活,対人関係,労働または課題の遂行,持続性・安定性,自己認識が含まれる.
3.× SCSQは言語記憶,文脈からの推論,心の理論,メタ認知,敵意バイアスが含まれる.
4.× SMSFは気分状態,疲労感,回復感が含まれる.
5.× WHO-DAS2.0は世界保健機関が開発した健康と障害について文化的影響を除いて測定する標準ツールである.


【41】統合失調症の急性期において,治療効果をみるのに最も適切なのはどれか. 
1.GHQ 〈General Health Questionnaire〉
2.LSP 〈Life Skills Profile〉
3.PANSS 〈Positive and Negative Syndrome Scale〉
4.QLS 〈Quality of Life Scale〉
5.SFS 〈Social Functioning Scale〉

解答

1.× GHQは精神的健康調査票である.
2.× LSPは生活技能プロフィールである.
3.○ PANSSは統合失調症の陽性・陰性症状尺度である.
4.× QLSは統合失調症患者のQOL評価である.
5.× SFSは社会機能評価尺度である.


【42】OT56A042.jpgうつ病患者に行った訓練を表に示す.あてはまる訓練法はどれか. 
1.コラム法
2.自己教示法
3.行動活性化法
4.ポジティブ日誌
5.アサーショントレーニング

解答

1.○ コラム法は,不安や恐怖などネガティブな感情に関連している認知(自動思考)の再構成に用いられる方法である.
2.× 自己教示法は遂行機能障害で用いられる.
3.× 行動活性化法は認知行動療法の手法の一つである.
4.× ポジティブ日記はうつ病患者に対するポジティブサイコロジー手法の一つである.
5.× アサーショントレーニングは自分と相手を尊重したコミュニケーション手法である.


【43】広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)について正しいのはどれか. 
1.聴覚過敏は稀である.
2.クレーン現象がみられる.
3.注意欠如・多動性障害は合併しない.
4.視覚情報より聴覚情報への注目の方が優位である.
5.4~5歳で「サリーとアン課題」ができるようになることが多い.

解答

1.× 広汎性発達障害は触覚過敏を伴う.
2.○ 広汎性発達障害は言語的コミュニケーションが苦手なため要求行動でクレーン現象がみられる.
3.× 広汎性発達障害は注意欠如・多動性障害や適応障害を合併しやすい.
4.× 広汎性発達障害は聴覚情報より視覚情報への注目の方が優位である.
5.× 広汎性発達障害は「サリーとアン課題」が困難である.


【44】アルコール依存症の作業療法を行うにあたって,適切でないのはどれか. 
1.酒害教育と並行して行う.
2.退薬症候群が遷延しているか把握する.
3.家族が健康になるよう支援する視点をもつ.
4.本人の飲酒問題の否認について初期から積極的に介入する.
5.回復初期には過剰な言動に振り回されない対応が必要である.

解答

1.○ 正しい.
2.○ 正しい.
3.○ 正しい.
4.× 初期の段階は生活リズムや体力づくりが中心となり,その後,心理教育,内省などによって治療していく.
5.○ 正しい.


【45】境界性パーソナリティ障害患者の作業療法について正しいのはどれか. 
1.退行を許容する.
2.逸脱行動は静観する.
3.自力で達成できるような作業を行わせる.
4.作業より面談などの言語的関りを中心とする.
5.取り決め事項の変更について患者の要求のまま応じる.

解答

1.× 退行は許容しない.
2.× 現実的な枠組みで一貫した対応が必要である.
3.○ 正しい.
4.× 枠組みのある作業が有効である.
5.× 治療構造や約束を遵守させる.


【46】注意欠如・多動性障害について正しいのはどれか. 
1.女性に多い.
2.低出生体重児の多くで発症する.
3.感情における衝動性の高さは改善しやすい.
4.約9割の患者は成人期早期までに寛解する.
5.青年期以降は運動性多動の症状は目立たなくなる.

解答

1.× 注意欠如・多動性障害は男児に多い.
2.× 注意欠如・多動性障害に出生時体重は関係ない.
3.× 注意欠如・多動性障害では,成人期以降も注意障害や衝動性が持続することが多い.
4.× 注意欠如・多動性障害では,成人期以降も注意障害や衝動性が持続することが多い.
5.○ 正しい.


【47】入院患者のせん妄発症を予防するための取り組みとして適切なのはどれか.2つ選べ. 
1.処方内容を確認する.
2.家族との面会は謝絶する.
3.病室移動の頻度を増やす.
4.多職種で関わるのを避ける.
5.本人の見える位置に時計を置く.

解答

1.○ 薬剤性のせん妄の可能性の有無の確認は必要である.
2.× 慣れ親しんだ人や環境設定は有効である.
3.× 環境変化は増悪させる要因である.
4.× 多職種の関りは特に避ける理由はない.
5.○ 本人の見える位置に時計を置くのは,見当識への対応として有効である.


【48】ACT〈Assertive Community Treatment〉の特徴として正しいのはどれか. 
1.日中に限定した支援を行う.
2.医療機関内でのみ援助を行う.
3.利用者の入院治療を推奨する.
4.精神障害が軽度な患者が対象である.
5.チームのケアマネジメントを行う.

解答

1.× ACTは365日24時間対応する.
2.× ACTは利用者の自宅や職場など実際の生活の場を訪問する.
3.× ACTは地域生活を支援する.
4.× ACTは精神障害が重度な患者が対象である.
5.○ ACTは多職種によって構成されたチームで対応する.


【49】特別支援教育について正しいのはどれか. 
1.軽度知的障害は対象とならない.
2.特別支援学級は10名以上で編成する.
3.一人一人の障害レベルによらず標準的な指導を行う.
4.注意欠如・多動性障害は通級による指導の対象である.
5.広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)は知的障害を伴う場合のみ対象となる.

解答

1.× 特別支援教育は,知的な遅れのない発達障害も含めて,障害により特別な支援を必要とする幼児児童生徒が対象である.
2.× 特別支援学級は1学級8名(公立)で編成する.
3.× 特別支援教育は一人一人に応じた指導を行う.
4.○ 正しい.
5.× 特別支援教育は知的障害を伴わない広汎性発達障害にも対象となる.


【50】就労定着支援事業について正しいのはどれか. 
1.利用期間は1年である.
2.他の職場への斡旋を行う.
3.目的は職業上の適性を確認することである.
4.一般就労を6か月継続している者が対象である.
5.日常生活や社会生活上の相談・指導は行わない.

解答

1.× 就労定着支援事業の利用期間は3年である.
2.× 就労定着支援事業は同じ職場に定着できることを目指すもので,他の職場への斡旋は行わない.
3.× 就労定着支援事業は職業上の適性を確認することが目的ではない.
4.○ 就労定着支援事業は就労7か月目から利用でき,就業開始より3年6か月までの3年間利用可能(支援期間3年)である.
5.× 就労定着支援事業は日常生活や社会生活上の相談・指導も行う.


 | 【OT国試過去問】 | 午前51~100